10月10日（日）に、「せんとくん 平城京 1日電車乗車券」を活用し、平城遷都1300年祭 http://www.1300.jp の奈良に行ってきました。これは、JRや私鉄など各社局線の指定発射区間＋近鉄電車（会場の沿線）乗り換え（接続）駅、そして近鉄電車フリー区間（1日乗降自由）の間を1往復できるという、平城宮跡会場へのきっぷです。
会場は広く、見所が点在しています。そしてイベントや体験館などもあり、じっくり楽しむならば1日が必要ですが、第一次大極殿、第二次大極殿、遺構展示館、体験楽習広場、東院庭園広場、朱雀門広場など主要な見学箇所を足早に回りました。（といっても2時間程かかりました）。
第一次大極殿から前庭・南門広場を見ると、テレビなどでその国の首脳が広場に集まっている国民を見ている光景を思い出しました。実際、当時は、外国からの来客時などで皇帝・日本国の権力を見せるために使ったわけで、通常は別のところで公務をされていたそうです。
せっかくですので、昼食後、近鉄電車のフリーパス区間が最寄り駅である、薬師寺 http://www/nara-yakushiji.com と唐招提寺 http://www.toshodaiji.jp にも行きました。同じくフリーパス期間の奈良駅が最寄り駅である東大寺や奈良公園という選択肢もありましたが、行ったことがありましたので、今まで行ったことが無かった薬師寺と唐招提寺にしました。
両方ともタイプは異なりますが風情があります。特に唐招提寺は、色使いは地味ですが、風情があり、敷地内の自然が素敵で、心がなごみます。
自国の歴史・文化を堪能した一日でしたが、今回利用した「せんとくん」のきっぷは、日本的なマーケティングの要素も入っているのでないかと思いました。
1）1300年祭を、企業や団体の協力を得て、新たに会場を作って取り組んでいる
会場は新たに作られたのは明白でした。主要駅と会場間を無料シャトルバスが行き来していました。会場案内マップやシャトルバス内の広告では、協力企業・団体が紹介されていました。海外ならば、このような歴史・文化的なお祭りで、新たに会場を建設するかなと、ふと思いました。おそらく、地域経済の活性化と知名度向上には、これだけの投資もペイすると、奈良市は判断したのでしょう。
2）イメージキャラクターを造って、大々的に訴求している
平城遷都の遷都から「せんとくん」と名づけたキャラクターは、パンフ等に登場するだけでなく、私の最寄り駅（京阪沿線）には人形があり、その横に上記きっぷの案内パンフが置かれていました。
せんとくんのビジュアルも、奈良を連想させる要素（鹿の角、お坊さん・菩薩さんなど）を上手く組み合わせて、かわいらしいものに仕上げているなと感心します。この類のお祭りで、ディズニー以外このようにイメージキャラクターを創造してプロモーションを行うのは、海外ではあまり無いのではないかと思います。
3）公的交通手段の各社が連携したフリーパスで、来場者がアクセスし易いように配慮している
電車が発達して日本では、各社が独自で行うフリーパスは珍しくありませんが、これも海外ではあまり見られないのではないかと思います。そして今回は、これだけ多くの各社が連携して上記きっぷを開発し商品化したわけです。
おまけに、最寄の駅の指定の飲食店・喫茶店などで利用できる、共通優待券までついてきました。これを活用し、昼食は10％割引の恩恵を、そしてお茶では飲み物を50円引きという恩恵を受けました。
各店が独自でディスカウントするのは世界中では珍しくないでしょうが、このようなシステムは稀かもしれないと思います。
身近なお祭り・イベントで、このようにマーケティングやビジネスで非常に参考になるケースがあるのですね。