「台風がやってくる」 ・・・ 嶽本 あゆ美
暑い!暑いですね。
残暑に焼かれて干からびているメメント三人ですが、ようやくもぞもぞ動き始めました。確かに私は、書いては消し、書いては消しの毎日ですが、仕事部屋で地蔵の様になっておりました。9月29日の月一リーディング「太平洋食堂」の改稿も佳境で、夜昼無くやっているのですが、チラシなども折り込みが始まり、別動隊で若者が動いてくれています。9月14日初日の青年劇場「十二夜」、サザンシアターに折り込んでくれた伊藤君、青年劇場・福山さん御苦労さまでした。私は同日、青山ウィメンズ・プラザのドキュメンタリー映画「百年の谺」上映会に鳥羽嬢と行き、というか、かわいい鳥羽嬢に皆が見とれている隙に、チラシを撒きました。映画を観に来たお客さん、あんまりチラシを取ってくれないのでヤキモキしながらの上映観劇でした。藤原監督に挨拶し、チラシを五部位握らせて帰りました。ふ~。このドキュメンタリー、京都などでも上映があります。詳しくは前のブログで。
で、その後、田中史子と渋谷の喫茶店で落ち合ってようやく「クララ」の話をしました。私たち、太田さんの芝居「橙々」の時、ルノアールでお茶飲んで以来、音信不通に近かったのです。私達の間でこんな事はめったにありませんが、この私が「夏樹陽子芸能生活35周年記念リサイタル」の構成台本と、「太平洋」改稿と、児童劇団の「ハムレット・リポート」にかまけていた為、にっちもさっちも行かなかった為です。別に、「いろは大王」by山田風太郎のように、妾の家を巡り巡っていたわけではありません。ようやく本妻、いや、田中史子の所へ辿り着く事ができたのですが、やっぱり安心しますね。自分の家が一番!
「クララ・ジェスフィールド公園で」は、正直すごい様相になりそうです。場所は第五回公演と同じ、pit北/区域 にて。あそこに戦中戦後の上海のキャフェが蘇ります。私のライフワークである堀田善衞の、一昨年発掘出版された上海日記「滬上天下1945」をベースに、室伏クララの生を追いかけます。仮チラシ、製作中。乞うご期待!!!
写真は、田中が私にくれた1932年の上海、1936年の南京の地図です。上海と南京を結んでクララの観た世界を覗き見る私ですが、奇しくも公演日の12月14~16日は、南京陥落の日々と重なっていました……
29日の月一リーディング、常連の清田さんと杉嶋が出演します。メメントをずっと観てくれた方は、随所で「ああ!あれ!」と思うでしょう。他にも、あり得ないほど豪華出演者&ゲスト。どうしよう……私も霞まないようにがんばって書きます。いえ、書いてます。
台風がやってくる……そんな私は、台風が来る前のワクワクと恐怖に似た興奮を頭の中で、こねくり回しています。ラストスパート、走りきります!!では又!
