『筋力や健康は持って生まれてきているもの』と思いがちなのですが…完璧なものを与えられることはありません
鍛錬をコツコツと続け、長い時間をかけ、人生をかけて積み上げていく。
自分の力で獲得、構築していくものです。
天も神も家族も他人も与えてはくれず、頼れるのは己自身のみ。
そしてこれは姿勢、Alignment(アライメント=正しい骨の配列)においても同様です。
「本来は良い姿勢だったのに、大人になるにつれて悪習慣のために姿勢が悪くなってしまった」とお思いではありませんか?
これも数々のクライアントさんと話をしてきて、みなさんそういう傾向が強いのですが…
「悪化した」のではなく、ほとんどの人は「幼少期・若年期・老年期を通し『良い姿勢』を獲得することなく姿勢が『悪いまま』生涯を終える」というケースが多いです💦
以下は先日初回セッションにお越しになった方がされた話(それ以前より多くの方から何回も何十回も伺っている内容ですが)。
「整体に行くと必ず『歪んでる』と言われて、『ああ〜っ』となります」
うんうん。
まず、落ち着いてください。
(整体チェーンでは身体の歪みを強調して伝えることで感情に訴え、通わせるという手法もあります。
私は大手整体チェーン併設のスタジオで働いたことがあるのですが、マニュアルに『お客さんを脅す』ようなトーク術があってびっくりしました
個別の問題を指摘して差し上げるのは良いですが、誰の何も見てないということ…
)


「人の身体はデフォルトで多少歪んではいる」というのは当然なのです。
そういうものです。
私達には「利き手・利き足」がありますよね? 内臓も左右対称ではないですよね?
そもそも私達の身体は左右非対称です。そこは踏まえておきましょう。
では「歪んでいる」と言われても無視すれば良いのか?気にしなくて良いのか?と言えばそれは違います。
「専門家のアドバイスを受けることでそこに気をつけ、日々意識に上げられるようになる」ことが重要です。
ただただ冷静に、淡々と。
「ああ〜っ私の体って歪んでるんだ!いやああああああ(←感情的な反応)」ではなく、「そうなのか、じゃあこうしよう(←具体的な対応)」と手段を考えられるように、そこにフォーカスできるようになっていきたいのです

整体は受け身になりがちですが、動きを伴うピラティスのセッションでしたら気をつけるポイントまでお伝えできます

身体を動かす(エクササイズを行う)ことで、自分で自分の身体の現状、どうなっているのかが分かるようになることも多いです。
さて、なぜ我々の身体は歪んでいるのか?
先に述べたように、利き手・利き足があること、左右非対称の内臓配置。
そして非常に不安定な二足歩行をする動物であること。
二足歩行動物は唯一人間のみで、二足歩行においては脊柱が重力に対し垂直になる位置が理想です。
常に重力に逆らうことが必要な形状のため、姿勢を保持・維持・キープし続けることが大変難しいのです。
重力に任せた姿勢でいることは楽です。
意識と筋力を要する行為は定着しにくく、流されるままの状態は定着しやすいです。
姿勢が悪い原因は「人体の構造そのものが複雑だから」であり、少し仕方がない面もあるのです。
人体の構造は本当に繊細で素晴らしく…究めれば他のどんな動物にもできない動きができ、非常に優れた脳を持っています。
ミドリムシちゃん
生命はここから進化を遂げ、構造の複雑さを増しに増し、人類がその最先端にいます。
最上級の生命体・人体の細胞数は数十兆個!
細胞の数だけで考えても、それら全てをコントロールするのは単細胞生物の数十兆倍も難易度が上がると分かりますよね。
バレエを踊れる、アメフトができる、オーケストラを構成できる、魚雷を開発できる生き物なんて人間しかいません。
他の生物はもっと単純です。
人として生まれたら必然的に「至上最高の生命体を扱う・コントロールしなければならなくなる」ので、難しいのは当然なのです。我々は核弾頭を発明する能力を備えた身体を持っているのですから…。
スマートフォンと同じです。
多くの知識を持ってたくさんのアプリを使いこなしスマホに仕事をさせられる人と、LINEしかできない人。
素晴らしい器を持っていても、知識と実践がなければ使役できるようにはなりません。
(IT系に弱い人って身体を使うのも難しいのかも…?そういう印象は長らくあります。ITと身体、制御や取り扱い方が似ているので。でも私がそのように偏って捉えがちなだけで、例外も多いかもしれませんが)
人間の身体は複雑過ぎ、勉強せずに扱えるものではないレベルなのです

無知のまま、この複雑極まりない体をどうにかしようと思っても所詮うまくいかず

難しい構造を扱うためには、複雑な思考・前提となる知識が必要になります。
まず知識をつけましょう

生まれながらに運転免許を持っている人はいません。
身体にも、操縦免許はあります!
取り扱い方・マニュアル・取説があるのです。
だからmetamorphoseでは座学からセッションが始まります

知識なくしては制することができない己の身体。
それほど身体の扱いというのは難しいのです。
さて、その非常に難易度の高い二足歩行が始まってすぐ、人体に姿勢の悪さは現れます。
「だいたい小学校に上がる頃くらいから
」とおっしゃる整形外科の先生もいらっしゃいました。

小学校の教室を思い出してみましょう!
姿勢の良い子供ばかりでしたか?
…みんなめちゃくちゃな姿勢で授業を受けたり、給食を食べたりしていませんでしたか?
それがそのまま年を取るだけです



