出演者紹介 その1 間宮啓行さん/明樹由佳さんの巻
ドクトル・・・・・・間宮啓行さん
大星ドクトルを演じる間宮啓行さん、飄々とした風貌は正に誠之助でした。初対面はスズナリ、ハムトンクスの「東京コンバット」でした。演出の藤井さんからぴったりの人が居ると言われて観に行きましたら、確かに一筋縄ではいかない俳優という感じでした。一言でいうとシニカル、一見もの静か、そして遊びが大好き、もちろん、芝居の遊びですが。間宮さんは誠之助という役を生きてる間、非常に饒舌に次から次へと芝居の技を繰り出してます。ですから稽古場でも毎回どうやるか、どう行くか?作者は興味津津で見ております。不思議なもので顔までだんだん似てきました。これは全てのキャラクターに共通ではありますが、観客は舞台にあがった俳優を見て、元々似た人に配役したのだろうな、と思うのでしょうが、稽古の間にキャラクターは作られます。ですから稽古前と稽古後は顔が違います。本番十日前、すっかりドクトルの顔と脳みそになってきた間宮さん、是非是非、この誠之助という魅力と矛盾に満ちた明治の男をお見逃しなく!毎日見ても、絶対飽きません。100%保障しますので、毎日ご覧になった方で一度でも飽きたら全額払い戻します、なんちゃって、本気ですからご連絡ください。
ゑい・・・・・・明樹由佳さん
明樹さんは劇団四季を経て、キャラメルボックスで活躍、ラ・カンパニーアンの一員で、ご自身も集団「にもめぷわ」の主宰です。女優であり、ダンサーであり、お母さんでもあります。今回、誠之助の奥さんを演じます。凛々しさと可愛らしさ、母性が同居しているとても素敵な女優さんです。今回の舞台、消え物といって本物の料理を沢山使います。それにも御手を借りています。さすがの手際で美しい、錦糸卵を作ってくださいます。ドクトルの料理で洋食以外に有名だったのは、「かき混ぜ」。これは関東的には五目寿司ですが、ちらし寿司のように上にトッピングするのではなく五目を混ぜます。さすが海の幸が豊富な新宮の五目には、タイのデンブ、マグロやカツオの漬けが入っています。この御寿司を毎回作りますが、トッピングは明樹さんが担当してくれることになりました。一幕の最後に出てきます。
誠之助の年の離れた若い奥さん、ゑいは落ちぶれ士族の娘で10歳から、新宮から横須賀の軍人の家に奉公に出されていました。18歳のころ、30歳の誠之助と見合い結婚、とても美しい色の白い女性で、誠之助の刑死後は、牧師の沖野岩三郎に助けられ二人の子供と東京の修道院で祈りの生涯を送りました。今は誠之助と同じ、南谷墓地に眠ります。
