『小公女セーラ』45・46話(最終話) Review | Masterpiece Forest 名作の森
Sat, September 03, 2011

『小公女セーラ』45・46話(最終話) Review

テーマ:小公女セーラ
小公女(プリンセス)セーラ(11) [DVD]/島本須美,中西妙子,郷里大輔

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(あらすじ・見どころ)クローバーby Meisakian 

宝石白<第45話>「ミンチン院長の後悔」
 セーラの姿がないことを知ったミンチンは、
ベッキーを厳しく問い詰めます。
 でも、ベッキーはセーラの居所を決して口に
しようとはしません。

 ミンチン院長は激怒します。

 そこへ、ラビニアが現れ、セーラがお隣へ
入っていくのを見たと告げ口するのでした。
「何ですって!?お隣へ!?」

 怒りの形相のミンチン院長。
 どうしてお隣へ行ったんでしょう?というアメリアにミンチン院長は怒鳴ります。
「そんなこと決まっています!!お隣へ行って、あることないこと並びたてて、同情してもらおうという…あのセーラのやりそうなことです!!今から、お隣へ行って、セーラを引きずり戻してきます!!!」

 ミンチン院長はついにクリスフォード家へ…。

 その頃、セーラはクリスフォードやカーマイケル弁護士の家族と談笑していました。
 そこへラムダスが入って来ます。
「旦那さま、お隣のミンチン様がお見えです。」

 一瞬驚くセーラ。でも、クリスフォードは安心するように言うのでした。
 セーラは席をはずして、着替えをしてくるよう手はずを整えます。

「カーマイケル君、どうやら、わざわざお隣へ出向く必要が無くなったようだね。」

 クリスフォードの部屋に通されたミンチン院長。
 クリスフォードは話し始めます。
「ちょうど今、私の顧問弁護士であるカーマイケル君を、代理人としてそちらへ行かせようと思っていたのです。」
「…!?弁護士さん!?まあ、大げさですこと!!うちの生徒…と申しましても、わたくしのお情けで置いてやっている孤児ですが、あの子が勝手にこちらにお邪魔してご迷惑をかけただけで、弁護士さんだなんて!?」

「ふむ…あの子と申しますと、ひょっとすると…。」
「もちろん、セーラ・クルーのことですわ!!」

 クリスフォードとカーマイケル弁護士は顔を見合せます。
「カーマイケル君、どうやらこのご婦人は勘違いをされているようだ…。君から説明してあげてくれたまえ。」
「はい。…まず、セーラさんはあなたの学院へは戻らないことになりました。」

「何ですって!?あの子が帰る家はわたくしどもの学院以外にはないはずです!!」
「…あなたが家とおっしゃっている、あの屋根裏部屋へは戻りません。これからは、このクリスフォードさんのお屋敷が、彼女の家となるのです!!」

 ミンチンは驚きます。カーマイケル弁護士はさらに続けます。
「実はこちらのクリスフォードさんは、インドの世界有数のダイヤモンド鉱山の持ち主でして、亡くなられたセーラさんの父ラルフ・クルー氏の親友なのです。ラルフ・クルー氏の残された莫大な財産を継がせるため、行方不明になっていた彼の娘さんを探し続けていたのです。さらに、後継ぎのないクリスフォードさんは、自らの財産も彼女に継がせようとお考えで、先ほど、私の手で法律的に決定したのですよ。」

「…ということは…セーラは…世界有数のダイヤモンド鉱山の…持ち主…!?」

「その通りです!!今やセーラさんは、ダイヤモンド・プリンセスとなられたのです!!」

 ミンチン院長は顔が青ざめていきます。
「わ…わたくしどもは、お父様を亡くされたセーラさんを、精一杯親切にお世話してまいりました…。その恩は、彼女もわかっておられるはず…。」

「…でしょうかな?」
「それでは、ご自分でお会いになられるといい。」

 クリスフォードに案内されて、玄関ホールへ連れだされたミンチン。
 そこで、ミンチンが目にしたのは、美しいドレスに身を包み、胸には見事なダイヤの装身具を身につけた、ダイヤモンド・プリンセス、セーラ・クルーの姿でした。

「…セ…セーラ?」
「はい、院長先生。」

 ミンチンは、その場で崩れるのでした。


(;^_^A「このシーン、『水戸黄門』の印籠シーンを彷彿とさせます。」


 その頃、学院にはインドからセーラ宛に手紙が届いていました。
 かつて、セーラがラルフについて問い合わせた返事が、ようやく届いたのです。

 そこには、ラルフが熱病で亡くなったことは事実だが、彼の破産したと思われた財産は、親友のクリスフォードの穴埋めにより、破産は免れ、遺産相続人のセーラを探すためクリスフォードがイギリスに帰国中であると書かれていたのでした。

