ごきげんよう。栗毛馬です。

昨日の続きです。

 

次は、地図を見ていて偶然見つけた「御菓子司 ちもと総本店」です。

場所は、フランスベーカリーのすぐ近く。

 

「ちもと」って…、都立大学前のあの「ちもと」と関係があるのかないのか。

 

いずれにせよ、和菓子好きとしては寄らずにはいられません。

 

趣のある店構え。

店内に一歩足を踏み入れると漂って来たのは、そばつゆの、だしの効いた甘じょっぱい香り。

 

自慢の品らしい「焼き団子」に惹かれましたが、かなり時間がかかるよう。

それに、ランチを食べ、ジェラートのしかもダブルまで食べたばかり。お腹はさすがに空いていませんら

 

家に帰ってから楽しめる和菓子の方がいいな…というわけで、選んだのは、これまた名物らしい「ちもと餅」、それから珍しい「蕎麦団子」。

 

またまた時系列がおかしくなりますが、帰宅してから食べた感想を記します。

 

 

  蕎麦団子

 

 

 

蕎麦の味と香りが強烈です。

むに、むち、ねちっとした食感。

ねちねちしているけれどブチッと切れ、粉っぽさを感じさせるのがいかにも蕎麦らしい。

 

人によっては、少々クセがあると感じるかもしれません。

大の蕎麦好きやそばがきに目がない方におすすめしたいです。

 

 

  ちもと餅

 

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「なにこれ。ゆべし?」

と、パッケージをつつく老婦人。

 

「よくわかんない。多分そんな感じ。看板商品だって」

答えると、

 

「ええーーー?やっぱりゆべし?」

思いっきりいやそうな顔をされました。

 

「あれ、嫌いだっけ。ゆべし?」

聞くと、

 

「嫌いってわけじゃないけど別に好きでもない…。わざわざ食べたいとは思わない。今まで食べて、おいしいと思ったことは一度もないし」

と、散々な返答。

 

なら食べないかっていうとそうではないのがうちの老婦人です。

 

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笹の葉を開くと出てきたのは、ころんとした三角形のお餅。

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葉脈の筋が美しい。

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一口大に切り分けようとして驚きました。

ふよんふよんのふわんふわん。

柔らかーい…!

 

カットすると、わ、不思議な断面が現れました。

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ゆべしってこげ茶や褐色をした半透明のものという印象がありますが、「ちもと餅」は白濁して、不透明。

一般的なものがコーヒー色だとしたら、コーヒー牛乳色、といった趣です。

 

して、そのお味は。

 

一口食べた老婦人。

「あら…。おいしい。こんなにおいしいゆべし、初めて。食べたことのない味がするわ」

すっかり神妙な顔になっています。

 

確かにおいしい。

生地はほわほわでふよふよ。

もにょもにょっとしながら、ちょっとシュワ…と溶けるよう。卵白でも入っているのかしら?と思ってしまうような不思議な食感。

 

黒糖のコクと風味がやさしい。

ごろりと入ったクルミがアクセントになって、こりゃ確かにおいしい。

素朴なのに、上品な味わい。バランス感覚が洗練されています。

 

あらら、こんなにおいしいならばもっと買ってくればよかったな。

 

「もうないの?」

老婦人が同じことを言っています。

 

あんなにゆべしのことをばかにしていたくせにねぇ。