今回は、以前からオーディオシステムをかなり作り込んできたアルファードのシステムアップです。

こんにちは。マイスターの佐藤です。

 

今回の主役は、A級パワーアンプ

 

ABYSS SQ400。

 

以前、Meisterで開催した試聴会でも多くの方に聴いていただいたアンプです。

 

そのSQ400を、今回は実際のお客様の車へインストールします。

 

ただし今回の音を、

 

「SQ400を付けたから良くなりました」

 

という一言で終わらせるのは、ちょっと違います。

 

このアルファードにはPHASS PF13が装着され、その性能を引き出すためにドアには専用エンクロージャーを製作。

 

PHASSのパッシブネットワークによるバイアンプ駆動、ケーブル、電源、ヒューズなど、細かな部分までかなり手を入れてあります。

 

つまり、すでにかなり作り込まれたシステム。

 

そこへSQ400を投入したことで、それぞれの良さがさらに表へ出てきました。

 

今回は単なるアンプ交換の記事ではなく、

 

「なぜここまで音が変わったのか」

 

そのあたりまで少し深く掘ってみたいと思います。

 

心を震わせる音色。PHASS PF13

まず、このシステムの音の中心にあるのがPHASS PF13です。

 

PF13の魅力を、

 

「解像度が高い」

 

「ワイドレンジ」

 

といった言葉だけで説明すると、少し違うように思います。

 

私がこのスピーカーを好きな理由のひとつは、

 

心を震わせるような音色。

 

ボーカルなら、単に声が鮮明に聞こえるだけではありません。

 

息遣いや声の震え、喉や胸が響き、その人の身体から声が出ているような感覚。

 

弦楽器なら、弓が弦を擦った瞬間だけでなく、その後に楽器の胴が響き、その響きが空間へ消えていくところまで。

 

ピアノなら、鍵盤を叩いた瞬間の立ち上がりから、その後に続く倍音や余韻まで。

 

細かな音をたくさん出すスピーカーは他にもあります。

 

でもPF13は、その情報をひとつひとつ分析させるというより、

 

気が付くと音楽そのものを聴いている。

 

そこが、このスピーカーの大きな魅力だと感じています。

だからPF13を普通には取り付けない

これだけ魅力のあるスピーカーなら、その能力をできるだけ引き出してみたい。

 

そこでこのアルファードでは、一般的なドアへの取り付けではなく、専用エンクロージャーを製作しています。

 

 

しかも、単純にスピーカーの後ろへ小さな箱を作ったわけではありません。

 

限られたドア内部のスペースを利用しながら、

 

できる限り容積を稼いでいます。

 

本来なら、もっと大きなシールドエンクロージャーにしたいところ。

 

でも車のドアですから、使える容積には当然限界があります。

 

そこで今回はポートタイプとして製作。

 

ポートの動作も利用しながら、13cmというサイズでもローエンドまでしっかり仕事をさせています。

 

製作途中ではインピーダンス特性も確認。

 

箱を作って、スピーカーを入れれば完成というものではありません。

 

細かな寸法や設計値は……

 

企業秘密ということで(笑)

カバザクラ合板で作る理由

エンクロージャーの材料にはカバザクラ合板を使用しています。

 

十分な剛性を持たせながら、木材ならではの響きも生かしたい。

 

さらに見える部分はニス仕上げ。

 

これがまた大変です。

 

塗って。

 

乾かして。

 

磨いて。

 

また塗って。

 

また磨いて……。

 

完成してしまえば綺麗な箱ですが、その裏側ではかなり地味な作業を繰り返しています。

 

お客様のご要望に応えるためです。

 

「要望」とも言いますが、

 

「わがまま」

 

と言った方が正しい場合もあります(笑)

エンクロージャーには、もうひとつ大きな目的がある

そして、この車でエンクロージャーを作った理由は音質だけではありません。

 

もうひとつ非常に重要だったのが、

 

音漏れ。

 

通勤中の渋滞。

 

好きな音楽を気持ちよく聴いている。

 

ところが信号で止まり、横に車が並ぶたびに、

 

「外に聞こえてるかな?」

 

とボリュームを下げる。

 

これ、結構ストレスなんですよね。

 

一般的なドアへの取り付けでは、スピーカーの背面音がドア内部へ放射されます。

 

