・焼きするめ食むために乗るストーブ列車(雪の青森紀行4) | 80代。マダムクニコの人生ブラボー!

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コピーライター歴30年以上。
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70代で、仕事を娘に譲り、今は
のんびり余生を楽しんでいます。
日記のブログは初めてですが、映画や旅、グルメ、俳句、芸術、読書など、自分史の積もりでいろいろ書いていきます。
























(雪の青森紀行4)

青森が好きで、何度も訪れているが、冬は初めてだ。
冬らしい楽しみ方をしなくては!

3日目は、交通不便な津軽鉄道のストーブ列車に乗り、焼きするめと地吹雪体験をした。

青森駅から奥羽線で川部駅へ。
川部駅から五能線で、五所川原駅へ。
津軽鉄道で金木駅まで、ストーブ列車に乗る。

ストーブ列車は1日3本しか出ないので、時間を合わせるのが大変だ。

ここは奥津軽なので、吹雪が多い。
幸いというか、今冬初の大雪に見舞われた。
余りにも寒いので、駅のだるまストーブで体を温める。
ローカル列車なので、客同士が知り合いばかりのよう。おしゃべりが弾んでいる。

いよいよストーブ列車に乗り込む。
すかさずスルメ売りが、回ってくる。
1枚800円。
買わない人はほとんどいない。

車掌が順番に、だるまストーブに載せて焼いてくれる。
香ばしい匂いが、車輌全体に漂う。

実にいい焼き加減だ。
甘みがあり、奥深い味。
噛むとじわじわ…。

僅か25分間の乗車で、堪能できた。

外は大雪。
ホワイトアウト。
地吹雪のラッシュだ。
窓の隙間から寒気が入り込む。
ストーブの近くに移動する。

金木駅で下車した。
帰りもストーブ列車に乗るには、1時間しかない。
必死で雪道を、太宰治の生家「斜陽館」まで歩く。

春に訪れた時も、静寂な佇まいだったが、一層深みのある雰囲気で迎えてくれた。

暖房なし、ガイドなし、音もなし。
太宰の遺品の数々と、彼のいた空間、重文の建物などをなぞり、いい時間を過ごせた。

帰途のストーブ列車は、流石にするめの販売はなかった。
しかし、ストーブがあるだけで、気分が高揚する。
するめの匂いも染み付いている。

五所川原駅近辺で、そばを食べ、青森駅まで路線バスで向かう。

吹雪なので、欠航かも?
不安になりケータイを見たら、案の定飛ばないメール。

取り消しの手続きをして、新青森駅から新幹線で帰る。
海鮮丼と地酒、つまみなどを買い込み東京まで3時間。

さらに名古屋まで2時間弱。
マイレージは返還されるが、JR代2人で50000円は、予想外の失費だった。

帰宅後に聞いた話。
東北に実家のある人は、冬は新幹線を利用するとか。
早く聞いておくべきだった。

まず駅のストーブ囲むローカル線

ストーブ列車ホワイトアウトで盛り上がる。

地吹雪や三百六十度の白き闇

広土間は太宰の遊び場底冷えす

衣紋掛の太宰のマント羽織るかな

幼なき日の太宰の痕跡冬館

しんしんと雪の音のみ斜陽館

斜陽館ストーブもガイドも音もなし

欠航や冬は新幹線が正解か