外国人からの購入申込みを断った売主の話 | 千葉の外房で田舎暮らし!明正不動産BLOG

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去年の秋、日本に30年住住んでいる外国人から
ある土地の購入申込みを頂いた時の話です。

土地の場合、ネットの情報を見て自分で場所を探して
見に行き、気に入ったら問い合わせをして来るケース
が多いですが、今回もそのパターンでした。

その地点で売主さんから日本人に売却希望という話は
出ておらず、土地を見たのは奥様(日本人)だったので、
その時はご主人が外国人だとは分かりませんでした。

奥様から前向きに検討したいので資料を送って欲しい
という連絡があり、メールと電話でやり取りした後に
購入申込みの意思表示を頂きました。

土地と建物を含めてローンを利用したいとの事でしたが、
その時は奥様と話をしていたのでご主人(アメリカ人)
名義で購入を希望している話は出て来ていません。

交渉の中で、売主さんからなぜ現金を持っているのに
ローンを使うのですか?土地を現金で購入出来ないの
ですか?と言われたので、土地は現金購入に変更して
もらい、契約日時まで決まりました。

問題が起きたのはその後です。

その後のやり取りで奥様からご主人名義で購入したい
との申し出があったため売主さんにその旨を伝えた所、
買主は外国人なのですか? 主人と相談して折り返し
連絡しますと言われました。

今までの経験上、このようなケースだと良い事が
ありません。嫌な予感は的中しました。

しばらくして売主から「主人と相談した所、外国人は
トラブルを起こすから外国人には売りたくない」
断って下さい。との申し出がありました。

確かに文化や風習の違いでトラブルになるケースは
ありますが、日本人だってクレーマーはいるし
国籍を問わずトラブルを起こす人は起こします。


外国人でも日本での生活が長い人なら日本語も流暢で
日本の事情を理解しているので、日本人とあまり
変わりません。

 

なので個人的には先入観を持たず実際の人物を見て

判断するべきだと考えています。

日本人、外国人に関係無くトラブルを起こす人は
起こします。何度かやり取りすれば、その人の人柄
も分かりますが、この時は私が話をした印象としては

トラブルを起こすような人には見えませんでした。

 

不動産の仕事を長くやっているとこの辺りの直感は
けっこう当たります。


土地の問い合わせが少ない中、せっかく買いたい
人が現れたのですから話を進めませんか。

売った後は売主さんの手を離れるので関係無い話
ではありませんか?

税金も光熱費も建材価格も高騰している状況なので、
次に買い手が現れるのは1年後になるか2年後になるか
分かりません。その間、固定資産税を払って草刈りを
やり続ける事になりますけどいいのですか?

など説得しましたが、せっかく動いてもらったのに
申し訳ないけど、私も主人も外国人には売らない
事で意見は一致している。売れなかったらその時は
その時で考えるので断って下さい!との事なので、
買主さんに事情を話して謝りました。

買主さんは差別的発言だ!と怒っていましたが、
こういう話は売出す前に言って欲しいものです。

仲介手数料は成約報酬なので、後からこういう事を
言われると不動産会社は広告費やかけた手間が

全て無駄になります。

仲介手数料は物件価格によって変わるので、
田舎の低価格帯の物件だと契約キャンセルが何度も
続くと赤字になる事もあります。

ちなみに良いお客さんを逃した後は、不思議と
次の買い手がなかなか現れない事が多いです。

この売主さんは、その後半年以上買い手が現れず、
先入観で判断せず、外国人でも常識のある人なら
売却します。という事になりました。

 

この手の事は何度も経験していますが、不動産売買も

結婚と同じく縁ものなので、売れるチャンスがあったら

断らずに売った方が良い事の方が多いです。