レポ1)ゴッホ展は、ほぼ毎年行われている | 西洋美術の楽しみ方_ルーブルの魔女からの伝言

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先日、ゴッホ展に行ってきました。

 

 

秋の上野公園は、穏やかで
心地よかったです。

 

 

 




東京に限っていえば、


画家ゴッホの美術展は
毎年、年に一回くらいのペースで
開催されています。




・2019年10月〜 2020年1月

ゴッホ展 人生を変えた ふたつの出会い 

上野の森美術館

 






・2017年10月~2018年1月

ゴッホ展 巡りゆく日本の夢

東京都美術館

 





・2016年10月~11月

ゴッホとゴーギャン展

東京都美術館







とりあえず、3年分を遡って
東京に限って記載してみましたが

それ以前にも、

数々のゴッホ展が開かれています



そういえば
厳密には、「ゴッホ展」とは違うけど、


昨年の
「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」
(国立西洋美術館 2020年3月〜6月)も

メインは、ゴッホの「ひまわり」でした。







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あまりに頻繁に開かれているため、
「ゴッホ」をメインにした美術展では、


どんな切り口で
ゴッホを見せてくれるのかが

ポイントになります。




今回は、
「響きあう魂 ヘレーネとフィンセント」
 

というサブタイトルがついています。






フィンセントは、
ゴッホのファーストネーム。

 



「ヘレーネ」は、

女性の美術品収集家の
 

ヘレーネ・クレラー=ミュラーです。




ヘレーネは、ゴッホの才能を
最初に認めた一人とも言われます。


ヘレーネが初代館長を務めたのが
クレラー=ミュラー美術館で


ゴッホのコレクションでは

アムステルダムにある
「ゴッホ美術館」と並んで

知られています。





今回の美術展では
ヘレーネが美術品を収集する過程から
始まって

オランダ時代〜パリ〜アルルと
あざやかに変遷する

 

ゴッホの画業を追う内容になっています。





美術展の序盤(3分の1くらい)までは
ゴッホの作品ではなく


19世紀半ば頃に
ヨーロッパで活躍した画家の作品が
展示されています。



「ルドン」のキュクロプスなどは
画家の代表作にして

クレラー=ミュラーに行ったら
かならず見たいオススメに上がる一枚ですが

 

>>これです(リンク先Wikipedia)


そんな作品もさりげなく
混じっていました。





展覧会図録









コレクターが集めた作品群を
もとにした美術展では


その収集の過程の情熱や
コレクターのこだわりが感じられるのが
特徴です。



ましてや、

後世に残すべきと思える作品を

集めるという信念で
 

美術館を創設するほどのヘレーネの
コレクションは、


ふだんは「美術展」に
あまり馴染みがない方にも...


「また今年も、ゴッホ展?」
と思わず、つぶやいてしまう

美術好きの方にも...


オススメの美術展です。








東京都美術館での開催は

12月12日(日)まで

 

その後、福岡(12月23日〜)
名古屋(2月23日〜)と巡回します。



▽「ゴッホ展」詳しい案内ページはこちら
https://gogh-2021.jp/outline.html


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★次の記事に続きます
>>コロナ禍で変わる美術展

 

 

▽ゴッホセミナー開催します

 




内田ユミ

(西洋美術史講師)