今日は星座(サイン)について少し書いてみます

 

星座は感受点の背後にある「性質のタイプ」を規定するものとして興味深く、重要でもあります。なぜなら私たち人間は星座のタイプを人生で「形にしよう」とするからです。

 

星座を考える上では常にスリーホールド(運動、定着、変通)とエレメンツ(火 地 風 水)を念頭に置いておかなくてはなりません。また、対抗星座(反対側の星座)との比較が良いヒントになります。

 

師・門馬の「西洋占星術」(光文社)では「天秤座は刺殺される恐れがある」「蠍座の男性は美女と結婚できない」「乙女座は妾(めかけ)を持つと苦労する」などの「絵」があります。いずれも不適切な言葉ですが、対抗星座を脅威と見る”大人の遊び絵”であることは言うまでもありません。対抗星座はスリーホールドと男性女性サインの区別で共通していて相性関係では新鮮な魅力を感じあえることもあり、決して「脅威」ではないのです。

 

それでは各星座について私の感触を少々書いておきます。

 

牡羊座

 

おそらく、この星座を突く動かすものは勝利の獲得と、自身が第一人者たらんとする衝動です。そこにストレートに突き進むため結果として「人の心の問題」を軽んじることになります。「言いたいことがあったら言えばいい」という態度です。私の父(ASC牡羊座)は星座を絵にかいたような自己中心的な人間で少年の私に「喧嘩のやり方」を教えました。その息子たる私は牡羊座に太陽を持ち、株や将棋、競馬などで「戦い」続けました。牡羊座の男性にとって価値あるものとは、例えれば、戦時における名誉勲章です。

 

牡羊座は基本的に単純ですが、よく言えば、簡明、率直です。私はたくさんの「爽やかで気持ちのいい牡羊座の女性」を見てきました。彼女たちは自分の好きな方向に対する迷いがありません。

 

牡牛座

 

牡牛座を動かすものは自衛本能、求めるものは安全の確保経済の保証です。それはパートナーの浮気を許さないことにもつながります。ふっくらとした姿、どこか愛嬌があり、庶民的で、安心できるような雰囲気があります。男性は年長女性に可愛がられる傾向を持っています。本質的に頑固で怒ると「なだめる」ことに苦労しますが、牡牛座は安心を与えられれば愛情にとても忠実な人となります、難しいことは言いませんし、特別な贅沢も求めない「安心して一緒に歩いていける人」になるのです。

 

牡牛座を「お金が第一の人」と評するのはやや表面的な見方です。牡牛座にとっては「生活の維持」が何より重要なのです。子供の空腹を満たすために牡牛座の女性は重労働にも耐え抜くのです。

 

双子座

 

門馬はこの星座を「エスキモーに氷を売ることができるかもしれない」と書いています。臨機応変の才がこの星座の最大の能力です。この星座は嫌いな人間に対して微笑みかけることができます(山羊座はそれができません)。それは現実の知恵なのです。その知恵を発動するために彼はあらゆる情報を集め「他人を出し抜く」ことさえします。それは子供時代におけるゲームの快感に象徴的に出るものです。囲碁の巨頭、井山裕太、趙治勲が共に太陽が双子座。あるプロが趙治勲の碁を「いたずらっ子のような手を打つんですよね」と笑っていました。双子座のルーラー水星は「少年」の象徴。双子座は若々しいのです。ジョークも上手い。ただし、双子座の夫を持つと、妻は他の星座より余分に浮気を警戒しなくてはなりません。楽しく、決して相手を退屈させない双子座ですが、そのへんも「柔軟」なのです。

 

ウクライナ大統領・ゼレンスキーがASCが双子座です。彼は世界中にメッセージを送り、西側首脳と盛んにコンタクトを取っています。それが「双子座の外交」なのです。

 

蟹座 

 

防衛本能がこの星座の最大の特質です。牡牛座と似ていますが、蟹座の防衛は特に家族・親族を守ることに向けられます。それゆえ母、母性愛を象徴する星座となります。そこに社会的名誉などが入る余地はありません。愛するものたちを守るために蟹座は「備え」、必要なら戦いも辞しません。牡牛座が「お金を貯める」というイメージなのに対して蟹座は「食料、水、衣服を備蓄する」というイメージです。現代社会ではお金を貯めれば済むことですが、このような象徴としてのイメージが大事なのです。蟹座の女性が「手作りしたもの」を人の手に渡すときが彼女の最も幸福な瞬間です。蟹座のシンボルは「囲まれたもの」をシンボリズムしていて、胃や子宮などを指します。「墓」も蟹座の象徴です。蟹座は先祖が眠っている墓をどの星座よりも大事にします。

 

この星座の弱点は情緒が豊かなゆえの不安定性にあるといえるでしょうか。ルーラー月は日々姿を変えていく唯一の天体です。

 

