30系エスティマに9インチ サイバーナビ LIMITEDを取付。実際に聴いて驚いた、その音質
こんにちは。マイスターの佐藤です。
今回は30系エスティマのナビ交換です。
取り付けるのは、9インチのサイバーナビ AVIC-CQ912IV-DC LIMITED EDITION。
歴代のサイバーナビはこれまで数多く取り付け、調整してきましたが、今回のLIMITED。
正直なところ、取り付ける前は、
「LIMITEDと言っても、そこまで音は変わらないんじゃない?」
くらいに思っていました。
ところが実際に取り付け、調整を終えて何曲か聴いてみると……
ちょっと印象が変わりました。
いや、かなり変わりました。
30系エスティマには9インチナビ用パネルがない
まずは取り付けのお話から。
30系エスティマには、9インチナビを自然に取り付けられるパネルがありません。
当然、今回取り付ける9インチのサイバーナビもそのままでは収まりません。
そこで純正パネルを加工。
9インチの大画面が自然に収まるよう形状を整え、最後は塗装屋さんで仕上げてもらいました。
そして完成した姿がこちら。
どうでしょう。
9インチの大画面ですが、無理やり押し込んだような後付け感はありません。
最初からここに9インチナビが装着されていたような、自然な仕上がりになったと思います。
大画面はやっぱり見やすいですね。
今回はフロント2WAYをマルチ接続
そして今回は、ただナビを交換しただけではありません。
以前から取り付けられているフロントスピーカーを、サイバーナビのネットワークモードを使ってマルチ接続しています。
「DSPがないからマルチ接続はできない」
と思われている方も多いのですが、サイバーナビにはネットワークモードが搭載されています。
ツィーターとドアスピーカーをそれぞれ独立して駆動し、
- クロスオーバー
- 31バンドEQ
- タイムアライメント
- 各スピーカーのレベル調整
を細かく設定することができます。
最近はDSPを使ったシステムが主流になっていますが、サイバーナビのネットワークモードも侮れません。
もちろんDSPには位相調整や入力系統の自由度など、多くのメリットがあります。
しかしフロント2WAYシステムであれば、サイバーナビのネットワークモードでも十分な調整機能を備えています。
クロスオーバー、31バンドEQ、タイムアライメントを駆使すれば、DSPに迫るレベルまで音を追い込むことが可能です。
ツィーターとドアスピーカーをそれぞれ独立して駆動。
各スピーカーに合わせてクロスオーバー、タイムアライメント、EQを細かく調整します。
調整を終えて、いよいよ試聴
調整中は少々手こずりました。
EQをフラットにした状態では800Hz~1kHz付近にかなり大きなピークがありましたが、31バンドEQを使ってかなり大胆に補正。
クロスオーバーも何度か聴き比べ、ツィーターとドアスピーカーのつながりを追い込んでいきます。
そして調整がある程度まとまったところで、いつもの試聴曲を聴いてみました。
井筒香奈江「どこか~窓の向こうに~」
この曲は、私が音質確認でよく使うお気に入りの一曲です。
まず驚いたのはベース。
ベースの弦が持つメタリックな質感がしっかり伝わり、芯のある低音からローエンドまで自然に伸びていきます。
弦を弾いた瞬間のアタックから余韻までが一本の流れとして途切れることなく描かれ、ベースという楽器の存在感を存分に味わえます。
続いてピアノ。
一音一音が混ざってしまうことなく、それぞれの響きが自然に重なり、とてもきれいなハーモニーを奏でています。
そして、この曲でもう一つ感動したのが井筒香奈江さんの歌声。
井筒香奈江さん特有の少しハスキーで、砂を含んだような独特の声質。
私は勝手に「砂声」と表現していますが、この特徴ある声をきちんと表現するには、声の細かな粒立ちまで再現できるだけの情報量が必要になります。
LIMITEDでは、その特徴的な歌声が実にリアルに伝わってきました。
声の細かな粒立ちが崩れることなく再現されることで、息づかいや口元の表情まで自然に伝わってきます。
単にボーカルが前に出るのではなく、目の前で歌ってくれているような自然な存在感があります。
ここで思わず、
「おおー、リミテッドだ。」
独り言が出ました。
Joshua Bell「Violin Concerto No.1 in G Minor」
冒頭のティンパニ。
小さな音での連打から始まりますが、バチがヘッドに当たる瞬間のアタック音までしっかり聞こえてきます。
ただティンパニが鳴っているのではありません。