それに対してエンクロージャーでは、背面音を箱の中で管理できます。

 

そのため外部への音漏れの仕方も、一般的なドアインストールとはかなり変わってきます。

 

周囲を気にしながら音量を上げ下げするのではなく、

 

自分が気持ちいいと思えるボリュームで音楽を楽しみたい。

 

これも、このエンクロージャーを作った大きな理由です。

 

ちなみに私のMINIもドアエンクロージャー仕様です。

 

一度この快適さを知ってしまうと、なかなか戻れません。

13cmなのに、低音を足す必要がない

そして、このエンクロージャーでPF13を鳴らすと面白いことが起こります。

 

13cmスピーカーというと、

 

「もう少し低音が欲しい」

 

と思うかもしれません。

 

この車は逆です。

 

低音が出ます。

 

かなり出ます(笑)

 

そのため、以前Mosconi ZERO4で鳴らしていたときから、低域はEQで持ち上げる方向ではなく、

 

下げて整える方向

 

で調整していました。

 

ここは今回SQ400へ交換したことで初めて起きたことではありません。

 

もともとPF13+エンクロージャーの組み合わせ自体が、十分な低域再生能力を持っています。

ZERO4も、かなり良いアンプです

今回フロント用アンプをSQ400へ変更しますが、これまで使っていたMosconi ZERO4も非常に良いアンプです。

 

ZERO4も低域の制動力は高く、決して低音が緩いアンプではありません。

 

だから今回、

 

「ZERO4では低音が膨らんでいたけれど、SQ400にしたら締まった」

 

という話ではありません。

 

それではZERO4を正しく評価していないと思います。

 

ZERO4の時点ですでに、かなり良いところまで来ていました。

 

だからこそ、

 

そこからSQ400へ交換して、何が変わるのか。

 

ここが今回一番面白かったところです。

ABYSS SQ400へ

今回フロント2wayを担当するのがABYSS SQ400。

 

A級動作のパワーアンプです。

 

アンプというと、

 

「何W出るの?」

 

というスペックに目が行きがちです。

 

もちろん出力も重要です。

 

でもアンプの違いは、それだけではありません。

 

スピーカーを動かした瞬間の立ち上がり。

 

その後の収束。

 

低域の制動。

 

音の厚み。

 

微細な音の表現。

 

そして音が消えていくところまで。

 

こうした部分が変わってきます。

SQ400で感じたのは「低音の量」より制動

SQ400を取り付けて調整を始めます。

 

まず感じたのは、

 

低域の出方がいい。

 

低音そのものはZERO4のときから十分に出ていました。

 

そしてSQ400でも、もちろんしっかり出ています。

 

でも、その出方が少し違う。

 

余分な膨らみが少ない。

 

音が立ち上がったあと、必要以上に尾を引かず、スッと収束する。

 

低域の量感そのものは十分にあるのに、中低域を覆ってしまうような嫌な出方をしません。

 

これは「低音が減った」という話ではありません。

 

むしろ、しっかり出ている。

 

でも、

 

必要なときに出て、必要がなくなれば収まる。

 

この感覚です。

 

ベースを聴いても、単に低い音が大きく鳴っているのではなく、一音一音の音程が分かりやすい。

 

さらに弦が振動したときのメタリックな響きまで見えてくる。

 

バスドラムなら、低い音の量だけではなく、打った瞬間の立ち上がりと、その後に続く胴の響きが分かりやすい。

 

厚いのに、重たくない。

 

この感じは非常に気持ちいい。

 

低域が整うと、その上まで見えてくる

ここも面白いところです。

 

低域の余分な膨らみが減ると、良くなるのは低音だけではありません。

 

中低域に低音が覆い被さらなくなることで、その上にある情報が見えやすくなります。

ベースの弦。

 

チェロやコントラバスの胴鳴り。

 

ピアノの左手。

 

そして、それぞれの楽器の立ち上がり。

 

音が重なっても混濁しにくくなり、

 

各楽器が何をやっているのかが分かりやすい。

 

これが後でオーケストラを聴いたときの楽しさにつながってきます。

DSP全盛の今、あえてPHASSのパッシブ

そしてこのシステム、クロスオーバーも少しマニアックです。

 

サイバーナビを使用していますので、デジタルクロスオーバーを使ってフルマルチで鳴らすこともできます。

 