獅子座

 

獅子座を見ていると、めいっぱい人生を楽しもうとしている ように見えます。獅子座の俳優たちに見られるあの徹底した娯楽性は、理屈なんてどうでもいい、楽しけりゃいいんだと、と言わんばかりです。その意味では牡羊座同様に単純といえますが、「単純の良さ」というものがあります。私の娘はASC獅子座で落ち込むということがまずありません。基本的にいつも元気です。そのことが子供たちにとって、私にとっても、どれほどの恩恵になっていることか。

 

近頃はトランプ前大統領が獅子座のイメージを若干傷つけたように感じるのですが、獅子座はアクティブです。私の娘は若いころ何度も海外一人旅をしました。9Hに牡羊座の月があるので当然とも言えますが、恋人A子の姉がやはり牡羊座の月が9Hで、こちらはASCが乙女座で彼女は熱心なクリスチャンでした。やはり獅子座だと思いますね。世界遺産マチュ・ピチュの映像を見て「テレビで見ているほうが楽チンでいいな」と私。娘「おと~さん、何いってるの、実際に行くから楽しいんじゃない。実際に行ってみなくちゃわからないことがいっぱいあるんじゃない」と。ご説ごもっともで。

 

乙女座

 

静かで神経が繊細というイメージですが、乙女座の中心線は社会システムへの貢献にあります。そこには物欲も名誉欲もありません。貢献が認められ、それに釣りあう評価が与えられれば十分に満足します。正確に処理しようとします。そのことが社会において大切だということをどの星座よりも認識しているのです。ですから、ルールを守らない人間を許せません。女優・安達祐実さんがルールを守らない運転手に激怒していたという井戸田潤さんの証言がありましたね。

 

乙女座は批判的とも言われますが、私がもっと重要と思う点は乙女座が決して楽観しない、できない星座であるということです。楽観しないことは長所といえますが、楽観「できない」ことはときに乙女座自身に負荷をかけます。この点が射手座とは全く違う点です。射手座はどこか現実ではないところを見ているような雰囲気があり、現実に対しては「なんとかなるだろう」と楽観しています。乙女座は目の前の現実を見ています。優秀な行政官、医師、看護師、秘書などが乙女座から生まれます。

 

天秤座

 

先日配信した”歌姫”東亜樹さんの5才ころの泣いている映像(ほほえましい映像です)で、泣いている亜樹ちゃんにお父さんがワケを聞いたところ彼女は泣きながらワケを言いました。その時のお父様の「こうして泣いていてもワケを聞くといつも話してくれました」とう言葉が衝撃的でした。衝撃的とはオーバーな表現ですが、ほんとうにビックリしたのです。「そうだよね! 風象サインだものね」と。

 

双子座、天秤座、水瓶座は「風象サイン」ですが、私が習った明暗塾のテキストには同時に、風象星座=発声サイン と記されていたのです。つまり、風象サインとは発声=「言葉・言語の星座」なのです。言葉は人類だけがもつ高度な機能ですから、その意味では風象星座が最も現代的で知的な星座といえます。また、「美人」は天秤座が最大の”産地”です。

 

天秤座の本義はバランスをとることにあります。それゆえ優柔不断などと言われますが天秤座の公平さの感覚は法における正義のシンボルにもなっていて、人と人との公平な関係であるべき結婚の象徴にもなっています。天秤座は「パートナーシップの星座」です。ルーラー金星は「平和」のシンボルですが、平和が脅かされるとき天秤座は強硬な戦士にもなります。

 

私の父は私たち妻子と別居中、それまで愛人だった女性と同居しましたが、ある日「(彼女が)針仕事ができないんだ」と私たちの前で言いました。愛人はおそらく間違いなく天秤座です。非常な美人で十分に男として楽しんできたはずなのに、その上に針仕事までさせようとは! 門馬「西洋占星術」では「天秤座の女性は夫をこき使う」と絵にあります。こき使うのではありません。天秤座の女性は皿洗いなどの家事全般が本質的に苦手なのです。世の男性たちは天秤座女性の扱い方に注意しなくてはなりません。天秤座の女性は原理的に「最も素敵な女性」なのです。

 

蠍座

 

蠍座というと、エッチでお酒好きというイメージがあるようです。蠍座にお酒好きが多いのはおそらく事実だろうと思います。ただ、蠍座の男性を特に好色などと見るのはどうでしょうか。寂聴さんが言っていたように「男はみんな助平」なのです。蠍座が違うのは「情念の深さ」です。射手座などはエッチしたあとはあっさりとしたものです。しかし、蠍座は違います。情念が長く持続します。それゆえパートナーの浮気には気が狂わんばかりになります。蠍座は良くも悪くも人間的です。何人かの蠍座の男優、「大草原の小さな家」のマイケル・ランドン、米俳優チャールズ・ブロンソン、時代劇の中村錦之助などは私の目には非常に人間味あふれる演技です。人間性が「にじみ出ている」ように映ります。蠍座の女性も情念が深いように感じます。

