最近話題になってきている更年期障害は男性にも起こりえます。
男性ホルモンが年齢と共に減少していき、女性の更年期障害に似た症状が見受けられる場合が多いようです。主な症状としては、めまい、耳鳴り、不眠、頭痛、不安感、イライラ等の精神的症状、のぼせ、動悸、発汗、倦怠感、頻尿、性欲低下等です。
症状の出始めとしては、集中力の低下、やる気、根気が無くなり始めるようです。
しかし、このような症状が出たからといって、すぐに男性更年期障害だ、と決め付けるのはいささか危険です。必ず医療機関へ行って診てもらいましょう。上記のような症状が出た陰で大きな病気が隠れている場合が多いからです。逆に、診察を受けてもなんの病気も無かった場合、それこそが男性更年期障害なのです。
治療手段としては、ホルモン補充療法がありますが、副作用の危険性も少なくありません。
ホルモン補充治療
漢方では、男性更年期障害は、鬱証の範疇に入るようです。しかし、自律神経失調症と異なるのは、加齢に伴う腎精の不足が根本に存在している事です。
腎は精を蔵すると言われる臓器で、腎精の減少と更年期障害は深く繋がっています。年齢と共に腎精が不足するのは世の全ての男性に言える事ですが、男性更年期障害を起こす人もいれば、全く関係なく過ごす人もいます。つまり、単純に体力の低下だけが原因ではないと言えるようです。
男性更年期障害に対する漢方わ、大きく4つにわけられます。
腎精不足…男性は8の倍数で節目があると考えられています。40歳頃から毛髪が抜け始め、白髪も多くなります。この頃から腎精不足の兆候が現れ、男性更年期の症状も現れてきます。その後64歳まで減少し続けます。房事過多や過度の疲労があると、この年齢よりも早く腎精不足が現れる事もあります。
血圧不足…脾は後天の本と言い、気や血を作り出す源になります。何らかの原因で脾胃(消化器系)が虚すと「気」や「血」の生成が出来なくなり「気血不足」を起こします。これらが起こると「気虚」や「血虚」の症状が現れ、やる気が無くなったり、めまいや不眠・動悸などの症状も現れます。
肝気鬱結…肝の疎泄が乱れることで、日常にうけるストレスを上手く処理できなくなります。または、ストレスが強く「肝の疎泄」を乱してしまいます。これらが原因で「肝気鬱結」を起こす事で、気の流れが悪くなり「お血」が生じたり、気分が沈んだりします。また、性器は肝に属しますので、痛みや勃起不全など性器にも異常が現れる場合もあります。
湿熱…何らかの原因で、湿(身体に不必要な水分)や身体に不要な熱が発生すると、これらは「湿熱」を発生させます。この湿熱が経絡(気血・津液など身体に必要な物が流れる道)を阻害して、気血の運行を悪くしてしまう事で、倦怠感や軟便・下痢、めまい等の症状が現れます。特に日頃から飲酒の多い方や食生活が悪い方に多く見られます。
ざっと並べましたが、これらは基本的な考え方で、実際はこれらが少しずつ重なって発生する場合が少なくありません。漢方ではこれらのバランスを整えることで、少しずつ症状を改善していくのです。
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