ウクライナ春分(キーウ)

 

3月20日 23時25分 -2:00 50N26 030E31 ASC=26蠍座53 MC=19乙女座01

 

ロシア春分(モスクワ)

 

3月21日 00時25分 -3:00 55N45 037E35 ASC=27蠍座39 MC=26乙女座42

 

ASCはほぼ同位置、MCは7度違います。

 

先週の記事で私は「今年の春分図の最大の表示は世界共通の太陽/月=海王星(直接)である」と書きました。そして、今年のロシア春分図の海王星が 合 IC であることを見れば海王星の意味の多くはロシア発では? と容易に連想できます。ウクライナとロシアのチャートの違いはMCの度数差にあるといえます。

 

ロシア 火星(ASCルーラー)/海王星=IC(0度09差)

 

これは明らかにロシア国民の生活にとってマイナスです。パワーが方向を失う、あるいは消耗するといった意味で、私は今年ロシア経済はさらに厳しくなり破産状態の人々が増加すると見ています。それは、2Hカスプの「山羊座0度34」(基本的ニュアンスは財政の試練)からも想像できることです。

 

ウクライナの春分図では IC 合 月 ですが、これは、IC・月/太陽=海王星にもなった、ということでもありますからロシアと比べて海王星の意味が弱くなったわけではありません。それでも、魚座の月がIC(4Hカスプ)に重なっているという独立したニュアンスが生じます。ASC=IC・月/金星も成立しています。

 

ただ、ウクライナの春分図で少し不安なのがDSC(26牡牛座53)が恒星・アルゴル(26牡牛座29)と合していることです(恒星は完全に止まっているわけではありません。歳差運動により1年で0度00分50秒ほど移動します。50年前1973年3月20日では25牡牛座47でした。私が恒星アルゴルを個人の判断に用いることは基本的にありませんが、マンディーン占星術では特異な不運点と感じられる事例をいくつも見てきました。”普通”じゃないのです。

 

ウクライナの春分図ではDSCとの誤差が0度24ありますからそれほど心配していませんが、もしこれが真正(0度10未満)の誤差であったなら私は「核被害」を想定しなくてはならなかったでしょう。

 

プーチンのP(プログレス)を見ると、2024年のクリスマスに、P太陽 合 N火星となります。一方、ゼレンスキー大統領は2024年夏、P・ASC 合 N火星となります。これはどういうことなのでしょうか? その見通しを立てるためにはさらなる調査が必要です。またいつか書こうと思います。

 

 

脳科学者・中野信子氏がテレビで言いにくいことですけどと断った上で「戦争はどちらかだけが悪いわけじゃないと思う」と発言し批判が多く来たらしいですね。私は中野氏の著書も買いましたし、中野氏が優れた頭脳の持ち主であることも知っていますが「正論」は時と場を選ばなくてはなりません。中野氏が戦争で国を追われ、子供を殺されて、その上であの発言をしたとしたらある意味立派と言えます。ただし立派とは言えても親愛の情は沸きませんが。戦争は理屈以前にまず「侵略され殺される側の気持ち」に立ってみなくてはなりません。それは「感情的な行為」ではありません。それを感情的行為であるかのように触れず、国際政治の地政学に立って理屈を言っている評論家・学者こそ「人間がわかっていない」のです。