 

蠍座は別名「沈黙のサイン」。ただ、私が習ったテキストでは3つの水象星座すべてが「沈黙のサイン」と括られています。発声サインである風象星座とは対を成す概念です。

 

蠍座の方には「鼻(はな)」の調子が良くない方が他の星座より多いような気がします。

 

射手座

 

私、工藤は月が射手座ですから、射手座についてはいろいろと実感があります。私の月は11H(同志関係)にあり、占星術の学びの場「明暗塾」を指しています。そこでは占星術という「理念を伴った特殊な学び」が行われました。これを私は双子座の日常知識に対する高次の学問と見ました。射手座はルーラー木星で定位置が9Hですから「海外、医学、法律、大学、占星術を含む全ての専門知識」という意味の「含み」があります。また、倫理、哲学、理念といった含みもあります。ただし、射手座の全ての方が倫理的で理念的であるはずもなく、私のかつての上司は乙女座ー射手座のパターンで非常に落ち着きのない人物でした。しかし、全く悪気というものがなく子供のようなところがありました。

 

射手座の大きな特質は楽観性と、そこからくる無頓着、不用心です。家の中は片付かず、経済事情が切迫しているときも、どこか「なんとかなるさ」と考えるような「のんきさ」があるのです。この呑気さは対抗星座である双子座にはありません。双子座は「現実に素早く対処」します。そのほうがずっと利口で、トクだと知っているのです。

 

射手座は12星座中「最も若く見られる星座」です。ASCが射手座なら10才くらい若く見られることも少なくありません。性質は自由奔放でほとんど何のこだわりも持っていません。

 

山羊座

 

この星座はルーラーが土星ですから理念的には「最も試練を体験しやすい星座」ということになるのかもしれませんが「そういわれるほどではない」というのが私の観察です。私の元妻はASCが山羊座、恋人A子は太陽が山羊座、恋人B子も太陽が山羊座でした。で「山羊座の女性ってどうなの?」と聞かれると困るのです、なぜなら私が彼女らから感じた山羊座的な要素は「真面目」で、激しく感情を表すことがほとんどなかった、というこくらいです。その点は私も同じですから、山羊座の特質は感情の抑制にあるのだと思うのです。その背後には、親、社会、自分より権力を持った人々、あるいは「運命」というものに対する「静かに従う気分、本能」のようなものがあるように思います。

 

水瓶座

 

最も近未来的星座といえます。人工頭脳(AI)は明らかにこの星座の象徴であり急速に拡大しているのですから人類全体が「水瓶座の世界」に進んでいるともいえます。この星座の最大の特質は合理性であり。結果として情緒と感情を排斥する方向に進みます。ただ、水瓶座は風象星座で「発声サイン」ですから社会的合議に基づいて情緒と感情の問題を処理しようとします。

 

水瓶座は他人の悩みや愚痴を聞く耳を持っています。しかし、感情移入して一緒に泣くことはありません。水瓶座の頭脳は「問題の核心」を知ることに向けられます。そして「社会における共通の場」を構築しようとします。ゆえに「友情と団結」の11Hが定位置なのです。頑固でときに反社会的にもなりやすい傾向を持ち、個人主義者のようにも見えますが実は非常に「社会的」です。水瓶座が社会改革の運動を始めると「水を得た魚」のようになります。

 

魚座

 

自他の一体化、これが魚座の核心に流れる潮流です。この星座については荒木俊馬氏の「西洋占星術」の記述が簡明です。

 

「彼が商売などをやれば、失敗せずともよいときに、しばしば思わぬ失敗をする。しかし、彼が奉仕、愛情、理解を必要とする商売気を離れた地位を見出すならば、彼は大いに自分の力を伸ばし、深い満足にまで到達する。これが彼の一身上の成功であり、しかも、彼にとって真の成功なのである」

 

魚座は二匹の魚がつながった形をシンボルとしています。魚座は最も「人の痛み」を感受する能力を持っています。しかし、自己コントロール能力に問題があり、判断の領域で合理的処理をすることが難しくなります。結果として他人に騙されたり、借金の催促ができないなどの弱さを露呈することがあります。ただ、魚座の情愛というものは素晴らしいものがあります。魚座は蟹座の家族的愛情観にも、蠍座の狂おしい嫉妬にもこだわることなく、「ありのまま」人を受け入れようとします。これは特筆すべき人間の営みです。

 

 

以上、ざっと思いつくままに書いてみました。星座の特色というものは何よりも実例で感じることが勉強になります。私は星座の特色をある人物に感じたとき嬉しくなります。占星術の楽しさの基本がそれですね。