ウパニシャッド等によれば、ヨーガの瞑想に際して「宇宙と一体化する」ことが求められますが、この「宇宙=時空」の考え方は極めて重要な意味を持ちます。瞑想の準備として自らを「空間の中に安定させ、生命の息吹を観照する」ことが必須とされますが、その状態でプラーナヤーマを行いますと、自身の周囲の空間が歪んできます。

 

 私も最初に体験した時は、驚きを通り越して一瞬こわくなったくらいです。肉体感覚がなくなり、無重力の空間に自分の無形の存在(霊魂)だけがぽっかりと浮かんでいました。

 

 あとでアインシュタインの学説を学んだ時に、空間の歪みが何をもたらすか勉強しましたが、実際に自分の周囲がどうなっているのか、とても興味があります。光が直進できるのか、時間の進み方は?などといろんなことを考えてしまいます。


 亡き師が「悟りとは無ですよ。時間と空間を超越することです」と仰っていました。ホーキング博士によれば「宇宙は無から始まった」そうです。そして無の状態では時間も空間も共になかったと説かれています。

 

 ウパニシャッドのゴールは「死を超越する」境地に至ることですが、これは不老不死を目指すのではなく、「無との合一・融合」を通して、時間と空間の存在しないところ、つまり宇宙の始まり(根源)と同化することなのです。