福井 晴敏
6ステイン

勝手に採点 ☆☆☆


「亡国のイージス」や「戦国自衛隊」など今乗りに乗って
いる著者が放つ異色短編集。


秘密組織・防衛庁情報局に所属し、表の職業に就きながら
裏世界での暗闘に活躍する人々や彼らを操る工作担当官。


防衛庁にもいろいろな部署があるから、実際そんな人たち
もいるのかな?と素直な疑問がわく。


アメリカであれば、CIAやらFBIなどでお馴染みのサスペンス
アクションも日本でやるとどうも途端に色あせる。


それは防衛庁や自衛隊が平和イメージに侵食され、本来果たす
べき国家的防諜という役割を警察に奪われている現実のためか。


著者特有のだらだらと続く説教くさい言い回しの数々にも閉口
しがち。そこを除いたアクション系は引き込まれるのだが。


ただ、スパイゲームのような攻防戦を描く最後のストーリーは
「亡国のイージス」だったかに登場した人物がいい味を醸し出す。


敵と味方が入り乱れた騙し合いは、論理が突飛過ぎるも手に

汗握る緊迫した展開で引き込まれる。


これだけ映画化しても結構良いかも。