「医療」は本当に


国にとっての負債であり


足かせであり、


切り捨てるものなのでしょうか?




人は老い、病に倒れます。


いつかは人間は誰しも


死を迎えることになります。





それを安心して迎えることが出来る、


現在のように75歳以上の高齢者は


まるで「長生きしたのが罪」


で、国は


「罰を与える」ように


医療アクセスの抑制、


新たに医療費の年金天引きを


開始します。





でも、


このような「医療費削減」政策は


多くの国の方向とは逆行しており、


極端な高齢化とあわせて、


日本は世界中の誰も経験したことのなり


「落ちたらまっさかさま」の


”セーフティーネットはずし”


を画策しています。






医療が根本的に「国を豊かにする」


そんな力はないのでしょうか?




福祉国家として立国することは


決して難しいことではなく、


逆にEUの多くの先例がある


「医療立国」という考えを


身につけることはできないのでしょうか?






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「医療費増額が医を荒廃から救う」

更新:2008/01/15   キャリアブレイン
http://www.cabrain.net/news/article/newsId/13984.html;jsessionid=39E29826E0AB1F77A3F7838BD114991A


 〝医療費亡国論〟の呪縛から脱却して「医療による立国へ」-。医療が経済にもたらす波及効果や雇用創出効果は大きく、EU(欧州連合)のように医療の多様な分野に積極的に投資することが経済の活性化につながり、国を豊かにして国民を幸せにする。この「医療立国論」が今、全国の医療関係者らの注目を集めている。日本の医療制度が崩壊の危機に瀕する中、医療費亡国論に基づく政府の低医療費政策に対し、逆に医療費を増額させることが医療を荒廃から救うという論陣だ。これを唱えるのは「医療立国論-崩壊する医療制度に歯止めをかける!」を著した帝京大学名誉教授の大村昭人氏(同大学医療技術学部臨床検査科主任教授)で、このほど東京都内で講演した。

医療費亡国論が誤りの根源

 大村氏は1月12日夜、東京保険医協会の病院有床診部が開いた医療政策学習会で「医療立国」をテーマに話した。

 日本の医療制度の〝崩壊〟について、大村氏は「すべての誤りは1983年から始まった!」と指摘。この年には、当時の厚生省保険局長だった吉村仁氏が、社会の少子高齢化が進展する中、このまま租税・社会保障負担が増大すれば、経済を中心に日本の活性が失われるなどとする「医療費亡国論」を提唱した。
 その後、吉村氏の論に基づく施策が展開。これについて、大村氏は、

94年に厚生労働省が明らかにした2025年の医療費予測は141兆円だったが、次々と下方修正されて07年には65兆円になるなど信頼性に乏しい

▽OECD(経済協力開発機構)30か国での対GDP(国内総生産)医療費は2000年の18位から04年には23位に後退している

▽00年を境に医師過剰に転ずると予測していたが、07年現在で日本の医師数は絶対数でOECD平均と比べ10数万人不足している

-こと等を挙げ、「医療費亡国論は現状と大きなズレが生じている」と強調。そのうえで「厚生労働省・政府・財界は『医療費亡国論』の呪縛から逃れられず、医療費抑制政策の軌道修正をしないために医療崩壊という深刻な事態を招いている」と批判した。

「米英の失敗から学べ」

 また、大村氏は政府・財界が企図している「総医療費抑制・市場原理化は医療の荒廃を招く」として、アメリカとイギリスの失敗例を示した。


 アメリカでは、レーガン政権時に民間医療保険(HMO)の自由化と市場原理を導入した結果、現在、人口約3億人のうち約4,700万人が保険未加入となっている。同国では、民間保険の力が強大でマネジドケア(管理医療)の名の下に、医療提供者(医療機関)の裁量権と患者の診療へのアクセスが大きく制限。ABCニュース調査によると、医療の質については「満足」が00年9月~03年10月で54%から44%に後退し、逆に「不満足」が同じ期間で44%から54%に増加している。医療制度についても、国民皆保険制度を選ぶとした国民が62%に達し、現在の制度を選ぶという32%の倍近くに至っている。

 イギリスでも、サッチャー政権時に医療費抑制政策と市場原理が導入され、医療が荒廃した。入院・手術待ち1年以上が当たり前になり、数年前のインフルエンザ流行時には多くの高齢者が入院できず死亡するという事態が起きた。その後のブレア政権が00年に公的支出の50%増大や医学部定員の50%増などの新政策に着手。しかし、実効は上がらず、国民の評価も改善されないまま、成果を挙げるには時間を要することが明らかになっている。

 このような例を踏まえ、大村氏は「医療制度は一度荒廃すると、回復には莫大な支出・エネルギー・時間を要する。公的保険を縮小し、民間保険で肩代わりさせて医療費を削減する考え方は幻想で、かえって公的保険の財政を悪化させる」と説いた。

