幼い頃から場面緘黙症で、家族以外の人と話せなかった私。

 

幼稚園から短大まで、園や学校では一言も声を発することができませんでした。

 

転校も多かったため(小1から中1までの間に4回)、友達もなかなかできず、陰湿ないじめに遭ったこともありました。

 

先生や親にも理解してもらえず、「どうして喋らないの?家で喋れるんだから学校でも喋れるでしょ!」と何度も何度も怒られました。

 

そのたびに、「私だって本当は話したいのに…」と思いながら、悲しくて悔しくて、一人で泣いていました。

 

そのうえ、私が幼い頃から両親は仲が悪く、喧嘩をしているか全く口をきかないか、常にそのどちらかという状態でした。

 

学校へ行けば話さないことで怒られ、家へ帰れば両親は喧嘩ばかり…

 

心の休まる時がありませんでした。

 

中学生の時、あまりにも辛くて、生まれて初めて「死んでしまいたい」という気持ちになりました。

 

その後、何度もマンションの屋上や駅のホームに行ってみたり、首を吊ろうとしたりしたものの、最後の一歩がどうしても踏み出せず、今日に至っています。

 

今も、いろいろあって、死にたい気持ちが高まっているのですが、やはり、どうしても行動に移すことができません。

 

こんなに苦しいのに、本当は早く死んで楽になりたいのに…

 

 

実は、私が自殺をためらってしまうのには理由があるのです。

 

 

昔の同級生で、今でも年賀状のやり取りをしてくれている人が一人だけいます。

 

高校・短大と一緒だったEさんです。

 

Eさんは、短大時代、こんな私と交換日記をしてくれていました。

 

ある日、私が交換日記に「死んでしまいたい」と書いたら、Eさんがこんな話をしてくれました。

 

Eさんは、中学時代にも私と同じように学校で一言も話せない人(今思えば場面緘黙症)と仲良くしていたそうです。

 

その人は、周囲のサポートもあって、中学を卒業する頃には少し話せるようになり、表情もだいぶ明るくなったのだとか。

 

Eさんも、高校は別々になってしまうけど、彼女ならきっと大丈夫と思っていたそうです。

 

ところが、高校に入ってわずか3か月後に、彼女は自ら命を絶ってしまったそうです。

 

その話を聞いて、そういえば、ちょうどその頃、市内の女子高校生が、東名高速の橋の上から飛び降りて亡くなったというニュースがあったことを思い出しました。

 

でも、まさかその人がEさんの友達で、しかも私と同じ場面緘黙症の人だったとは知らなかったので、びっくりしてしまいました。

 

Eさんの話では、彼女は高校に入ってまもなくいじめに遭い、不登校になっていたのだそうです。

 

Eさんの日記の最後にはこう書かれていました。

 

「○○(私の名前)さんの辛い気持ちはよくわかるよ。でも、自殺だけは絶対にしないで。大切な友達を2人も失いたくないから。○○さんには彼女の分まで強く生きていってほしいな。私でよければ力になるからなんでも言ってね」

 

 

あれから数十年経ちましたが、今でも自殺を考えるたびに、Eさんのこの言葉が私の頭に浮かんでくるのです。