「若い頃は姿勢が良かった」は幻想であることが多い

一般的にはそんな感じ。
「姿勢が良い人」というと、言葉自体はありふれているのでそんな人がその辺にいそうな気もしますが…
家庭や職場や街を見渡してみてください。姿勢の良い人を見つけるのは至難です。
姿勢が良ければ、その時点であまり平凡な方ではありません。
下記のような図を見ると、「自分も同じ人間なのでこのような骨格を持っている」と錯覚しがちですが…
この完璧なAlignmentはどちらかというと数の上では異常値で、アスリートやダンサーやモデルなど、姿勢制御のトレーニングを積んだ人に限られてきます。
水泳や陸上など、「まっすぐ進むこと」でコンマ数秒の差を争っている競技の選手は、非対称の身体においてできる限りの左右対称性を実現させたいため、日々気を使い、利き手でない方でお箸を持つようなトレーニングをされている方もいます。このイラストの人はそのレベルに到達していますよねー。
数をカウントする上では、「姿勢が良い方が異常(少)、姿勢が悪い方が正常(多)」という値になります。
↓なかなかショッキングな絵ですが、どちらかと言えばこちらに近い姿の人の方が多いのかも。
(こういう悪い姿勢を客観的に見ると、「なぜ腕が上がりにくいのか」なども見えてきますね。
そりゃ上がらないでしょ、いつも下ろしているんだから。)
「幼少期から姿勢が良い時期はなかった」と気づけたら、そこで初めて「姿勢が良い人になれるチャンス」が巡ってきます!
気づくことって本当に大切。
チャンスは絶対にあるのです。例えばこういう記事を読んでショックを受けることや日常を考え直すきっかけになることなど、そういう機会をおそろかにしないように。
(チャンスを逃すと、逃し続けることが当たり前になっていき、だんだんショックすら受けなくなっていきます。)
そして姿勢は、良くなれます!だって実際に良くしている人がいるのですから。
まずは知識から。基礎の解剖学を知りましょう。めるもの初回セッション受けにきてくださーい

O脚X脚なども、何が外反で何が内反なのか、何が外旋で内旋で、骨盤の前後傾とは、足の重心の位置がどこに偏りがちなのかなど、丁寧に探っていくことで変化は生じます。
知識だけでももちろんダメで、継続的な実践が必要になります。
こちら、非常に示唆に富んだ写真でして…
左の方、理学療法士なんです。
知識も豊富で毎日患者さんに指導されていらっしゃる。
でも…姿勢悪い

右側はポールスターピラティスのエデュケーターBeat Eggiman氏、欧州でダンサーとして活躍されていました。
この写真は姿勢を確認するために、天井から紐を下げPlumb line(測鉛線・鉛直線)を空間に配置し、そこにBeat先生がたまたま重なって立たれたところを写したもの。
打ち合わせをしながらごくごく自然に美しく立つBeat先生。嘘みたいにこのイラストのよう↓
長年のダンスを通じた鍛錬と積み重ねた学びが全身に現れています。
このレベルのお方にお目にかかることは通常まずありません(EUダンスチャンプ…)。
姿勢が良い人はその辺にはいないのです。
ご覧の通り、姿勢にはその人が生きてきた軌跡、人生がそのまま現れます。
美しい人生を身体で現しましょう!
知識を得るだけでは実現されず、生涯を通して取り組む・実践し続けることが必要と分かったところで、何をすべきなのか。
大切なことは2つ!
1. 知識をつけ、日常生活でポイントを意識に上げつつ過ごす(←自分でできること)
2. 定期的なセッションで第三者に修正してもらうこと(←自分でできないこと)。
姿勢が良い人は、この両側からの挟み打ち(自分でできることとできないこと)を必ず経由しています。
自分で気をつけるだけでもダメだし、人に見てもらうだけでもダメ。
両方ー

そうやってプロフェッショナルとの二人三脚で、初めて人は変わっていけます。
今足りていないなら、補ってゆけば良いのです。
私も自ら学び、バレエの先生に丁寧に修正していただき、身体をゆるめてもらい…。
毎日毎日改善に取り組んでいます。
さて、「姿勢の良い人はほぼ存在しない」ことが分かったところで、恐ろしい事実があります。
私達はホメオスタシス同調がありミラーニューロンシステムを持ち、すなわちあっさりと他人に影響を受けます。
姿勢が悪い人々の中で生活しているから、自分も無意識に同調していくのです。
「姿勢を良くする」とは周囲に屈しない・出る杭になる・凡人を卒業するということです。
「私は凡庸な人間です…」という状態ではいられません!
逆に言えば凡庸な人間のまま姿勢が良くなることはありえないのです。
「姿勢が良くなりたい=数の上での異常値にいきたい」なのですから。
ですから、背が高くなり目立つようになり、まさに「頭角を現す」人になる心構えをしておきましょう!
普段から「周りに合わせよう」という精神性でいると、一緒にゾンビ化
していきます。

「胸を張り堂々とする」ことは、同調圧力の強い日本人のメンタリティーとあまり相容れません。
姿勢の悪い集団同調圧力に負けないためには?
おすすめ法の1つはYoutube動画をBGMにすることです。
私は毎朝の保湿タイムに大画面テレビでバレエ関連のYouTubeを流しています。
理想の身体は人それぞれ違いますから、自分にとっての憧れの人をいつも思い浮かべると良いでしょう!
周囲の物理的存在は無視し、画面の向こうにいるその人を見つめ続けましょう。
そうするとその人にホメオスタシス同調を起こし、ミラーニューロンシステムが働き、少しずつ似ていくのです。
私は肩のAlignmentが難ありなのですが、永久メイちゃんを見つめて「うーん ここどうなってる〜?」と考え続け意識し続けることで大分良くなってきました!
一緒に理想の身体を目指しましょう
公式LINE(@uir0934z) ご質問などもお気軽に
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横浜のちいさなピラティススタジオ、メタモルフォーゼ。