今週で夏のローカル開催も一段落。新潟、小倉が最終週を迎える。尾関知人調教師(39)=美浦=は、新潟2歳S・G3(4日、新潟・芝1600メートル)に、ヴュルデバンダム、モンストールの2頭を送り出す。開業3年目の新進トレーナーが、重賞初勝利なるか注目だ。一方、この夏の新潟で騎手部門リーディング1位を走る福永祐一騎手(34)=栗東・フリー=は最終週に新潟2歳Sのジャスタウェイなど20鞍をスタンバイ。関西騎手として初の『夏の新潟リーディング』を狙う。
新潟2歳Sにモンストール(牡、父アドマイヤマックス)とヴュルデバンダム(牝、父ダンスインザダーク)の2頭を送り込む、尾関知人調教師は開業3年目の39歳。若き日のエルビス・コステロ(英国のミュージシャン)のような風貌。ロック少年の面影を残す気鋭のトレーナーだ。
7月16日のデビュー戦(新潟・芝1400メートル)を勝ったモンストールは、好位を取るまでに苦労したが、直線は鋭く差し脚を伸ばした。「ブリーズアップセール出身で、元々完成度が高い馬。初戦のレースぶりなら、距離延長はいいはずです」
レース後は厩舎に置き、坂路とウッドチップコースで調整。8月31日の追い切りでは、ニューポリトラックコースで古馬を追いかけ、4ハロン53秒8—12秒1で併入。「前走からのパワーアップを感じるし、内面も変わってきた。楽しみはありそうです」と満を持しての2戦目に期待を寄せる。
8月21日の新馬戦(新潟・芝1800メートル)を勝ったヴュルデバンダム。夏場の牝馬に中1週のローテーションは不安だが、新潟競馬場にそのまま滞在させて、状態維持に努めてきた。ダートコースの調教は、馬なりで5ハロン71秒8—12秒8。5馬身前に行かせた2歳未勝利馬と楽々併入した。「しまいの反応を確認する調整だったが、とてもいい感じ。先週末よりもピリッとしてきた」とこちらも好感触。4コーナー13番手から、33秒0の豪脚で差し切った前走の再現を夢見る。
尾関厩舎のキャッチフレーズは「NOHORSE,NOLIFE!!」。馬に人生を捧げた師の重賞初制覇がなるか、注目の一戦だ。