ある日、ネットで遊んでいたところ偶然に見た記事に目を奪われました。アメリカのソウル・ゴスペル歌手が銃で撃たれ33才の生涯を終えたという記事でした。その後、撃たれたあとのリアルな写真も見ました。私の検証を駆り立てたものは彼の歌っている顔写真の実に爽やかな明るい印象でした。

 

「こんな青年がなぜ?」

 

彼の名は、サム・クック(Sam CooKe)

 

1931年1月22日、14時10分、ミシシッピ州クラークスゲイル(34N12 090W34) +6:00 ASC=20双子座49

 

死亡 1964年12月11日 銃撃 33才

 

若く才能あふれるクックは将来を嘱望されるシンガーでした。この日、したたかに酔った彼は女性をモーテルに引き入れましたが、シャワーを浴びているとき女性は彼の衣服を持って(追いかけられないように)逃げてしまった。激高した彼は管理人室に怒鳴り込み、身の危険を感じた管理人女性が発砲した ―― 。そう伝えられています。

 

それが事実なら、お粗末な人生の終わり方といえます。

 

彼のシンガーとしての成功は10H魚座の月と2Hの木星と冥王星との△、金星~火星~天王星のGトライン(大三角)、MC=木星/冥王星などに明白に表示されています。

 

しかし

 

MC=土星(8H)=天王星/冥王星が致命的でした。

 

土星は”本来のサイン”山羊座にあって8ハウスにあり、ここに天王星/冥王星が=しているだけでも脅威なのですが、ここにMCが=してはとても問題になります。ASC/MC=太陽/冥王星(軸が一致)も成立していますから、「短命」は明らかに時刻(ASC、MC)が表示者になることがわかります。

 

1964年12月11日のP(プログレス)を見ますと、P冥王星がP・ASCに接近し、P土星がP・DSCに接近し、冥王星と土星は1度差の衝(180度)。そして

 

P・ASC/P冥王星=P土星(00接近05)

 

これ以上ないほどの「死の示唆」です。その他にもこのPチャートにはいくつもの注意信号が存在しています。

 

ついでに、新月とのコンポも見てみました。

 

新月 1964年12月3日、19時18分(11射手座55)

 

面白いといっては彼に申し訳ないのですが、このコンポジットチャートで月と土星が8Hに入っていることは自然ですが、私が面白いと感じるのは、3H獅子座にある冥王星と火星です。

 

3ハウスは「交通と移動のハウス」で、「外出」のハウスでもあります。彼はお酒を楽しんだ後、女性を「別なところで飲み直そう」と誘い自分の車でモーテルへ。女性は驚いたようです。つまり、獅子座=「遊び」、3H=「移動」が災いになった。そうした形です。そして結果は、冥王星/火星=太陽(7H)

 

ASC 45度 冥王星もあります。

 

 

「サム、はめを外しすぎたんだよ」

 

これが彼に対する鎮魂の言葉になるでしょうか。