クリップ 館山市広報「だん暖たてやま」誌 2009.10.15号 blog 布良・相浜の漁村日記


「地区がひとつになりました」


 8月10日(月)に執り行われた安房神社大祭に、58年ぶりに布良崎神社の神輿が入祭しました。地元のお年寄りによれば、布良崎神社の神輿は、60年くらい前に気性の荒い青年団が起した暴力事件により、大祭への入祭を禁止されたそうです。

 入祭にあたり、地区の祭礼を仕切る布良十人組も、50年ぶりに復活しました。入祭に向けての活動の始まりは、十人組の組頭を務めた、島田吉廣さんが数年前に友人と「60年くらい前には、布良の神輿も安房神社に入祭していた」と会話をしたのがきっかけでした。

 それから、島田さんを中心に、同じ十人組の一員である小谷昭さん、豊崎茂樹さんらが、入祭の許しを請うために2年越しで関係者を回り、ようやく実現するに至りました。

 「入祭が決まったのは良いが、祭礼当日に神輿の担ぎ手が集まるかとても心配だった」とホッとした表情の島田さん。「安房神社入祭をきっかけに、地区がひとつになった」と笑顔で語るのは豊崎さん。「統制がとれた若い衆を見てもらうことで、これまでの地区のイメージを払拭したかった」と小谷さん。三人がこれまでの思いを語ってくれました。

 祭礼当日は、あいにくの雨が降る中、この日のためにと37名もの地元出身者が帰省し、総勢138名の若い衆により、一糸乱れぬ見事な担ぎで、安房神社の鳥居をくぐることが出来ました。