<東証株式相場 概要>
●日経平均
15日の日経平均は反落し、終値は前日比99円74銭(0.26%)安の3万8707円64銭だった。米連邦準備理事会(FRB)による利下げ時期が想定よりも遅くなるとの見方から、14日の米主要3指数が下落した流れを引き継いだ売りが優勢だった。米ハイテク株の下げが目立ったことから、東京市場でも半導体関連株の下げが目立ち、日経平均の押し下げ要因となった。ただ、朝安後は根強い先高観を背景とした押し目買いで底堅く推移し、後場寄り直後には先物へのまとまった買いをきっかけに日経平均は小幅ながら上昇に転じる場面もあった。
14日発表の2月の米PPIは前月比0.6%上昇と市場予想(0.3%)を上回り、エネルギー・食品を除くコア指数も市場予想を上回った。FRBが早期の利下げに慎重になるとの見方から米市場では長期金利が上昇し、ハイテク株を中心に売りが出た。15日の東京市場でも東エレクやアドテスト、スクリンといった値がさの半導体関連株が総じて軟調だった。3月期末を前に国内機関投資家がリバランスを目的とした売りを出しているとの声も聞かれた。
日銀は来週の金融政策決定会合でマイナス金利政策を解除するとの見方が広がっている。市場では「重要イベントを前に投資家の様子見姿勢は強かったが、日銀がマイナス金利政策を解除しても、利上げは時間をかけて進める可能性が高く、当面は緩和的な金融環境が続くとの見方は日本株相場の支えになっていた」(証券関係者)と話した。外国為替市場で円相場は円安・ドル高基調で推移し、輸出関連株の支えとなった。
東証株価指数(TOPIX)は続伸、終値は前日比9.21ポイント(0.35%)高の2670.80だった。
東証プライムの売買代金は概算で5兆7934億円、売買高は23億6898万株。東証プライムの値下がり銘柄数は632、値上がりは977、横ばいは47だった。
ダイキンや川崎汽が安い。中外薬や資生堂、味の素が下落した。ヤマハや荏原、楽天グループが売られた。一方、トヨタやホンダ、デンソーが高い。三菱商や三井物、INPEXが上昇した。ファストリやソフトバンクグループ(SBG)も買われた。
●新興市場
15日のグロース市場250指数は3日続落、終値は前日比16.72ポイント(2.26%)安の721.48だった。米長期金利の上昇に加えて、来週に日銀がマイナス金利政策を解除するとの観測が広がるなか、国内の長期金利に上昇圧力がかかっている。金利上昇に弱いとされる新興銘柄には見切り売りが膨らみ、後場に下げ幅を拡大した。
グロース市場ではマクビープラ、フリー、JTOWERが下落した。一方、エヌピーシー、うるるが上昇した。
●国内市況
:株式、債券、為替市場
:話題株ピックアップ【夕刊】
(1):Aバランス、巴工業、INPEX
(2):エニーカラー、WSCOPE、マクビープラ
(3):エヌリンクス、デリバリコン、エニグモ
<市場別、出来高・売買代金>
<市場別、値上がり・値下がり銘柄数>
<指数、日中推移>
<米10年国債金利>
<日本10年国債金利>
<為替:ドル円>
<WTI原油先物>
<気づいたニュース>
【其の一】
●日銀の金融政策を巡る思惑など
①日銀、来週会合でのマイナス金利解除で調整-報道
⇒ ブルームバーグ ロイター
②円が再び下落、時事報道後の上げ消す-日銀「ライブ」会合警戒
※日銀は来週会合でのマイナス金利解除で調整に入った-時事通信
報道の影響は「事実上すでになくなった」
③日銀の引き締め転換、銀行株上昇の終焉示唆-17年前も材料出尽くしに
※22年12月のYCC修正後に銀行指数は68%上昇、TOPIX上回る
前回の利上げ局面、06年3月の量的緩和解除時が銀行株のピークに
④日銀会合控え巨額の投資膨らむ-ブラックロックとマンは株高進行想定
※ブルーベイは日本国債をショート、アバディーンは円を選好
日本が「デフレとの闘いを制し、正常な金融政策に戻れる」
⑤日銀は今月マイナス金利解除も、春闘「思ったより強い」-翁百合氏
※ETFやYCCの見直し、解除と同時に発信するのも一つの在り方
税と社会保障一体で見るのがすごく大事-1月に政府税調会長就任
⑥賃上げ平均5.28%、連合1次集計 33年ぶり高水準
【其の二】
日米欧の主要メーカー5社、車載半導体に供給過剰感 在庫回転日数がコロナ禍超え
【其の三】
GPIFが外国株の貸株再開発表、収益獲得とスチュワードシップ両立
※国内株については貸株の実施予定はない
