「サ.....え??」
「サディスト。人をいじめて快感を感じるやつのこと。」
「笹倉が!?」
俺が素っ頓狂な声を出すと、智也はうん、と頷いた。
「俺健人と仲良いじゃん?相談されて、この間健人が笹倉に呼び出された時こっそりついて行ったんだよ。そしたら、あいつ何してたと思う?」
俺には検討もつかなかった。
「笹倉、『愛してる愛してる』って健人のこと殴って、蹴って.....。その時の笹倉の顔がすげぇ嬉しそうで、怖くて。......で、俺健人のこと置いて逃げちゃったんだ......。」
俺は何も言えなかった。
なぜ助けなかったのかと智也を責める事はできなかった。自分もその場にいたら絶対に逃げていた。
でも笹倉がまさかそんな.....。龍之介には信じられなかった。
「その後、健人とは?」
「話してねぇ。なんか話しづらくて...」
「だよな。健人は、このTmitterの投稿気づいてんのかな......。」
「どうだろ。」
と言って智也が俺の携帯をのぞき込んだ。
「あれ。投稿消えてる......?」
「え?ほんとか?」
そう言ってみてみると確かに消えている。
運営に消されたのか自分で消したのかわからないが、ひとまず良かった。
「何人があれ見たかなぁ...。」
智也が心配そうに呟いた。
「10時近くじゃみんなみてないだろ。とりあえず今日はもうTV消して寝ようぜ」
と言って俺は無理やり智也を寝かせた。
俺はなかなか寝付けなかった。
殺人やいじめが身の回りで起こっていたと思うと心が重く、恐ろしかった。
智也も同じだったようで、お互い起きている事はわかっていたが、2人とも何も発さなかった。


夜が静かにすぎる.....。