私のページにお越し下さり、ありがとうございます。これは、私が実際に経験した実話です。事実だけを綴っています。
はじめましての方は、第1話から見ていただけるとうれしいです☆
前回はこちらです☆
シートの隙間に
ナイフが置いてあるのを見て、
私は身震いしました。
これは、犯されるかも知れない…
その時でした。
数メートル先にカーブが見えました。
スピードが落ちました。
その瞬間を狙って私はロックを解除し、
扉をこじ開け、
無我夢中で、
走っている車から転げ落ちました。
暫らく道路の端にうずくまっていましたが、
我に返って急いで立ち上がり、
人気を探しました。
また引き返してきた車に連れ戻されないように足を引きずって、人気を探します。
車の通りはありません。
静かな道でした。
道の片側は大規模な工事現場の
真っ白な背の高いパネルで囲われていて、
もう片側は川になっています。
歩けど歩けど景色が変わらず、
途方に暮れて、立ち止った時でした。
白いパネルが途切れ、
出入り口になっており、
工事現場の
守衛ボックスの灯りが見えました。
私が近付くなり、
守衛さんが飛び出てきました。
「どうしたの?こんな夜中に」
私は言いました。
「あの……ここはどこですか。
最寄りの駅はどこか
教えてもらえませんか。」
おじさんは目を丸くして答えます。
「えっ、君、ちょっと待って、
今の時間、電車ないよ。」
そうか、今何時だろう…
そう思って時間を確かめようとして、
初めて財布や生徒手帳など
全てが入ったカバンを車に
置いてきてしまったことに気づきました。
電車賃もない…
私が慌てふためいていると、
「こんな時間に一人で歩いてたら危ないよ!
ちょっと来なさい」
そう言われ、
静まり返った工事現場の中にある
プレハブ小屋に連れていかれました。
〈次へつづく〉

