- 神のふたつの貌/貫井 徳郎
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勝手に採点 ☆☆
教会を営み人格者の牧師を父に持つその息子のお話。
ある日、牧師が教会内にヤクザに追われた優男を匿ったことから、
平穏だった暮らしは思わぬ方向へ。
母とその男が乗った車がガードレールを突き破り谷底へ転落。
二人とも帰らぬ人に・・・。
それから成長した息子は、父と同様に牧師となる。
そして、自分の母と同様に妻を交通事故で失う。
まったく自分と同じ境遇におかれた息子。そんな彼が犯す罪とは!?
はっきりいって大いに期待はずれ。
牧師の仮面をかぶった殺人狂の変質者。
自分の理解者を時計台から突き落としたり、妊娠した恋人に殴る蹴
るの暴行を加えて流産させたり、熱心な信者に自殺を教唆したりと
やりたい放題。
それも然したる理由もないのだから、納得できるはずもない。
都合よく神とは?みたいな議論を入れられても全く理解できない。
そのうえ、主人公を軸にその父親と息子の三代に渡る、それこそ大河
ドラマなみのスケールをあざ笑うかのような矮小な設定。
息子も自分と全く同じような罪を犯してしまうため、父親と息子を混同
せずにいられない。
作品によって出来の良し悪しがはっきり分かれてしまう筆者が挑んだ
新境地は見事失敗。