ストーリー:
学生新聞で4コマ漫画を連載し、クラスメイトからも称賛されている小学4年生の藤野。そんなある日、先生から、同学年の不登校の生徒・京本の描いた4コマ漫画を新聞に載せたいと告げられる。自分の才能に自信を抱く藤野と、引きこもりで学校にも来られない京本。正反対な2人の少女は、漫画へのひたむきな思いでつながっていく。しかし、ある時、すべてを打ち砕く出来事が起こる。
評価:5点満点中5点
感想:
先週鑑賞してからすっかり気に入り、もう一度観に行きました。
さらに鑑賞後原作漫画を購入し何度も読み返したので、もうすっかり原作ファンです。
今回は、前に紹介しきれなかった深いところまで掘り下げていきます。
がっつりネタバレを含みますのでご注意ください。
この映画は、58分という通常の映画よりはかなり短い上映時間となっています。
とはいっても低予算映画ではこのくらいの時間に設定されている映画もあるので、特段驚きはしませんでした。
それもそのはず、この作品は原作を何も足さず何も引かず、原作を忠実に再現したため58分に設定されています。
と思いきや、原作にない画のコマもあったりして、監督がちょっとアレンジしています。
58分なんて短い!なんて全然思わず、なんなら3時間越えの超大作よりも良作の余韻に浸りながら劇場を後にすることができました。
とはいえ普段2時間程度の上映時間に慣れきっている映画好きからすると、あっけなく終わったとも思いました。
後半からのSFチックな展開は、クエンティン・タランティーノ監督の『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』から着想を得たと言われています。
「ワンハリ」では実際にあった、ハリウッド女優がカルト集団に殺害された事件を異なる結末に改変して描いています。
さらに京本を襲った悲劇は、2019年に起きた京都アニメーション放火殺人事件とよく似ています。
「ルックバック」では京本が亡くなった後時間軸の異なるパラレルワールドへと繋がり、2人が出会わなかった世界線の話に変わり結果京本が死ぬことはなくなりました。
しかし「ルックバック」ではそれは妄想の世界でしかなく、起きた悲劇を変えることはできませんでした。
漫画を描くことは時間がかかる作業でありながら、読み手には一瞬の娯楽でしか消費されません。
「じゃあ、藤野ちゃんはなんで描いてるの?」
それは、京本の笑顔が見たいから。
失った過去はもとには戻らないけれども、京本に出会ったからこそ今の自分がいることを知り、藤野は前を向いていく。
京アニの事件で悲しみに暮れたクリエイターに対する前向きなメッセージが込められていると思いました。
この映画に出会って、今までにないような感動体験をしました。
これまでに何百本と映画を観てきましたが、これ以上の感動はないのではないかと思うくらい良かったです。
しかし、1本の映画としては上映時間が短すぎる。
京本視点の物語も追加すれば90分くらいになりちょうどいいと思いますが、どうでしょうか。
興行収入予想:
今週公開の映画は「フェラーリ」「コードギアス 奪還のロゼ 第3幕」「先生の白い嘘」など。
初週の上映館数は少ないものの、話題が話題を呼び続々と追加上映が決まっています。
初登場は7位くらいかと思っていましたが、初日から3日間で動員13万5000人、興収2億2700万円をあげてまさかの2位スタート。
最終興行の予想は15億円に修正します。
最後まで見て頂き、ありがとうございます。いいねボタンとブログのフォローをよろしくお願いします!!
Ameba Pickの商品紹介も是非ご覧ください!!