「世界史は病気が変えてきた」坂井建雄(廣済堂出版) | 乱読家ぽちんの独り言

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【『はじめに』より引用】

世界史は激動の連続です。それを動かしてきたのは、戦争や外交上の駆け引き、産業の盛衰、あるいは才能や強運を備えたヒーローたちの活躍と思われがちです。しかし、じつは病気もまた、文明の興亡を大きく左右してきました。

疫病の大流行をきっかけに衰退してしまった国は少なくありません。逆にその災をきっかけに、文明が次のステップへと進んでいったケースだってあります。

しかも、多数の病死者を出したパンデミックだけが、歴史に爪痕を刻んだわけではありません。大病を患ったのが仮にたった1人だったとしても、それが当時のキーマンであれば、その打撃には計り知れないものがあります。イギリスのチャーチル首相は重症の肺炎にかかりながら、抗菌薬のサルファ剤により一命を取り留めて、第二次世界大戦を連合国の勝利へと導きました。

【引用終わり】


●古代ギリシャ時代。スパルタに勝利をもたらしたのは、アテネを襲ったパンデミックだった。


●全盛期のローマを襲った全身が潰瘍だらけになる奇病は、ローマ帝国の滅亡の原因となった。


●古代ギリシャ・ローマの医学書は、イスラム社会で発展。十字軍がイスラムの医学書をヨーロッパに持ち帰る。


●宗教改革により、遺体へのタブーが解禁され、人体解剖が盛んに行われるようになり、医学が急速に進展した。


●西洋による大航海時代。スペイン、ポルトガルがアメリカ大陸にもたらした疫病は、先住民に広がり武器以上に征服を助けた。


●コレラは、元々はインドの風土病。ヨーロッパ各国がインドの植民地化を進める過程で世界中に拡散された。コレラの感染拡大を機に、ロンドンは上下水道の整備が進められ、パリは都市機能が拡充された。


●第一次世界大戦の死者数(1600万人)よりも、大戦後のスペイン風の死者数(2500万人以上)が上回る。



などなど、、、歴史の裏側には病気あり!



「世界史は病気が変えてきた」坂井建雄(廣済堂出版)

【4月9日読了】

【オススメ度★★★】