 驚愕の事実に驚くアメリア。
 ラビニアは悔しそうな表情を見せます。

 でも、ベッキー、アーメンガード、ロッティは大喜びするのでした。

 やがて、ミンチンがふらふらになりながら、学院へ戻って来ます。
 ミンチンは倒れるように、学院の扉を開け、アメリアに手を借りて自分の部屋へ行きます。

 そこでミンチンは、アメリアに、クリスフォード家で見聞きしたことを伝えます。
「私たちは、せっかく手の中にあった彼女を、みすみす手の届かない所へやってしまったのよ…。」

 そのことを聞いたアメリアは、怒りを爆発させます。
「そうよ、お姉さまのせいよ!!お姉さまがバカだったのよ!!」
「アメリア!このわたくしになんて口を…。」

「お姉さまは黙って!!!」
 アメリアの物凄い剣幕に、ミンチンはあっけにとられます。

「実を言うと、わたしはよく思ったものよ!!セーラさんにあんなに辛く当たらなければいいのにって!!…あの子はお姉さまには賢すぎたわ!!お姉さまがあの子を嫌っていたのもそのせいよ!!…この話は、他の生徒の親にもいずれ伝わるでしょうよ。お姉さまのやり口を知った生徒の親は、自分の子を次々に引き取り始めるでしょうよ!!やがて、この話は市長夫人にも伝わり、この学院は誰も寄り付かなくなるのよ!!」

 アメリアの話を聞いたミンチンは、自分の過ちを悔いて、泣き崩れます。

 ミンチンの泣き声は、部屋の外にいたラビニアたちにも聞こえたのでした。

 その夜、ベッキーは、もうセーラに会えなくなるんだと思い、涙をこらえながら屋根裏へ上がっていきます。

 すると、誰もいないはずの屋根裏部屋に灯りが灯っていました。

 ベッキーが部屋を開けると、見事なごちそうが並び、ラムダスさんが待っていました。
「ラムダスさん!?」

 驚くベッキーに、ラムダスはセーラからの手紙を渡します。
 ベッキーはその手紙を受け取り、嬉し涙を流すのでした。 


(‐^▽^‐)「セーラ、よく耐えたね。」

(^_^;)「それにしても、クリスフォードさんって歩けたんだ。クリスフォードさんも、心の悩みがなくなって元気になれそうですね!大好きな大好きな“屋根裏部屋の少女”こと、愛しいセーラと、一つ屋根の下これからずっと暮らせるんだし、心身ともに元気になれそう…」

Σ(゚д゚;)「ハッ!…クリスフォードは、ひょっとしてロ○コン!?」


クリスマスツリー<第46話>「また逢う日まで」(最終話)
 今日はクリスマス・イブでした。
 ミンチン女子学院では、クリスマスの飾りつけが行われています。

 そんな中、ミンチン院長ただ一人、すっかり落ち込んでいたのでした。
「お姉さま!!セーラさんのことは残念でしたけど、元気を出して!!」
 すっかり気が強くなったアメリアが、ミンチンに声をかけます。


(;^_^A「この姉妹の関係が、入れ替わってしまったようです…。」


 そんな時、お隣からクリスフォードが弁護士のカーマイケルと共に訪ねてきます。
「ああ…アメリア。まさか、セーラさんのことで私たちを裁判に…。」
「とにかく落ち着いて!!お姉さま!!」

 クリスフォードたちと一緒にセーラも来ていました。

 院長室へ入っていくセーラ達。その様子を見ていたジェシーとガードルートは話します。
「あの子、一体何しに乗り込んで来たのかしら?」

 ラビニアが言います。
「決まってるじゃない。復讐しに来たのよ、有り余るダイヤモンドの力でね。」

 その頃、院長室ではミンチンが驚きの声をあげていました。
「な…何ですって!?この学院に、ご寄付を!?」

「ええ、この子のたっての願いでしてな。」
 クリスフォードは、カーマイケルに小切手を出させます。
「イングランド銀行の小切手で、10万ポンドです。」

「じゅ…10万ポンド!!?」
 ミンチン院長は目を回してしまいます。

 さらに、クリスフォードは話しを続けます。
「あと、この子からのお願いがありましてな。」
 
 セーラは話し始めます。
「実は、ベッキーのことなんです。」


 ベッキーは、屋根裏に残されていた、セーラの大切なエミリー人形やラルフたちの写真を手に、階下へと降りていきます。セーラに渡すためでした。

「ベッキー!!ベッキー!!」
 アメリア先生がベッキーを呼んでいました。

 アメリア先生によると、ベッキーはお隣のクリスフォード家のメイドとなり、セーラの元に仕えることになったのです。
「ベッキー!!私たち、また一緒に暮らせるのよ!!」
「お嬢さま!!」
 セーラとベッキーは喜びあいます。

