こんにちは看護師朝倉です
今回はビタミンDについてです
ビタミンDは骨の形成に関わるだけでなく、妊活にもとても重要な栄養素であると言われています
妊娠において半分男性に由来する受精卵を寛容するうえで免疫機構は重要となります
その免疫機能の制御にビタミンDが関わっているとわかってきています(婦人科産科No.12p1259)
ビタミンDを摂る方法として、食事からの摂取方法と日光紫外線にあたることにより皮膚から生成する2つの方法があります
ビタミンDは肝臓に運ばれ25(OH)Dに変換された後、細胞核内のビタミンD受容体に結合することで作用します
一般に血液中の25(OH)D濃度を測定することでビタミンDの指標としています
日本内分泌学会では、妊活に必要な血清25(OH)Dは30ng/ml(75mol/L)以上を十分量と定義しています
平成27年国民健康・栄養調査によると、日本人のビタミンDの平均摂取量は7.5μg(構成労働省摂取基準5.5μg)で目安を満たしており、日照に恵まれている日本では適度な太陽光の下で通常の生活をしている場合ビタミンDが不足することは少ないと考えられていました
しかし実際には、当院で25(OH)D検査をされたほとんどの方はビタミンDが不足している状態でした
不足しているなら食事とサプリでビタミンDを増やせば良いと思われますが、多くの人は必要ビタミンDの半分以上を日光紫外線に依存しているのが現状であるため食事と日光紫外線の両方からの摂取が必要であると言われています(環境省紫外線保険マニュアル2020)
若年女性のほとんどが日焼けの観点から太陽光を避け、強い日焼け止めクリームを使用しているため日光紫外線によるビタミンD合成は少ないようです(高齢不妊ハンドブックP234)
ビタミンD摂取の仕方
食事から摂取
ビタミンDは穀類と野菜に含まれておらず、肉類にもほとんど含まれていません
主に魚とキノコ類に含まれています
食材を天日干しするとビタミンDが多く含まれます
ビタミンDを多含む食材として(100gあたり)
キクラゲ 85㎍
しらす干し 61㎍
マイワシ(丸干し) 50㎍
塩鮭 23㎍
干し椎茸 17㎍
効率の良い食べ方:ビタミンDは脂溶性のためそれ自体に脂質を含んでいる動物性食品からとると吸収率が上がります
キノコ類などの植物性食品は、炒め物や揚げ物など油を使う調理方法にすると吸収率が上がります(きちんとわかる栄養学P92)
日光紫外線から摂取
日本ビタミン学会によると、1日夏場で30分程度冬場でも1時間程度の日照で充分な効果が得られるようです
日焼け止めについて、ビタミンDを作る紫外線の波長は日焼けをする紫外線の波長とほぼ同じでSPF30の日焼け止めをしていると皮下でのビタミンD産生は5%以下に落ちてしまうという結果があるようです
しかし、春から夏場は皮膚癌予防のため日焼け止めを推奨していることもあり日焼け止めは適度に使用する程度が良いです(環境省紫外線環境保健マニュアル2020)