結局どうなる?いいの?悪いの?吉凶でなければ、何なのか。解釈の一例にはなるけれど、なるべく分かりやすく書いてみる。

まずは海王星の意味から。海王星は、ビジョン・インスピレーション・(土星の)壁を溶かす/ぼかす・想像力・神秘的・幻想・幻惑・陶酔・不可思議・夢・癒し・犠牲・幽霊・詐欺・欺瞞・酒・薬物・病気・天然ボケなどを表す。

Liz Greene『The Astrological Neptune and the Quest for Redemption』によると、「ホロスコープの中での、海王星による他の天体への働きかけは、ペンテウスにとってのディオニュソス(バッカス)に似ている」とのこと。ペンテウスとバッカスの神話はこちらに。

先の本の、あとに続く文を要約すると、海王星は精妙で魅惑的で攪乱的であり、ただ反発する・ただ盲目的であるよりも、さらに込み入ったレスポンスを要求する。敬意を求めながら、逆説的にその人の自尊心を引き出す。自己を手放す意義を認識し、注意深く見定めた境界線の内側であるなら、自制と恍惚は共存できる。それは思ったより難しくはなく、多くの芸術作品や礼拝行為(信仰)で見られることである、と。
 

それはまた、あらゆる他人との関係性においても可能であり、そのような共感と感情の交感の中では、その人自身の要求と限界の感覚によって、バランスがとれているものです。しかしペンテウスは、私たちがある一時に、または度々そうであるように、これに対しておそろしいほど対処できていません。

 

ディオニュソスは、葡萄やワイン(酒)の神であり、豊穣・生命力を象徴する。また、陶酔・解放・非日常・狂気的で、境界的存在でもある。芸術・演劇の守護神でもあり、インスピレーション・創造性・解放の意味も。

非日常・欺瞞・犠牲・狂気とくれば、破滅への道のように聞こえる。けれど、信仰・芸術表現は生きる糧にもなり、魂を躍動させる。どこで、それらの道は別れるのだろう。そして、どちらにしても、なぜ海王星は肉体/日常/現状の枠を超えようとするのだろう。

 


 



これらの動画を観て笑ったが(╹◡╹)、とても納得した。それで、例えば海王星とは「菌」なのではないかと。ここで語られていることは、飛躍した話のように聞こえるが、全て現代の科学と歴史で証明されている。菌は宇宙(天/神)からやって来て、地球上の生物は全て、菌が生息するために生かされている、らしい。植物は、土壌菌のネットワークが維持されるために誕生した。昆虫も菌が移動するために存在し、昆虫の本能的な諸々の動きは菌の命令によるもの。人間の意志も、腸にいる菌が脳へ指令を送っているらしい。脳ではなく腸から意志/指令が来ているというのは、穀物採食の本でも読んだことがあるが、腸という器官からではなく、そこにある菌からだったとは。

そして「酒がなかった民族は、全て絶滅した」。残った民族は「神の恵み」として、全て酒と発酵の文化を持っていた。酒や菌食によって陶酔・覚醒し、例えば大航海時代なら、領土拡大を求めるといった、肉体/日常/現状を超えて「広がる」気持ちが意志を強くさせ、文明を発展させた。陶酔・狂気・解放は、生きるために、生き続けるために、精神的にも必要なものであり、菌によって神とつながることで、その民族・文明は継続した。そう考えると、ディオニュソスが象徴するもの全てと一致する。夢を見て、肉体の限界を超えて、死ぬ気で生きることで、人類や文明はむしろ発展し、より強く生き続けることができた。

面白いのが、「人間が発酵を発明したのではない。発酵が人間を作ったのだ」、「地球上の本当の生命は菌だけ、我々はついでの付録」。海王星の働きがなぜ、肉体/日常/現状を超えようとするのか。それは、宇宙(天/神)の意志のもと、夢・愛・信仰に生きよと告げているからだ。

ここまで海王星の働きを、食品・有機物の状態で見たので、土星以遠も同じように考えてみると、

土星:冷え固まる、形が定まる
天王星:割れる、折れる(水がなく乾いている)、または切り分けるなど外から手を入れる
海王星:発酵、熟成、醸成、腐敗
冥王星:変容、破壊、再生

海王星は、土星で固定化したガワを変質させる。本体と黴の生えた部分など、二層以上の構造をもって。対して冥王星はそのもの自体が全く変容するか、破壊されて作り直される。例えば、こういったイメージだろうか。

海王星はマレフィックの1つと言われる。が、ここまで考えてみると、一概にそうとはいえない。一度固定化・安定化させた土星の側から見ると、まちがいなく迷惑だけれど。だから、200年続いた土の時代では、海王星など外惑星は、危険視されたのかもしれない。けれど今ここより「広がる」気持ちを止めて、安全の内側だけで生きるのは退屈でもある。さらに膠着は人をいつしか退化させ、ついにはその安全と思われた枠の内側で、魂は本来携えていた輝きを失ってしまう。長い歴史の間、夢に向けて進化し続け、信仰を持ち続けた民族が生き残ったのだ。

海王星の管轄である魚座のキーワードは「I believe」、つまり信じる、信念を、信仰を持つこと。むしろ、ペンテウスのような「全否定」的な態度こそ、あり得たかもしれないプラスを現実のマイナスに変えてしまう。海王星のあるサインが象徴する事柄が、腐敗する危険もあるだろう。けれど、それより大切な、より主だった象徴としては、大いなる夢が熟成・醸成され、どこか現世の外にある新しい世界、未踏の地へと魂が連れ出される、本当はそんな意味なのではないかと思う。