【其の四】
日産とホンダ、EV分野などで協業の検討開始-競争力向上へ
※脱炭素などの取り組み加速にはお互いの強みを持ち合う必要、と両社
トヨタはスズキやマツダ、スバルと緩やかな連携-業界勢力図鮮明に
【其の五】
●日本製鉄、USスチール関連
①USスチール大株主「日鉄の買収案支持」 雇用創出を評価
②日本製鉄、USスチール買収「強い決意のもと」完了させる
⇒ ブルームバーグ 日経
【其の六】
サムスンが米から60億ドル超の補助金獲得の方向、投資拡大で-関係者
※発表済みのプロジェクト以外の対米投資拡大を支援
TSMCには50億ドル超の補助金が支払われる方向
【其の七】
●中国関連
①中国新築住宅、2月は主要都市84%で下落 春節販売低調
⇒ ブルームバーグ ロイター 日経
②中国リチウム産業、EV減速が直撃 南米にコスト負け
※アナリストは
長引く価格低迷でリチウムを含有する高価な鉱石などに影響
特にレピドライトはリチウム抽出コストが比較的高いため
リチウム価格が低迷すれば生産が持続不可能になると予想
③中国不動産開発の万科、販売額が18年以来の大幅減-資金難に拍車も
※2月の契約販売額、前年同月比53%減の140億元
償還まで長い万科のドル建て債、額面1ドルに対し50セント割れも
【其の八】
ガザで支援物資待つ市民29人以上死亡、イスラエル軍攻撃で=当局
<今週の推移>
●S&P500
●東証日経平均
<今日の売買>
●買い
6532:ベイカレント(買い増し)
●売り
6532:ベイカレント(損切)
<PF成績(○日本株)>
●評価損益:前営業日比:<累計>
⇒ 3月11日:- 1.91%:+20.04%
⇒ 3月12日:+ 0.51%:+20.25%
⇒ 3月13日:- 0.72%:+19.39%
⇒ 3月14日:- 0.48%:+18.61%
⇒ 3月15日:- 0.63%:+18.08%
<ひとりごと>
●本日の日経
●日経、騰落レシオ推移
☆120%以上・・・過熱感あり
=100% ・・・売り買い交錯
☆70%以下 ・・・底入れ?
日銀の金融政策、「3点セット(※①②③)」の同時解除を巡る憶測や思惑であふれ
※①マイナス金利解除、②長短金利操作(YCC)の撤廃、③ETF買い入れの停止
さらに、期末恒例の機関投資家などのリバランスも同時進行で、売り優勢のボラ高に
さて、来週は休場前日に日銀が金融政策を発表するが、市場の反応はどうなるやら...
●来週のイベントなど
<株価に影響?「噂」と「イベント」>
●2023年11月:首相、NTT巡る規制「抜本的に見直す」 衆院予算委
※自民党は11月中にNTT法のあり方に関して提言をまとめる方針
●2024年までに:政府 アナログ規制、99%撤廃決定 24年までに9000件改正
※法律や政省令を2024年の通常国会までに改正する
法令を修正する工程表は年内に定める
●2024年3月4日頃:春の日経平均入れ替え:国内大手証券の予想
※新規採用予想:ディスコ、ZOZO、ソシオネクスト
入れ替え銘柄は3月4日ごろに発表され、
3月29日の終値ベースでインパクトが発生
日経平均、ソシオネクストなど3銘柄採用 定期見直し
※採用:ディスコ、ソシオネクスト、ZOZO
除外:宝ホールディングス、住友大阪セメント、大平洋金属
4月1日の算出から反映
●2024年3月16日:北陸新幹線、金沢―敦賀3月16日開業 JR西日本・東日本
●2024年3月18-19日:日銀、金融政策決定会合
●2024年3月21-26日:トライアルHD、東証グロース上場へ 売上高10年で倍増
※公開価格の決定は3月11-15日、上場日は同21-26日のいずれかを予定
●2024年3月25日:「日経半導体株指数」の公表開始について
※算出・公表を2024年3月25日に開始
●2024年春:CCCと三井住友FG、Vポイントに統一 サービス統合
※2024年春に統合
会員数はTポイントが約7000万人、Vポイントは約2000万人
統合後の会員数は単純合算で約9000万人。
1億人を超える会員を持つPonta(ポンタ)や楽天と同規模の勢力に
●2024年春:セブン銀がATMをプラットフォームに地銀7行と提携-口座開設など
※セブン-イレブンに行けばいろんな窓口業務できる世界へ-松橋社長
24年春から顔認証機能でカードの要らない入出金取引も開始へ
●2024年4月:保険証、24年秋にマイナンバーカードと一体化 政府発表
