戦場を縦横無尽に蹂躙する戦車にとっての天敵はなんであろうか。

現時点での戦車にとって、最大の天敵は「HEAT弾(対戦車榴弾、成形炸薬弾)」である。とくに、HEAT弾を備えた「対戦車ミサイル」である。

 

第四次中東戦争でのいわゆる「サガーショック」により、現代戦車は対戦車ミサイルへの対抗手段として複合装甲を採用している。しかし、最近ではトップアタック能力を有する対戦車ミサイルも登場しているので、現代戦車をもってしても未だに対戦車ミサイルは脅威となっている。

ウクライナ侵攻でロシア軍戦車隊に猛威を振るった「ジャベリン」対戦車ミサイル。ウクライナ侵攻では戦車同士の機甲戦よりもジャベリン対戦車ミサイルによる損害の方が圧倒的に多いらしい。

 

余談だが、第二次世界大戦後にアメリカ陸軍にて、戦車駆逐大隊が解体された要因はあくまで、戦場での汎用性だといわれている。具体的には、M36駆逐戦車と同火力の90mm砲を備えていながら、機動力と防御力も十分に有している万能戦車「M26パーシング」の登場である。汎用性ゆえに戦車駆逐大隊は解体されただけなので、現代のアメリカ陸軍でも対戦車攻撃に特化したヘリコプター「アパッチ」を採用しているのだろう。

 

アイゼンハワーが第二次世界大戦で連合軍を勝利に導いた4つの兵器の中に「バズーカ」を挙げている。第二次世界大戦にて、バズーカやパンツァーファウストにより実用化されたHEAT弾というものはそれほど画期的な兵器だったのである。

つまりは、第二次世界大戦以降、戦車に対して、最も脅威なのはHEAT弾に他ならないということだろう。