東大一直線(倒)<倒れるな! | 昨日と同じかもしれない今日

東大一直線(倒)<倒れるな!

ウチの学校は一応なけなしの進学校なので、東大に合格する生徒がいるといいなーと、みんな思っているのだった(しみじみ)<なんだソレ(汗)

……というぐらいの微妙な進学校ってことです(嘆)


そんなわけで、生徒達も東大に合格しなければいけない、なんて、そう簡単には思ったりしない。

かなり成績のよい生徒でも、だから自分は当然東大を目指す!とか思ったりしないのだった(嘆)


そんな中。

今年は、マジメに東大を目指すぞ!という少年少女たちがいたりする。

もちろん、目指したからといって合格するというものではないけれど(涙)志が高いのはよいのかもしれないのだった。

……だけど。

たとえば、そのうちの一人の少年の志はこういうモノらしいのだった。


彼は、中学校時代、私のクラスにいたことがある。

そのときの面接で、希望する進路の話になったとき、彼は真顔で尋ねたものだ。


「先生。僕は、ココの教員になりたいと思っています。ココの教員になるには、どうしたらいいんでしょうか?」

「……うーん(汗)」


私は考え込んだ。

そして、自分がどーやってココの教員になったか、を彼に説明すると、彼もまた考え込んだ。


「……それは僕にはムリですね(悩)」


というのは、私がココの教員になれたのは、おそらく出身大学のおかげであり、その大学は女子大だったのだ(しみじみ)

それはそれとして。

そもそも、なぜココの教員になりたいのか……と不思議に思ったので、聞いてみると、彼はこう説明したのだった。


「別に、是非教員になりたい、というわけではないんですが、先生たちを見てると、なんかシアワセそうだなーと思って。僕は、やっぱり働いていてシアワセだと思える仕事につきたいんです。だから、ココがいいんです」


……………。


これは喜ぶべきか嘆くべきなのか。

いや、とりあえず私(とかウチの教員)のことはどうでもいい。


ともかく、彼は真剣にそのように思い詰め、確実にココの教員になりたいと思っていたのだった。

そこで、そのとき私は彼にこう答えた。


「結局のところ、あなたが就職するとき、ココに教員の空きがなければそもそも話にならないはずなので、確実に、というのはムリなことです。でも、もしかしたら、ひとつだけ、かなり確実な方法があるかもしれません」


それは。

東大に入る、ということだ!


「ウチはなけなしの進学校ですから、東大を出た卒業生、しかも中学からの生え抜き、ということになったら、たぶん、かなりムリをしてでも他の学校にとられまい、ウチで教員をやってほしい、ということになるのではないでしょうか。なにしろ、そういう教員は今までいなかったし、これからも出そうにありません」


彼はなるほど!と納得してくれたのだった。

この場合、有名私大では駄目だし、国公立大でも、東大以外はたぶん駄目だろう。

東大でないと精度はかなり落ちる。


…………。


ということがあったなあ…なんて、先日、彼の質問を受けているときにふと思い出し、覚えてる?こんなこと話したりしたよねえ♪と言うと、彼は真顔で言うのだった。


「ええと。今でも、そのつもりですが」


…………。え?(汗)


「だから、僕は東大に合格しなくちゃいけないんです。ハッキリいって、人生かけてます」


…………。


人生かけて命がけ!なら、合格するかもしれないのだった(しみじみじみ)<おーい(汗)