松本訓導殉難碑

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『国民の覚醒を希う』をお読みになりましたか?
この写真は本書に書かれている「松本訓導殉難碑」です。

 

論語の中に「志士仁人無求生以害仁有殺身以成仁(志士仁人は、生を求めて以て仁を害することなく、身を殺して以て仁を成すことあり)」との教えがありますが、私がこの教えを知ったのは、「松本訓導殉難碑」の碑文によってです。その碑は、東京都武蔵野市の井の頭恩賜公園のところを流れる玉川上水の畔に建てられた立派な碑ですが、今はあまり訪れる人もなく、ひっそりと林の中に建っています。(『国民の覚醒を希う』)

井の頭恩賜公園は広く、ボート池あり、象のハナコで有名な動物園あり、運動場あり、バードウォッチングよし、桜の名所とあって、実に多くの人が訪れますが、この碑は“知る人ぞ知る”碑です。

場所はこのあたり。

上水に落ちた教え子を救おうとして飛び込み、殉職した松本虎雄先生は、まさしく没我=愛の人でありました。

三好会長がこの話を聞き及んだのは、松本訓導殉難から十五年を経た昭和九年、小学校一年生の遠足で同じ井の頭公園に行った時だそうです。
私は、遠いといえない場所に越して来て、数年知らずにいましたが、三好会長のご文章により、通勤で通る玉川上水にかかる橋の上流と知り、探して以来、訪ねるようになりました。

 

玉川上水沿いの遊歩道は、恰好のランニングコースにもなっていて、観察すると、多くの人は通り過ぎていきますが、中にはランニング途中、立ち寄って手を合わせる人、遊びながら駆け上がってくる子供たち、何だろう? という感じで碑に近づいて来てしばらく眺めて帰る人も。

私たちは、このような模範となる方々の功績をたたえる顕彰を等閑にしてはなりません。顕彰は、その方の霊をはじめご遺族の方々をお慰めするだけではなく、同じ職にある者、同じ職に就く者にその職責を強く意識させますし、更に広く多くの人々をも教え導くからであります。(『国民の覚醒を希う』)

来年は、松本訓導殉難から100周年。
碑の前で手を合わせる人が、増えてほしいと思います。

/坂