でも、そうしていません。

 

クロスオーバーには、

 

PHASSのパッシブネットワーク

 

を使用。

 

バイアンプ接続で鳴らしています。

 

DSP全盛の今、

 

「なぜわざわざパッシブ?」

 

と思う人もいるかもしれません。

 

でも、何でもデジタルで自由自在に分割すれば正解というわけでもありません。

 

PF13とツィーターをひとつのスピーカーシステムとしてどうつなげるか。

 

そこはPHASSのパッシブに任せる。

 

一方で、車室内で生じる左右差については、サイバーナビのタイムアライメントや左右独立EQを使って整える。

 

つまり、

 

スピーカーシステムとしてのつながりはパッシブ。

 

車室内という特殊な環境への補正はデジタル。

 

それぞれの得意なところを使っています。

ケーブルもかなりマニアックです

ここまで来たらケーブルの話もしておきましょう。

 

メインのケーブル類にはSHARKWIRE

 

スピーカーケーブルにはMusical Love

 

さらに信号系には80ミクロン銀メッキ仕様のRCAケーブルも使用しています。

 

銀線や銀メッキ系のケーブルを好むオーディオファンは少なくありません。

 

よく言われるのが、

 

伸びやかな高域。

 

音の立ち上がり。

 

輪郭の明瞭さ。

 

倍音の見通し。

 

空間の抜け。

 

もちろん、

 

「銀だから必ずこういう音になる」

 

という単純な話ではありません。

 

導体だけではなく、ケーブルの構造、絶縁材、端子などを含めたトータルの設計で音の傾向は変わります。

 

でも今回のシステムで聴く、

 

ベースの弦の金属的な響き。

 

ピアノの倍音。

 

オーケストラの見通し。

 

こういうところを聴いていると、シルバー系のケーブルを好む人の気持ちもよく分かります。

M&M DESIGNも使用

M&M DESIGNのRCAケーブルも使用しています。

 

こちらは先ほどの80ミクロン銀メッキRCAとは別のケーブルです。

 

すべてを同じブランド、同じ素材で統一するのではなく、

 

システム全体としてどう鳴らすか。

 

その中でケーブルも選んでいます。

 

こういう話を始めると、だんだん一般的なカーオーディオの記事ではなくなってきます(笑)

サイバーナビのヒューズまで交換

 

今回はサイバーナビのヒューズもHyper Sub-zero Fuse SEへ交換しました。

 

「ヒューズで音が変わるの?」

 

この手の商品には色々な意見があると思います。

 

だからこそ、理屈だけで良い悪いを決めるのではなく、実際に交換して聴いてみます。

 

私が感じたのは、

 

60~125Hzあたりの少しぼやけていた部分が引き締まり、高域の伸びも良くなったこと。

 

ベースの弦のメタリックな響き。

 

井筒香奈江さんの声の質感。

 

ピアノの倍音。

 

こういった部分がかなり良く感じられました。

 

おそらくRTAで周波数特性だけを見ても、大きな違いは分かりにくいと思います。

 

でも音楽を聴くと印象が違う。

 

この価格でこれだけ変化を感じられるなら、これは交換しておいてもいいなと思いました。

Feel Point 2+ACP Version ASKA

さらにThird TechnologyのFeel Point 2+ACP(Activation Circuit Plus)Version ASKAも組み込まれています。

 

ここまで来ると、

 

スピーカーを交換して、

 

アンプを付けて、

 

調整して完成

 

というシステムではありません。

 

スピーカー

 

エンクロージャー

 

アンプ

 

パッシブネットワーク

 

ケーブル

 

電源

 

信号経路

 

そして最後の調整

 

一つ一つの積み重ねで、システム全体の音を作っています。

 

そして、どうしても残したかったMcIntoshのメーター

この車には以前の車から使用しているMcIntosh MPM4000 POWER OUTPUT METERも取り付けています

 

実際のところ、普段聴いている音量なら表示される出力はそれほど大きくありません

 

10Wも使っていないことがほとんどでしょう

 

じゃあ必要なの?

