同居していた母が交通事故で亡くなったのが4月。

慌ただしく月日が流れていったが、なるほどさみしさは後で来るよ、なんて近所のおばさんは言ってたけどその通り、仕事にかまけて任せっぱなしにいたこの家は母でないとなにがどこにあるのかなんてわかりゃしないし、「かあさん、あのさ」なんて良い年して口走っては、あら、いないんだ・・・なんて、ああ、ほんと、突然は勘弁してほしかったよ。

 

ネコ。

 

うん。

クロとメイの2匹は戸惑ってさ、今でも「世話してくれたかあさんどこだ?」なんてにゃごにゃご言ってるさ。

だって、俺なんてそりゃネコは好きだけど世話なんて面倒くさくてさ、しょせん鑑賞用ってな感じだったからさ、それがいきなり筆頭飼い主さ。

二人(猫)とも環境の違いに気づいたのか戸惑ったのか、いろんなところに糞便しまくってて、俺、彼らの気持ちわからずに怒りちらしてて・・・ごめんな。

寂しかったんだろな。

 

おばあちゃんっ子だった、娘なんて高校の入学式当日、制服見せに来る途中で亡くなったものだから、無念さから泣きじゃくって大変だったが、「お父さんはひとりじゃだめだね」なんて毎週のように来てくれる。

 

月末。

町の祭りがある。

「おばちゃんの作ってくれた浴衣で行くぞ!」

なんて気合入れてるが、彼氏でもできたのだろうか。

それはそれで焦る、父親心っす。

 

ん。

 

にゃご。

 

ほれ。

おネコ様が帰ってきた。

 

 

<Tips>

「飼い猫は外に出さないで室内飼いをしてください」

と、回覧板が回ってきた。うちのことを指してかどうかしらないが確かに勝手口に小窓作って好きな時に出入りさせていたのは事実だからと出入口を封鎖し、外には一切出さなくした。そりゃネコ好きな人ばかりとは限らないし、庭でオシッコされても困るし、車に乗られても迷惑だ、うん、ごめんなさい。2匹は以来、外に出せとナイフをチラつかせて脅してくるが(←なにそれ怖い)僕は決して屈しない。

こらこれ、休みにはせめてリードつけて家の周り散歩させてやるからおとなしくしてください。

お願いします(切実)。