東京駅駅舎、日本銀行本店、奈良ホテル、大阪市中央公会堂などを設計した辰野金吾。

今年2019年は没後100年だそうで、その回顧展を、ゆかりのステーションギャラリーと、貨幣博物館で開催中です。

ステーションギャラリーの方。

この素敵な駅舎の設計者、辰野金吾は、唐津から上京し、外国人のボーイをするなどして勉学の資金と機会をつかみ、工部大学校を首席で卒業するまで、友人との交際もごく一部に限って勉学に励みました。卒業後は順調に成功に突き進み、日本に、日本人による一流の西洋建築を増やしていきます。

 

ステーションギャラリーでは、辰野と欧州留学中に親しくなった西洋画科、松岡壽との関係が中心の展示です。

人の利用する、暮らす建物であるという観点から、人体のスケッチを重要視しました。

彼の建物の良いところは、英国ヴィクトリアン・ゴシック様式の、合理的でありながら適度に装飾性があり、適度に遊び心も満足させられるところなのでは?

 

ギャラリーでは、辰野建築や、彼の設計用スケッチなどを選んでTシャツやトートバッグを作るワークショップも併設。

なかなか素敵です。

 

お次は、東京駅をはさんで向こう側の日銀本店(辰野設計)向かいにある「貨幣博物館」。

ドアを開けるなり、何人もの警備員さんがいて、バッグの中身やボディチェックを受けました。

二階には、いろんなお金にまつわる博物館があり、その一隅で、辰野金吾の特別展をしていました。

辰野金吾、若いころも押しの強い、いい男ですね。

 

辰野は本店だけでなく、多くの日銀支店も手がけており、それは、25年間に及びました。

こういう公共のランドマーク的な建築物を設計するにふさわしいセンスと実績があったんですね。

 

戦災などで失われた建物の設計図を見るのも楽しい。

美しく理知的、風格があって、かつどこか伸びやかな、良い建物が多いです。

 

見終わって外に出たら、日銀本店の建物。上から見ると「円」の字ね。

ここは、内部観覧ツアーとかないんですかね?・・・まあ、無理か。