前回の続き。

 

マドリッドに来た第一の目的は、

以前ご著書を紹介させていただいたスペインの歴史、フラメンコの研究家である

小倉真理子さんとお会いすることでした。

 

(4月末に真理子さんの新著のご紹介をさせていただきました。)

 

彼女のYoutube動画で日頃からスペイン語学習のヒントをいただいていて、

さらにXなどのポスト上でやり取りをさせていただいていました。

 

昨年ほどから私がハンドメイドアクセサリーの写真をアップすると

すぐにご依頼をくださって作品をご購入くださいました。

 

今回は、真理子さんのアクセコレクションの中から、

壊れてしまったもの、欠損のあるものの修理と、

使わなくなったもののリフォームのご依頼をいただきました。

 

「たくさんあるんですよ」

と言うことで、ではマドリッドに伺う時に承ります、

とお約束をしました。

 

実はお話があった時期、相棒のお父さんの体調とお母さんのがん疑惑が起きて、

すぐに仕事に取り掛かれるかわからなかったのです。

 

幸いにも2人の検査結果と体調が安定したので、

8月ごろはどうでしょうか、とお伺いをさせていただきアポが成立しました。

 

 

ソローリョ美術館の後、バルでのんびりを果たし、

待ち合わせ時間にお店に伺いました。

 

お寿司屋さんを予約していただいてたので、

お食事も楽しみにしていましたが、私は内心

とっても緊張していました。

 

メッセージや声では交流はあったものの初対面。

早めに到着した私達は先に席に通されましたが

私は今か今かともうドキドキでした。

 

片や相棒はのんびり構えていて、

真理子さんご夫婦が来るまで外でタバコ吸ってくるー

などと普通モード。


 ところが、


なんと真理子さん、購入してくださったアクセサリーをつけてきてくださいました!


これで一気に緊張など吹っ飛びフレンドリーにご挨拶ができました。

4人初対面でしたがすーっと自然な雰囲気で始まりました。

 

そこからお食事をしながら、私と真理子さん、

真理子さんのご主人とうちの相棒、と言う感じ、

時に4人で会話を交える、、ような形で過ごしました。

 

そしてお食事がひと段落したところで

いよいよお仕事。

 

真理子さんはこれまで愛用されたアクセサリーをご持参されました。

ものすごい数!

本当にアクセサリーがお好きなんだと実感しました。

 

そうなるとこちらは腕が鳴る鳴る!!

 

一つづつを説明をいただいて、修理か、

部品を崩して新しくリフォームをするかを相談させていただきました。

 

その場の修繕で解決するものもあり得ると思い、

工具は用意しておいたので、即日修理完了したものもありました。

 

何より驚きを感じたのは、その数ではなく、

一つ一つを大事に使ってらしたこと、

それぞれに思い出があって今後も愛用したいという真理子さんのアクセサリー愛。

 

アクセを作り、自分でそれらを使い始めてから

徐々に感じ始めたのですが、

 

アクセを好きな人にもいくつか分かれていて、

 

本当にアクセサリーをつけることが大好きな人

アクセサリーは買って保管し愛でるのが好きな人

様々な種類を買うのが好きだけれど自分では似合う形や色が決まっていて同じものをつける人などなど、、。

 

真理子さんはまさにアクセサリーが好きな人で、

しかもご自身に似合うものと好きなものが一致しているので

お持ちのアクセの特徴がほぼ同じでした。

 

作り手にはとても優しいクライアントさんです。

修理のお品をどうアレンジするかもアイデアが浮かびやすいですし、新作をおすすめしやすい。

 

実は、もしかして、、、と思って

2点真理子さんに新作をお見せしたところ

2点とも気に入っていただけました!

 

試着をして決めていただきましたが、

本当によくお似合いでした。

 

お店にいらした時に、以前ご購入いただいたネックレスとピアスを

つけてらした真理子さんでしたが、お帰りの際は新作に付け直し、可愛い少女のような笑顔でご主人に見せてらした、その姿にもう感動で泣きそうになりました。

 

今のご時世、通販が主でお客様の嬉しそうなお顔を直接伺えるチャンスなんて、作家であっても滅多にないですから。

 

さらに!

 

スペインの歴史、芸術に詳しい真理子さんに

ソローリャの影の秘密を伺いました。

 

気になった白い雲や白いドレスの「質感を伴う影」、

実は「紫」を混ぜているんだそうです!!

 

灰色や黒をベースに描かれる影に

隠し味!に紫色が入ることで柔らかく浮き立つように見えるのですね。

 

配色が少ない海や人物像が無機質にならないアイデア。

光の表現のコントラストで影が多くなるものですが、

暗すぎることがないのはその色の秘密があったからなんですね。

 

↑例えばこの絵。とにかくキラキラの海の輝きが印象的ですが、

真ん中の女の子の足元や白い布の影などを見るとわずかに浮いてくる紫がわかるかもです。

 

お忙しいまりこさんご夫妻とたっぷり3時間強お時間をいただいた会食と打ち合わせ。

本当に楽しいひとときでした。

アクセサリーは大事にお預かりし、現在少しづつ材料を集めつつ取り掛かっています。

 

まだまだ初心者の私を信用して託してくださった真理子さんのご厚意と期待に応えられるよう

丁寧に作業しまた真理子さんをわー!と喜ばせることができる作品に仕上げたいと思います。

 

 


(こちらは今回の記事の内容とは無関係です)