 

と言われると……

 

必要なんです(笑)

 

オーナーさんにとっては、以前の車から使い続けてきたお気に入りのメーター

 

「このアルファードでも使いたい」

 

というご要望でした。

 

ただ、このアルファードはディスプレイオーディオ仕様へ変更されていることもあり、簡単に1DINサイズのメーターを入れられるスペースがありません

 

特にナビ下は奥行きがなく、そのままMPM4000を収めることは不可能

 

そこで……

 

メーター本体と表示部を分離

 

表示部だけをこの位置へ持ってきました

文章にすると数行ですが、ここまで持ってくるためには配線も含めてかなりの加工が必要です

 

「前の車で使っていたから、これも付けたい」

 

お客様のご要望です

 

ご要望……

 

いや、こういう時はやっぱり、

 

わがまま、と言った方が正しいでしょう(笑)

 

でも完成してしまえば、最初からここに付いていたように自然に収まっています

 

こういうところも、今回のシステムの見えない部分で結構苦労したところです

これだけ入っているのに、普段は何も見えない

これだけ色々な機材が入っているのですが……

 

普段はこうです。

 

何も見えません(笑)

 

アルファードは大きな車なので、

 

「アンプくらい簡単に付くでしょう」

 

と思うかもしれません。

 

ところがミニバンって、意外とアンプを置ける場所がありません。

 

この車では運転席と助手席の間のスペースを利用してアンプ類を収納。

 

内部には冷却も考えてファンを設置しています。

 

でも蓋を閉じれば普通の物置スペース。

 

車は毎日使うものです。

 

オーディオのために室内の使い勝手を大きく犠牲にしたくはありません。

 

見えないところはかなりマニアック。

 

でも普段は普通に使える。

 

このギャップも、この車の面白いところです。

ここから先は「音」ではなく「空間」の話

さて

 

SQ400へ交換して最終調整を進めていくと、もう一つ面白い変化を感じました。

 

それは単純に、

 

「楽器の音が綺麗になった」

 

という話ではありません。

 

録音されている空間そのものが、以前より見えやすくなってきた

 

そんな感覚です。

オーディオは「楽器の音」だけを再生しているわけではない

良いオーディオというのは、単に音が綺麗なだけではありません。

 

再生能力が上がってくると、録音に含まれている空間の情報まで感じ取れるようになります。

 

例えば、

 

音がすぐに消えるのか

 

じわっと余韻を残すのか

音がどの方向へ広がっていくように感じるのか

 

壁が近く感じられるのか、遠く感じられるのか

 

天井が低く感じられるのか、高く感じられるのか

 

こうした情報も録音された音の中に含まれています

 

もちろん、音を聴いただけでホールの寸法を測れるわけではありません

 

でも私たちは、音からその空間の広さや奥行きを自然に感じ取っています

人間の脳は、音から空間を作っている

人間の脳はとても優秀です

 

楽器から直接届く直接音

 

壁や天井などに反射して、少し遅れて届く反射音

 

さらに、その後に続く残響音

 

その時間差や音量差、反射音が届く方向、残響がどのように減衰していくのか

 

こうした複数の手掛かりから、

 

「小さな空間にいるように感じる」

 

「大きなホールにいるように感じる」

 

「ずっと奥まで空間が続いているように感じる」

 

といった空間の感覚を、私たちは無意識のうちに作っています。

音が消えていくところにも情報がある

さらに面白いのはここからです

 

反射音は一度で終わるわけではありません

 

壁や天井などで何度も反射しながら、時間とともに少しずつエネルギーを失い、やがて消えていきます

 

この残響がどのように減衰していくのかも、空間を感じるための重要な情報です

 

音響の世界では、この減衰を表す代表的な指標として残響時間があります

 

でも実際に私たちが感じている空間は、

 

「残響が長い」

 

「残響が短い」

 

だけではありません

 

どんな反射音が、どのタイミングで届くのか

 

その後、どのように音が消えていくのか

 

そして周波数によっても残り方は変わります

 

そうしたものが重なって、それぞれの録音空間の個性になります

同じオーケストラでも「世界」が変わる

録音方式やマイク位置などによっても聴こえ方は大きく変わります

 

それでも異なるホールで収録された音源を聴き比べてみると、

 

音が広がっていく感じ

 

奥行き

 

反射音の付き方

 

余韻の残り方

 

そういった違いまで感じられることがあります

 

同じような楽器編成であっても、録音された場所が違えば、

 

