ヨーガの語源は「繋ぐ」とか「結ぶ」だと言われています。そこで何と何を結ぶのかということが、古来、話題になってきました。それはヨーガの全ての技術に言えることです。


 ヨーガのメインは体操ではなく瞑想にあります。

 ですから、たとえ体を動かしてアーサナを行っても、それが瞑想的であることが望ましいわけです。それには身心の観察が必須ですが、問題は「どう行うか」です。アーサナを瞑想的にというなら、観察のメインターゲットは「脳」でなければなりません。なぜなら瞑想は、脳から始まるからです。そこで今回は「脳と肉体のムスビ」をご説明します。


 脳が肉体を制御していることは言うまでもありませんが、ヨーガの先賢たちは肉体の側から脳を動かそうと考えました。大脳生理学的には、「運動野と体性感覚野」間のフィードバックシステムの応用技術等ですが、ヨーガではそれを極めて精密に分析し、数多くの特殊技法を用意しています。

 ヨーガスートラの言う「アーサナの安定と快適さ」も、その延長線上にあるわけですが、これはボディを通してマインドを制御する試みでもあります。