春過ぎて 夏来にけらし 今もう秋!
ごきげんよう親愛なる貴方様。
季刊とは(哲学)とお思いでしょう?
……………私も。
どうかご寛恕くださいな💦
けれど文月ですから、満を持して(←自己弁護)お便り申し上げます。
今年は秋が来るのが早かったですね。
8月の下旬にはもう気配があって、
夏女を自称しています私はいつも“夏が終わる”ということに対して
尋常じゃないくらい哀切があるのですが、
今年はあまりに早かったので「あっもう?マ?」みたいに
逆にメランコリックにはならずに済んでしまい、
随分呆気なく、涼しい季節を元気に過ごしております。
「芸術の秋」とは申しますが、
私のバイオリズムでは読書や映画をたくさん見る気持ちになるのは真夏のことが多いです。
清少納言さんと同意見です。「夏は夜」と思います。
22時くらいから500mlの缶ビール片手に本を開いて、0時頃一旦我にかえりエアコンを止め窓を開け、ぬるい風に当たりながらなお没頭してしまい、気付けば美しい藍色とすみれ色の明けの空…
と言う世界一豊かな過ごし方を夏は時々しています。
缶ビールがないだけで中学生くらいからこんなです。
最近は日本の近代文学に手をつけ始めました。
亡くなった最愛の祖父の蔵書で「日本文学全集」(新潮社)と言う古い本が家に眠っておりまして、
50巻くらいかな、あるのですけれど。これを読破すべく。
見て見て。
本好きのかたはこのたまらなさきっと共有出来るはず…!
この装丁だけでぶちアガるくない?
これがずらーっと50巻くらいあるの見つけたとき「き゜ゃ!」みたいな声でたー。
前にもどこかでお話ししたことあるかと思うのですが
私いただいてみたいプレゼントが「美女と野獣」のお城の図書館なのね…
なので、こういうのは本当にときめく。
おじいさま有り難く読ませていただきますってお仏壇に小走りで報告しに行きました。
それから、今年は久々に金ローに私の一番好きな映画「STAND BY ME」が登場して嬉しかったです。
リアタイ出来なかったのですが、
家に円盤があって、人生の中で繰り返しもう100回は観ているので台詞もサントラもぜんぶ暗唱出来るわ、と思いつつ、
観ちゃうよねぇ( *´艸`)
ミュージカルとかの、作り込まれ演出もセットも衣装も音楽もダンスも!みたいな
盛りに盛った映画はもちろん大好きなのですが、
こういうシンプルで特に地球救ったりしない映画が好きです。
観終わるといつも必ず静謐な心持ちになり、それが心地よいです。
芸術方面は後は、先日能の「鉄輪」を題材にした朗読劇を観て参りました。
女の悋気は怖いもの。
女の身ですから本当わかる。
それから宮部みゆきさんがどれか時代物で「悋気は人を走らせるものらしい」と
お書きになっていらっしゃったのを思い出しました。
貴船神社まで毎夜通わざるを得ぬ程に、身の内にはとても留めておけぬ激しい、暗い衝動が痛々しい。
余談ですけれど、この日どうしてものどが渇いて
あまり良くないと思いつつ久々に外でお茶をいただいたのですけれど。
サロンでかかっていた音楽が「蝶々夫人」だったの。
なるほど今日はもうこういう日なのねって思った(笑)
ピンカートンはオペラに出てくるだめ男の中でもワースト1くらいに嫌いよ(#・`ω・´)ヽ(#゚Д゚)ノ
ところでブログタイトルのお話を致します。
8月の終わりにとても素晴らしい作品を観ました。
それに感化されて、久々に疼くくらい衝動が来て、どうしようもなくて
あわててスタジオに行って踊った日があって。
その時に一曲と少し振付が出来たので、折角だから動画撮っておこうと思って。
カメラ回しっぱなしだったので準備とかまで写っていて、
その中からちょっとドガっぽく写ってて気に入っちゃったやつ載せさせて下さい。
あと同日のレッスン風景と言うか、スタジオで撮ったものから
いくつか映りの良いお写真を見繕ってHPに載せました。
宜しかったら併せてご覧下さい。
and more→Meg-dance,sing,act/Portrait-gallery へ
コロナは収束しないし、
それなのに一部の人々は集まって騒いでしまうし、
本当にままならない時世できっと皆様お疲れでしょう。
どうか生きて。お体お心おいとい下さい。
私は前回のブログに記した通りの信条から、不要不急の舞台活動を自粛し続けます。
これは身を切る思いですが、どう考えても「人が移動しない、集まらない」以上のコロナ滅殺方法が思い付かないから。
コロナの様な性質のウイルスの嫌なところは、指向性のないところじゃない?
“自己責任”が成立しないと言うか。
自分は良いと思ってした外出でも、その後ウイルスが巡り巡って自分の大切な人に行ってしまってそのせいで死んでしまったりずっと続く重い後遺症に苦しめられたりするというのが起こり得てしまう。
街ですれ違う知らない人だって誰かの大切な人だからね。
もう本当全員が自分自身と同等にお互いを思い遣らなきゃいけないとかいう無理ゲー。
そんな優しい世界幼稚園の頃ですら見たことないけど、
これが出来なければ愛する人も失うかもしれないなら頑張る以外選択肢ない。
私は私自身もだし、何よりも、私の大切な貴方様にそんな思いしてほしくないから
今は「公演に来て」って言えません。
公共交通機関でお越し下さいの文言が案内にある以上、
稽古場と劇場内の対策は万全に出来ても、それはトータルでは不十分と言うことだから。
早く観たいよって伝えてくださる貴方様。
すごく嬉しいです。ありがとう。
ごめんね。苦しいね。
待っててね。絶対会おうね。
2021.9.21.
中秋の名月の晩に
吉田 愛


