小説こちら葛飾区亀有公園前派出所/大沢 在昌
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勝手に採点 ☆☆☆


大沢在昌や東野圭吾などの人気作家が人気長寿マンガ「こちら
亀有公園前派出所」を短編小説に取り入れた話題作。


端的に言ってしまうと両さんは小説のなかでは生きられない!?


各作家とも両さんを真面目な小説のなかに押し込めようと苦闘
しているが、どれもうまく行っていない。


彼の破天荒な生き様は、やはりマンガの世界でしか成立しない
ということ。


それでも新宿鮫との共演は歴史に残る。


鑑識課の藪の幼馴染という設定で、両さんの実家に鮫島、晶、藪
で押しかける場面は見物。両津のおふくろさんまで登場。


しかし、お互いにいつもの調子が出ていなく、大人しい印象。


それと印象に残ったのは、退官した警官が両さんの作ったプラモ
に触発され、自身がプラモ作りにのめりこんで行く様を描いた一編。


結局両さんはラストでちょっとしか登場しないし、内容、主人公も
地味ながら、丁寧でひたむきな姿勢が共感できる。


試みとしては斬新で楽しいものなので、ぜひブラックジャックや
ドラえもんを主人公に小説家して欲しいもの。

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隣の子どもはどうやって東大に行ったのか──東大生親子1000人に聞いた子育て術/講談社
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勝手に採点 ☆☆☆


東大生約1,000人にインタビューを行い、彼らがどのような
幼少期を過ごしたかを徹底取材。


そこで浮かびあがってきた日常生活とは!?


書いてあることはとっても正論でもしかしたらウチノの子で
も東大にいけるのではと思わせる内容。曰く、


・朝ご飯は和食をしっかり食べる
・家族内のコミュニケーションを大切にする
・勉強の押し付けはしない
・小学校受験組はたったの10%
・父親と夕食を食べる家庭が多い
・タイミング良く具体的にほめる


などなど。要は東大の試験では、真の知性を試されるので、
小さいころからの詰め込み、ガリベンだけではモチベーション
が続かない。


そこで、小さいころから頭脳を使わせる訓練を地道に続ける
ことで東大脳を作ろうということ。


それを育てる基本となるのは、家庭内でのコミュニケーション
だそう。子供との会話を通じて問題を把握、解決する能力や
プレゼンテーション能力を培ってあげることが大切。


悪いことをしても頭ごなしに叱り付けるのではなく、「なぜ」
と問いかけを多くすることでよーく子供に考えさせなければならない。


東大は子はもちろん親も立派じゃないと合格は難しい。


かみさんも読んだ翌日。


朝は時間がないからと、いつもパン食の子供の朝食は見事納豆と
ご飯に味噌汁。これでわが子も東大合格間違いなし!?

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男たちの長い旅/北方 謙三 他
¥880
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勝手に採点 ☆☆


北方謙三や石田衣良、奥田英朗など人気作家が綴るハード

ボイルド系作品集。


短編集だけあって、物足りない感が強い。


それでも、ブラックユーモアたっぷりで楽しめたのは、奥田英朗。


古いアメリカのコメディ映画にあるような設定で、狭い自動車に

次々と乗り込む乗客たち。


それも、普通は乗せないような様々な人たち。


彼らが車内で繰り広げるドタバタ喜劇はほほえましい。


その他の作品は好みがかなり分かれるところ。

基本的には探偵が主人公であることが多い。


日本でハードボイルドを普及させるのはかなり至難の技といえる。

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志村 有弘
安倍晴明・陰陽師 伝奇文学集成

勝手に採点 ☆☆


ご存じ伝説の陰陽師・安倍晴明をテーマに夢枕獏や三島由紀夫、

小松左京といった面々が、それぞれの安倍晴明を描くオムニバス。


夢枕版「安倍晴明」に慣れ親しんだ読者にとっては、老人の晴明に

はちょっと幻滅。さらに官能小説も混じっているとあって、三流エロ

並みのストーリー展開にはかなりあきれ果てる。


それでも、母である葛の葉が狐であった伝説や陰陽博士として成功

していく過程など、今まで知らなかった一面も知って新鮮。


大正、昭和の作品や戯曲のような作品もあるため、旧かな使いに面

食らったり、台本を読んでいるようなものなど、統一性はなく、読みに

くいこと請け合い。


やはり夢枕の描く、晴明&博雅の友情をベースに、神がかり的な活躍

を遂げるストーリに戻りたくなる。