スマホで保険証、24年4月開始めざす アンドロイド端末
●2024年4月22日:コクサイエレ、ロックアップ解除
●2024年4月25-26日:日銀、金融政策決定会合
●2024年6月13-14日:日銀、金融政策決定会合
●2024年7月:ファストリ株、柳井会長がウエート基準日前後に一部売却 次回7月に思惑も
※次回基準日は7月末、キャップは10%に引き下げられるため
超過回避のハードルは高まる
●2024年7月26日-8月11日:パリオリンピック開催
●2024年7月30-31日:日銀、金融政策決定会合
●2024年9月19-20日:日銀、金融政策決定会合
●2024年9月30日:自民党総裁任期満了
●2024年10月30-31日:日銀、金融政策決定会合
●2024年:スペースXとKDDI、スマホと衛星直接通信 国内どこでも
※衛星通信とスマートフォンを直接つなぐサービスを2024年をメドに始める
ソフトバンクは今秋から国内でスターリンクの法人向け代理販売を始める
●2024年:VW、全固体電池をドイツで生産へ 大量供給見込む
⇒ 2025年以降に全固体電池を搭載するEVを発売する方針
●2024年11月5日:東証、取引時間15:30まで延伸
●2024年12月18-19日:日銀、金融政策決定会合
●2024年内:パナソニックHD、年内にも次世代電池を米ネバダ工場で量産化へ
※同工場の生産能力10%向上に自信-電池子会社CTO
国内生産是非やりたい、これまで育ててきた自負
2030年度に生産能力を現在の4倍に拡大する計画
●2024年末:台湾UMC、シンガポール新工場の用地使用権取得
※同総投資額は50億ドル(約6300億円)、2024年末までに量産開始
●2025年:ソニーグループとホンダ、EVで提携 新会社で25年販売開始
●2025-2026年:ソニーGが金融子会社のスピンオフ検討、上場前提で2-3年後に
●2025年:ルネサス、パワー半導体に900億円投資 大型基板で量産 生産能力2倍に
●2025年3月?:任天堂が新型ゲーム機を年内発売、8インチ液晶使用-英調査会社
※新型機によりゲーム機用ディスプレーの出荷が1460万枚増加の予測
スイッチにも使われる有機ELの次世代機での使用、24年はない
⇒ ブルームバーグ 日経
●2025年4月13日:大阪万博 開催(10月13日まで) 約2820万人の来場を見込む
●2026年:日銀「デジタル円」、3メガ銀と実証実験へ 23年春から
※2年間ほど実験を進め、26年にも発行の可否を判断
●2026年:ホンダ、次世代EVを26年から投入へ-航続距離480キロ以上
※20年代後半に自動運転システム搭載、一般道で手放し運転一部可能に
脱炭素化でEV販売は着実に増加、出遅れ気味の日本勢は開発急ぐ
⇒ ブルームバーグ ロイター
●2026年4月:任天堂、マリオの新作映画26年4月公開 宮本茂氏指揮
●2026年後半:イビデン新工場、半導体部品26年後半にも量産 インテルに対応
※データセンターに使うサーバー向け製品などの需要が旺盛
●2027年まで:米アマゾン、27年までに日本で2兆2600億円投資-データセンターなど
●2027年末:TSMC熊本第2工場稼働、台湾から500人雇用 1700人体制
※第1工場と合わせて3400人が働く
第2工場は27年末に初回の出荷を行い29年末に整備を完了
整備完了から10年以上継続生産する計画
●2027-2028年:トヨタ、EV150万台達成に自信-需要増視野に生産体制も準備
※全固体電池は耐久性の課題を克服、27-28年の実用化にチャレンジ
HVからEVへの移行ペース踏まえ、3年後の需要予測立つ-副社長
⇒ ブルームバーグ ロイター 日経
●2030年1-6月ごろ:政府が大阪IR計画を認定、国内初のカジノが29年秋以降開業へ
※開業:2029年秋から冬ごろ
※開業時期は2030年1-6月ごろの見通し
大阪知事、IR開業ずれ込み「国の審査遅れたから仕方ない」
※30年1-6月ごろにずれ込む見通し
●数年先:EUがAIに包括規制(案) 世界で初、顔認証利用に事前審査も
※成立までに数年かかる(2021年4月から)可能性も。
<●備える●>
①コロナウィルス感染動向
⇒ コロナウィルス新規感染者数
⇒ コロナ終息 ⇒ 金融緩和も終息 ⇒ 不景気の株高も終息 ⇒ 景気上昇の株高への引継ぎ?