音楽を包んでいる世界まで違って感じられる

 

これもオーディオの面白さだと思います

SQ400にして、この「時間」がさらに見える

今回SQ400へ交換して特に印象的だったのが、この部分です

 

楽器そのものが鮮明になったというだけではありません

 

音が立ち上がった後に続く微細な反射音や残響

 

その小さな時間差やレベル差が分かりやすくなり、

 

楽器と楽器の間に存在する空間まで見えてくる

 

もちろん、これはSQ400だけで作られたものではありません

 

PF13の持つ音色と表現力

 

その能力を生かすために製作したドアエンクロージャー

 

PHASSのパッシブネットワーク

 

ケーブル

 

電源

 

そして最後の調整

 

それぞれがきちんと仕事をしているシステムにSQ400を投入したことで、

 

システム全体の表現力が、もう一段引き上げられた

 

そう考えるのが、今回実際に聴いた印象には一番近いと思います

車の中なのに、ホールが広がる

ホルンが鳴った瞬間の空気の押し出し

 

バイオリンの音像の後ろに広がっていく空間

 

ピアノの音が消えたあとにも、わずかに残っている部屋の気配

 

それらが全部ひとつの音の塊として聞こえるのではなく、

 

時間の流れを伴って自然に聴き分けられる

 

直接音が立ち上がる

 

その少し後ろに反射音が広がる

 

さらにその後ろに残響が続いていく

 

その流れが、耳で「見える」ような感覚になってきます

 

すると、

 

「あれ、このホール広く感じるな」

 

「かなり奥行きがあるな」

 

「天井が高い空間にいるような感じがする」

 

そんなことを、意識して分析しなくても自然に感じるようになります

 

実際にはアルファードの運転席に座っている

 

目の前にはダッシュボードもフロントガラスもある

 

それなのに音楽が始まると、

 

聴覚上では車室とは別の空間が広がってくる

 

車内の物理的な大きさと、耳で感じている空間の大きさが一致しなくなってくる

 

ここまで来ると、

 

「高音が綺麗」

 

「低音が出る」

 

「定位がいい」

 

という個々の評価だけではなく、

 

そこに演奏している空間があるように感じる

 

そんな領域に近づいていきます。

そして納車の儀式

最終調整

 

ナカリャコフを聴きながら微調整していました

 

いやー、いい

 

オーケストラの分離がいい

 

そんなことを思いながら、私自身がかなり楽しんで聴いていたところへ……

 

オーナー登場

 

「今、楽しんでます。あと2時間待ってください(笑)」

 

と言うと、

 

「楽しめる音なのね。良かったー」

 

と(笑)

 

そして納車の儀式が始まります

バーンスタイン指揮、ベートーヴェン

試聴はレナード・バーンスタイン指揮のベートーヴェン

 

ジャジャジャジャーン!

 

……ハクション大魔王ではありません(笑)

 

鳴り始めてすぐ、

 

「おおー、全然違う!」

 

そして、

 

「今まで色々やってきたけど、こんなに違うの初めて」

 

さらに、

 

「厚いですねー」

 

今日は40度ありますからね。

 

……そっちの暑いじゃありません(笑)

 

聴き進めると、

 

「深みがある」

 

「広がりもすごくある」

 

「楽器それぞれが、こんなにはっきり分かるの凄い」

 

私も横で聴いていて楽しくなってくる

そして横で聴いている私も楽しい

 

バイオリン

 

はい、ホルン

 

またバイオリン

 

はい、トランペット

 

チェロ、コントラバス

 

オーボエいくよー

 

各パートの掛け合いが、本当に面白い。

 

音を分析しているというより、

 

演奏を追いかけること自体が楽しい

 

なんだか自分がレナード・バーンスタインになったような気分です(笑)

 

オーナーも完全に聴き入っています。

 

そして最後に、

 

「いやー、このアンプ付けて良かった。ありがとう。」

 

と。

高いアンプを買って「ありがとう」と言ってもらえる

これは嬉しかったですね。

 

高価なアンプを購入していただいたので、本来はこちらが、

 

「ありがとうございます」

 

と言うところです。

 

それなのにお客様から、

 

「このアンプ付けて良かった。ありがとう」

 

と言ってもらえる

 

感動できる商品を紹介できて、本当に良かったと思います

 

これからこの車に乗るたびに、その音を楽しんでもらえる

 

そのお手伝いができたことが、私としても嬉しいです

 

本当はもう少し納車せずに、私が聴いていたかったくらいですけど(笑)

そして後日……

先日、このアルファードがまたご来店

 

「設定のことでちょっと聞きたいことがある」

 

とのこと

 

「ここは、こうすればいいですよー」

 

と説明

 

音の方はどうですか?