 学院の生徒全員が集まって来ました。そこで、ミンチン院長は発表します。
「みなさん、セーラさんは、この学院をお辞めになったわけではないのですよ。セーラさんはこれからもこの学院でお勉強を続けたいとおっしゃっておられます。セーラさんはこの学院には寄宿せずに、お隣のクリスフォードさんのお屋敷から通われます。」


(・・;)「ミンチン院長は、セーラを“さん”付けで呼んで、敬語を使っています…。金の力、恐るべし…。」


 アーメンガードやロッティは大喜び。

 さらに、今までセーラがどんなにひどい目にあわされていても、傍観していた中立の立場の生徒たちも、セーラを祝福します。
 おまけに、ラビニアの手下のジェシーとガードルートも、セーラよかったねと声をかけるのでした。


(`Д´)ノ「アーメンガードとロッティ以外の生徒に、セーラを祝福する資格はない!!」


 みんなに囲まれるセーラを遠巻きに見ていたラビニア。
 やがて、ラビニアがセーラに近付いてきます。

 一触即発か!?
 緊迫した空気が漂います。でも、ラビニアが口にした言葉は…
「…セーラ、おめでとう!!」
「…ありがとう…ラビニア。」

「私、あなたさえよければ、仲良しになってあげてもよくってよ。」


(`ε´)「謝るんじゃなくて、そっち次第で仲良くしてやるという高飛車宣言…。どこまでもプライドの高いラビニア、恐るべし…。でも、セーラの答えは…」


「私、実を言うと、この学院に来た時から、あなたと仲良くしたいと思っていたのよ。」
 セーラはラビニアと握手するのでした。


(;^_^A「セーラ…ちょっと、お人好しすぎ…。」


 学院のみんなと「もろびとこぞりて」を合唱するセーラ。


(^_^;)「ミンチン院長…、調子よく指揮をしています。おまけにジェームスとモーリーはサンタ服を着て登場します。(調子こいてるジェームスとモーリーも懲らしめてやるべき!!)」

 
 そして、セーラからみんなに特大のクリスマスケーキがプレゼントされます。
 みんな大喜びします。

「セーラ、君へのクリスマスプレゼントも届いたようだよ。表へ行ってごらん。」
 クリスフォードに促されてセーラが表へ行ってみると、なんと、ピーターがポニーのジャンプを連れていました。

 ピーターから以前のことを聞いたクリスフォードが、探し出してくれたのでした。

 セーラは、久しぶりにピーターが御者をつとめる馬車に乗ってみることにします。以前は父ラルフが一緒でしたが、今日はクリスフォードが一緒でした。

 街を走る中、パン屋さんが見えてきます。
 セーラは思い出します。あの雨の日、ぶどうパンをこの店で買ったことを…。

 店に入っていくと、パン屋のおかみさんはセーラを覚えてくれていました。
 さらにセーラが驚いたのは、あの時の女の子が、この店で引き取られて働いていたことでした。

 あの時(第23話参照)のことがきっかけで、その子も幸せになれたことを知り、セーラは幸福な気持ちになるのでした。

 それから数日後、セーラはクリスフォードに連れられてインドへ渡ることになります。
 父ラルフの墓参りと、正式に遺産を相続するためでした。

 港には、ミンチン女子学院のみんなが見送りに来てくれます。
 そんな中、セーラはラビニアがもうすぐアメリカに帰ってしまうことを知ります。

「セーラ。おそらく、あなたとはもう会うことはないわね。」
「いいえ、きっと、またどこかで会えるわ。」
「ウフフ、きっと何十年かして、あなたがダイヤモンドプリンセスからダイヤモンドクイーンになった頃にね。でも、その頃は私はアメリカ大統領夫人になっているけど!!」


ヽ(;´Д`)ノ「…誰か、ラビニアを成敗してやって…。」


 セーラを乗せた船は、ミンチン院長たちが手を振って見送る中、インドへ向けて出航して行くのでした。

<完>