世界遺産「古都奈良の文化財」の構成資産である薬師寺。
ここは天武天皇が、皇后の病気平癒を祈願して建立したということで、興味があった。平城京遷都のときに現在地に移築された。
近鉄西ノ京駅から歩いて10分弱くらいか。周辺には、蕎麦屋さんをいくつか見かけた。
由緒ある寺の近隣に、昔ながらの蕎麦屋さんがある景色は心がなごむ。
もう20年近く前、東京の新聞社に勤めていた頃、ある宗教間対話のシンポジウムを取材した際、薬師寺管主の方もパネリストの一人として登壇されていた。
シンポジウムの内容は忘れてしまったけれども、その時いただいた名刺は今もファイルに保管してあって、管主さんのお顔や雰囲気は覚えている。
お会いしたのは一度きりだが、顔や雰囲気を覚えているというのは、それだけ強烈な印象を抱いたということなのかもしれない。
このお寺で、創建当時から残る唯一の建物は東塔。
六重に見えるが、三重の塔。特異な形が全体的に律動的な美を保つので、〝凍れる音楽〟と称されるのだという。
すてきな表現だと思った。