 

と聞いてみると、

 

「ほんと良かった。楽しい〜。もう言う事ない!」

 

と。

 

これが一番嬉しい言葉かもしれません

 

……とはいえ

 

こちらとしては、まだ言うことがあります(笑)

 

「サブウーファーのアンプもSQ200にしたら、きっと凄いですよ」

 

と言ってみたら、

 

「確かに分かるけど、さすがに高いよねー」

 

とのこと

 

まあ、確かに(笑)

次に欲しいのは低音の「量」ではなく「質」

この車は現状でも低音の量は十分あります

 

というより、フロントのPF13ですら下げて調整しているくらいです

 

だからSQ200を入れるとしても、

 

「もっと低音を出したい」

 

からではありません。

 

欲しいのは、

 

制動

 

立ち上がり

 

音階

 

フロントとの一体感

 

より自然な空気感

 

つまり、

 

量ではなく、さらにその先の質

 

ここは今後のお楽しみということで。

良い音は、一つの機材だけでは作れない

今回、SQ400を取り付けて改めて感じたことがあります

 

それは、

 

良い音は、一つの機材だけでは作れない

 

ということ

 

今回の主役は間違いなくSQ400です

 

ZERO4からSQ400へ交換したことで、低域の制動、音の厚み、各楽器の分離、そして空間表現まで、システム全体がもう一段上へ進んだと感じました

 

でも、それを受け止めるPF13がある

 

PF13をしっかり鳴らせるエンクロージャーがある

 

PHASSのパッシブネットワークがある

 

ケーブルがある

 

電源がある

 

そして最後に、それらを車室内でつなげる調整がある

 

どれか一つだけを取り上げて、

 

「これを付けたから、この音になった」

 

とは言えません

 

全部がつながった結果です。

カーオーディオのゴール

カーオーディオをやっていると、

 

周波数特性

 

タイムアライメント

 

クロスオーバー

 

アンプの出力

 

ケーブル

 

いろいろな数字や機材の話が出てきます

 

もちろん、それらは全部大切です

 

でも最終的な目的は、RTAのグラフを眺めて満足することでも、高価な機材を並べることでもありません

 

車に乗ったとき、

 

もう一曲聴きたい

 

いつもの曲を、もう一度聴いてみたい

 

少し遠回りして帰りたい

 

そして、

 

この車で音楽を聴くのが楽しい

 

そう思えること

 

音が良くなって、

 

楽器が見えて、

 

その後ろに録音された空間まで感じられて、

 

気が付けば音を分析することをやめて、演奏そのものに入り込んでいる。

 

そこまで行けば、カーオーディオは単なる「良い音」を超えてくると思います。

 

オーナーさんの、

 

「ほんと良かった。楽しい〜。もう言う事ない!」

 

という一言

 

エンクロージャーを作って、アンプを入れて、パッシブを使って、ケーブルや電源まで散々マニアックなことをやってきましたが(笑)

 

結局、この一言が今回のシステムにとって、

 

一番分かりやすい答えなのかもしれません。

■ AUDIO SYSTEM

・メインユニット:carrozzeria サイバーナビ
・フロントスピーカー:PHASS PF13
・クロスオーバー:PHASS CI-202 パッシブネットワーク
・フロントアンプ:ABYSS SQ400
・サブウーファーアンプ:Mosconi ZERO4
・サブウーファー:Quatrorigo 10インチ
・ドア:カバザクラ合板製 ポート型エンクロージャー
・メインケーブル:SHARKWIRE
・スピーカーケーブル:Musical Love
・RCAケーブル:80μm銀メッキRCA/M&M DESIGN
・電源関連:Hyper Sub-zero Fuse SE
・Third Technology Feel Point 2
・Third Technology ACP Version ASKA
・McIntosh MPM4000 POWER OUTPUT METER

 

Meister カーオーディオ&セキュリティ