私のページにお越し下さり、ありがとうございます。これは、私が実際に経験した実話です。事実だけを綴っています。


はじめましての方は、第1話から見ていただけるとうれしいです☆


前回はこちらです⇩ 




頻繁に二人で帰る日が

続くようになりました。





この頃からは、

先生は私との関係がバレないように

警戒するようになりました。





私は家に帰るかのように一旦地下鉄に乗って、

帰宅途中の谷町線天満橋駅で下車し、

3番出口で先生と待ち合わせを

するようになっていました。





待ち合わせと言っても、





先生が先に来ていることなんてなくて、

私がいつも先生を待っていました。





1時間、2時間と待つのは

いつものことでした。





いつも終電が終わって、

地下鉄の出口のシャッターを

閉めに来る駅員に

怪訝そうな目で見られたりしながら、

先生を待ちました。






ヘッドライトを目で追いかけては、

次こそは…、次こそは…、

と祈りながら先生の車をいつも待ちました。






先生の車が見つかると、

迷子になってお母さんを見つけた時の

子どものように駆け寄り、

いつも満面の笑みで

先生の車に乗り込みました。






ある日、いつものように太田先生に

家に送ってもらっていると、

先生がぽつりと言いました。





「最近、垣内先生に無視されるねん」






「えっ、本当に?どうしたんだろう」





私はそう答えたけれど、

何故

垣内先生が太田先生を無視するのかは、

なんとなく分かっていました。






数日前、私は垣内先生から呼び出され、




「コテツ(太田先生の呼び名です)

 のことは好きになるな。

 お前、もてあそばれてるだけやぞ」




と言われていたからです。

垣内先生はこうも言いました。





「本当に大切に思ってるなら

 手は出さへん。」




けれども私は

垣内先生の話に全く聞く耳を持つどころか、

邪魔をされているように思い

垣内先生を疎ましく感じていました。





一方で、

太田先生は垣内先生に無視されて

かなり落ち込んでいました。






それなのに、



「俺、教師やぞ。本当はダメなんやけど」


と言いながら、車の中で何度も

私を抱きしめるのでした。






私は何も言わずに、

私を抱きしめる先生の丸っこい親指の爪を

凍えた目でみつめていました。





【次へ続きます】