②経済指数の動向
⇒ 決算、PMI、消費者指数(信頼感指数、物価指数)、GDP
③セリクラ
①予兆
・一定の価格帯から上がれずに横ばい推移。その中で上髭が散見。
・出来高水準が上がった価格帯で売買が活発。その後、急落局面が来る。
②到来
・相場全体が悲観的な投げ売りに
・株価急落と同時に出来高が増加
⇒ 売買代金5兆円前後(東P)
⇒ 一段深掘りしても出来高が大して増えないのであれば打ち止めの可能性も
③終幕
・売りがなくなり株価上昇
・出来高減少。板が薄い
・VIX指数40台以下を持続
④相場が底入れするパターン
①債券利回りが下がる
②VIXが凄く高くなった後でゆっくり下がりはじめる
③①②のコンビネーションが起きた時
<●相場が動く要素(上昇or下落)●>
①出来高(代金)急伸
②毎月第2金曜日
日本株のSQ(先物・オプションなど決済期日の特別清算指数)
⇒ SQ週の「魔の水曜日」 売り方の仕掛けを警戒
⇒ メジャーSQ(3、6、9、12月の第2金曜日)
⇒ SQ(上記以外の月の第2金曜日)
⇒ ボラティリティが大きくなる傾向あり
●大型株は影響を受けやすい
③毎月第3金曜日
米株のSQ(先物・オプションなど決済期日の特別清算指数)
⇒ メジャーSQ(3、6、9、12月の第3金曜日)
⇒ SQ(上記以外の月の第3金曜日)
⇒ ボラティリティが大きくなる傾向あり
●大型株は影響を受けやすい
▼▲日本株も影響を受けることあり▼▲
④MSCI(世界株価指数)
モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナルが算出する
株価指数で、MSCIワールドインデックスとも呼ばれる。
機関投資家が多く採用していることから、注目されている。
構成銘柄は四半期ごとに見直され、2月・5月・8月・11月は大きな入れ替えを実施。
新たに指数に組み入れられた銘柄には、組み入れ変更後にパッシブ連動資金
(市場の平均的リターンを追求する運用筋の資金)による大きな買い需要が発生。
入れ替えの銘柄発表は、入れ替え月の15日前後に、銘柄の入れ替えは同月末日。
⑤上場投資信託(ETF)の決算
7月第2週は、主要な日本株の上場投資信託(ETF)の決算日が集中
「分配金支払による売りが、7月1週~2週頭」に出て、株価が下落する傾向あり。
⑥上昇or下落
インフレ=金利上昇 ⇒ 金融関連銘柄は上昇
デフレ=金利下落 ⇒ 金融関連銘柄は下落
⑦夏枯れ相場
出来高減少、ボラティリティが高くなる傾向あり
夏枯れ相場に挑む際の心得
①事前にPFを整理(ブラッシュアップ)
②事前に現金ポジ高める
③押し目拾い銘柄の選択と集中
④買い時は第3水曜日から金曜日?
⑧米レーバーデイ
レーバーデイ(9月の第1月曜)3連休明け
米国の機関投資家が夏季休暇から職場へ戻る
新たなトレンド生まれる傾向がある
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
⑨有事(戦争)
①エネルギー、コモディティ(金など)関連上昇
②砲声で買い
③安全資産とされる国債が買われ、金利低下
④サイバー攻撃、セキュリティ関連が上昇
⑤ボラ高く、値動き荒くなる
⑥エネルギー、コモディティ(金など)関連下落、株価上昇
★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★
⑩3月はボラ高
①MSQ
②年金のリバランス
年度末を控え、年金(GPIFなど)はPFのリバランス行う
信託銀行の動きは年金基金などの売買を反映するとされる。
③米国
4月の納税を控え、納税資金捻出売りを警戒
<●暴落相場(コロナ相場)で学んだこと●>
①個人の「思い」や「ファンダメンタル」より、「相場の値動き(波)を優先視」
②業績に関係ない理由での株価暴落は、底値で拾える「チャンス」
③保有銘柄暴落時(下げ止まらない)は、持ち続けず「損切り」
⇒ 「資金不足」を招き、次の「チャンス」を逃してしまう。
<●上昇相場の銘柄選び方●>
①「世の動き」から、業績寄与が連想される銘柄の期待感と割安感
⇒ 実態経済(現状の業績)より、期待感が優先される。
⇒ 世の動き(相場)に逆らうと波には乗れない。進化論と同じ。
⇒ 私情を優先すると痛手を負う。
<●経済回復の構造●>
①企業業績の回復(PMIや決算)
②消費者指数(信頼感指数、物価指数)が上昇
③GDPが上昇