どんなタッチで叩いているのか、その演奏の細かな部分まで伝わってきます。
そしてジョシュア・ベルのヴァイオリンが入ります。
深みのある音色。
さらに驚いたのは、弦を押さえる指の音までしっかり聞こえてくること。
ジョシュア・ベルは演奏中、かなり身体を動かしながら演奏する奏者ですが、「ここだ」というポイントでは、その身体の動きまで音から伝わってくるようです。
バックのオーケストラもいい。
コントラバスの音が明瞭で、低音の塊としてではなく、しっかり一つの楽器として存在しています。
ファーストヴァイオリン、セカンドヴァイオリン、ビオラもきちんとセパレート。
それぞれのパートを追いかけることができます。
ただ、一つだけ欲を言えばフルート。
あともう少し高域が伸びてくれれば申し分ありません。
思わずツィーターに目をやると、純正位置へ埋め込まれているのを再確認。
「あぁ、これでは仕方ないか。」
純正グリルを通して音が放射されることに加え、ツィーターの向きもリスナーに対して最適とは言えないため、高域の伸びや抜けが少し抑えられています。
改めて、純正位置インストールの限界を感じた瞬間でした。
逆に言えば、ツィーターの取り付けを見直せば、まだ音は良くなるということですね。
Creepy Nuts「Bling-Bang-Bang-Born」
曲が始まった瞬間……
どすどす鳴っています(笑)
「この車、サブウーファー付いてたっけ?」
思わずそう思うほどの低音。
17cmのドアスピーカーだけとは思えない鳴りっぷりです。
ただ低音の量が多いだけではありません。
内蔵アンプにありがちな、少しぼやけた低音ではなく、音の中心にしっかりと芯があります。
その芯の周りに程よい低音の量感が乗ってくる。
だからキックは力強いのに、音楽全体がモゴモゴしません。
サブウーファーあり並み。
ちょっと笑ってしまうほどよく鳴っています。
Sting「Fragile」
Stingといえば、ローエンドまで伸びていくベースの音色。
このベースをどう再生するのか。
私がこの曲を聴く時に、いつも気になるポイントです。
LIMITEDは期待を裏切りませんでした。
ベースの弦が持つメタリックな質感と、芯のある低音が印象的。
弦を弾いた瞬間のアタックからローエンドへ、そして余韻までが一本の流れとして自然につながります。
ただ「低音が出ている」のではありません。
ベースという楽器の音色を、しっかり再生しています。
うーん。
やっぱりこのLIMITED、低音の表現力が今までのサイバーナビとは少し違うように感じます。
ボリューム17で、こんなに鳴ったっけ?
そして試聴していて、もう一つ気になったことがあります。
ボリュームは17。
「今までのサイバーナビって、17でここまでしっかり鳴ってたっけ?」
小さな音量の時でも音が痩せません。
高域の細かな成分もしっかり残り、ベースには芯がある。
ピアノの和音も崩れず、演奏の細かなニュアンスまで伝わってきます。
音量を上げたから迫力が出るのではなく、普通に音楽を聴く音量で、すでに音楽が成立している。
これはかなり印象的でした。
音が良い、だけでは少し足りない
今回いろいろな曲を聴いて気付いたことがあります。
ティンパニでは、バチがヘッドに当たる音。
ベースでは、弦のメタリックな質感。
ヴァイオリンでは、弦を押さえる指の音。
ボーカルでは、声の細かな粒立ちや息づかい。
LIMITEDを聴いていて印象に残ったのは、単純に「解像度が高い」とか「高音質」ということではありません。
演奏者や歌い手が何をしているのか。
その表現まで音として伝えてくれることでした。
歴代のサイバーナビも数多く取り付け、調整してきました。
もちろん今までのサイバーナビも十分に高音質です。
でも今回のLIMITED。
数曲聴いただけで、思わず独り言が出ました。
「リミテッドだ。」
数量限定モデルです。
気になっている方。
買えるうちに買っておいた方がいいかもしれませんよ。
残念ながら、今回取り付けた9インチモデルを含め、サイバーナビ LIMITED EDITIONはすでにほとんど市場から姿を消しているようです。
今回あらためてじっくり聴いて思いました。
もっと早く、この音をちゃんと聴いておけば良かった。
そして……
実は7インチモデルなら、meisterに数台在庫があります。
この記事を書いている今となっては、この在庫が妙に貴重なものに見えてきました(笑)
数に限りがありますので、気になる方はお早めに。
私自身、今回の試聴を終えて改めて思います。
「これはリミテッドだ。」