医療投資は大きな波及効果


 さらに、大村氏は「EUの国々では、医療が経済活性化の要であることが、よく認識されている」と紹介。ヨーロピアン・コミッションの05年8月のレポートによると、EU諸国では医療への投資が経済成長率の16~27%を占めている。これをEU15か国に限ると、医療制度の経済効果はGDPの7%に相当、金融の約5%を上回り、「GDPの7%という数字を、もし日本に当てはめた場合、年間35兆円ほどGDPを押し上げることになる」と強調した。
 そのうえで「EU諸国では、医療・福祉は国の負債ではなく、経済発展の大きな原動力であるという認識が強く、雇用拡大につながると考えられている」と指摘。多くの国々が経済の国際競争力で高い位置を占め、EU25か国での医療に関連する分野で働く人の割合が全労働人口の9.3%となっていることも示した。

 このほか、大村氏は、日本でも医療や介護など社会福祉の経済総波及効果は高い=グラフ参照=ことを指摘。「年金や医療・介護という社会のセーフティネットを整備することは、国民が安心して経済活動や社会活動に専念するために重要。医療や介護への波及効果や雇用創出効果は非常に大きく、医療を負債と考えるのではなく、EUの国々のように医療の多様な分野に積極的に投資することで、経済をさらに活性化する。医療費亡国論から脱却し、医療への投資を実施することが『医療立国』になる。医療に金を掛けることは亡国ではなく、国を豊かにして国民を幸せにする道」と締めくくった。

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>「EU諸国では、医療・福祉は国の負債ではなく、

>経済発展の大きな原動力であるという認識が強く、

>雇用拡大につながると考えられている」と指摘。


>EU25か国での医療に関連する分野で働く人の割合が

全労働人口の9.3%となっていることも示した。



医療費の半分は人件費といわれています。


逆に言うと、医療費を増加させることで、


雇用は改善する可能性が十分にあります。




なぜなら、


医療は「人の手」で行われなくてはいけない部分が


ほとんどだからです。





しかも、


医療の進歩によって、


多くの人間が集中的に


治療に必要になっています。







医療体制の充実は、


ライフプランにおける「国民の安心」を得ることができ、


雇用を充実させることが可能で、


財務省とつるんでいる


「オリックス」などの特定企業を利することなく、


全国民がその利益を得ることが出来ます。




マスコミは、


多くのきちんとした事実を報道し、


国民のすぐそばにある危機


を報道してもらいたいものです。





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今回の講演をされた


大村昭人先生の著書、「医療立国論」です。



クリックするとアマゾンに飛びます。

大村 昭人
医療立国論―崩壊する医療制度に歯止めをかける!


朝日新聞ではこんな書評を載せているのですが…。


報道は、完全に「医療費亡国論」に染まり、


「医療費抑制」一辺倒ですね…。


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ニュースな本
医療立国論―崩壊する医療制度に歯止めをかける! 

http://book.asahi.com/topics/TKY200706190199.html


[著]大村昭人
[掲載]週刊朝日2007年06月22日号
[評者]永江朗


■医者が足りない!

 医者が足りない。大都市はともかく、過疎化が進む地方ではとんでもないことになっている。産科のない町も珍しくない。大学病院や大病院では患者があふれている。それにもかかわらず、医者の数は足りている、偏在しているにすぎない、と厚生労働省は言い続ける。数字の上ではそうかもしれないが、地方で医者が足りない事実は変わらない。病人は都会に住めと役人は言いたいのだろうか。

 大村昭人『医療立国論』を読んでハラワタが煮えくり返った。厚労省が言っていること、やろうとしていることはとんでもない。著者は帝京大学前医学部長。アメリカで研修医や大学教員をした経験もあって、海外の医療制度にも通じている。

 医者の数が足りているなんてインチキである。厚労省は医療費はじめ社会保障負担の抑制に必死だが、日本の社会保障負担率はOECD各国のなかで最低レベル。医師や医療従事者の数も極端に少ない。医者や看護師が足りないから、サービスは低下し、医療事故だって増える。「OECD諸国なみの医師数を確保しようとするならば、現在の医師数27万人に加えてさらに十数万人の医師が必要になる」と大村は述べる。

 厚労省がお手本にしているのはレーガンのアメリカ、サッチャーのイギリスのようだが、医療費削減のために市場原理主義を持ち込んだ両国の悲惨な状況も本書に書かれている。それでもイギリスのブレアは医療費を50%増やす政策を発表し、医学部の定員も50%増やしたというから、日本よりもましだ。

 だが、医者不足よりもっと深刻なのは国民皆保険制度の崩壊かもしれない。金持ちは民間保険で、貧乏人は公的保険で、というアメリカは、4700万人もの医療保険未加入者を生んでしまった。儲かるのは保険会社の経営者たちばかりである。規制改革・民間開放推進会議の議長だった宮内義彦オリックス会長らが狙っているのは、日本をこのアメリカ型にすることではないか、と大村は危惧している。

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