私自身はどちらかというと技術畑の人間であるため、宗教に関しても、カルトに関しても、心理学に関しても全くの専門外であって、こういった問題において人様にお見せするような文章を書けるほどの知識は一切持ち合わせておりません。

ですがこのブログでは、こうした文章をまとめるにあたって、数多くの心理学関係の本を読み漁り、登志子のカルト問題との関連なんかも手探りでたどりながら、なんとかこういった形でまとめてみました。

会社から帰宅して、食事・お風呂なんかが終わってから作業ができるのは一日三時間程度の時間しかないですし、夜中の二時、三時までかかる日だって連日ありましたが、書き始めから約二週間で大体のまとめを作ることが出来ましたので、公開することにしました。
 
私がこれら文章をまとめるにあたって配慮した点は、私のように予備知識のない、ごく普通の一般人が読んだ際に、カルトの危険性・マインドコントロールの恐ろしさというものが理解できるようにしたいという点でした。

そのために、なるべく具体例をたくさん用いるようにしてみました。
最も参考にさせて頂いたのは、スティーヴン・ハッサン著の「マインドコントロールの恐怖」であります。
この本は非常に優れた教科書的存在ではあるのですが、少し難解なところがある点と、対象になっている事柄が統一教会であるため、その本の内容をそのまま紹介したところで神慈秀明会の被害者には分かりづらく感じてしまうところもあると思い、他の心理学関係の資料なども参考にしながら、自分自身なりにかみ砕いて、実際に神慈秀明会において行われている「マインドコントロール」と関連付ける形で紹介させていただきました。

さらに、この文章をまとめるにあたって私の頭の中に常にあったものは、私の夫ことでした。

夫に神慈秀明会の「マインドコントロール」の実態を知ってもらうことで、目を覚ましてほしい・・・という思いが、この文章を書かせたのだと言ってもいいでしょう。

夫がこのブログを読んだ後に、一体どのような感想を持ってくれるかはまだ分かりませんが、私自身の希望としては、これを読むことで、夫が神慈秀明会の"真の姿"に気づいてほしい・・・と思っています。

そして、私と同じようにカルトによる「マインドコントロール」の被害に苦しんでいる新興宗教被害者の家族の方々のご参考に少しでもなれば・・・と思っております。

エドモンド・パークという人の言葉を最後に載せます。

「悪が勝利するのに必要なことは、良い人々が何もしないことだけなのだ」。
会社の同僚・学校の友人・PTA活動・社会活動を通しての知人・親戚・家族・・・これらの人々を通したうえで新興宗教の勧誘を受けた場合、「紹介してくれた人の思いやりを無にしてはいけない」だとか、「これまで培ってきた人間関係を崩したくない」などという気持ちから、その宗教の話を聞いてしまう場合が多いのですが、すでにその瞬間から、カルトは様々な罠を仕掛けながら獲物をねらっているのです。

誰しもが陥ってしまう可能性のある「マインドコントロール」について、さらに詳しい解説が見たいという方は誰もが陥るマインドコントロールをご参照ください。

「私は警戒心がかなり強いし、宗教なんて嫌いだ」などと考えているような方でも、カルトの巧妙な罠にはまってしまえば、「マインドコントロール」にかかってしまう人は大勢いらっしゃいます。
むしろ、宗教を嫌悪されている方のほうが、一旦はまってしまうと深刻な状況になってしまう場合があります。

どんなにささいなことでも、自らが持っていた価値観を破壊されてしまうような体験をすれば、それをきっかけに雪崩が起きるように価値観・世界観が大きく変わり、カルトの地獄にはまってしまう場合があるのです。

オウム真理教では、弁護士・医師・東大生・京大生など、通常であれば分別のある人だと思われている方々が、大勢出家して犯罪に加担してしまいました。
彼らもまた、その専門分野の中においては一定の知識を持った方々なのですが、専門分野から離れてしまえば、ごく普通の人間と何ら変わりありません。
カルトに対する特別な抵抗力などを持っていない人が大半なのです。

ところが、エリートなんて呼ばれている方々は、全ての分野において自分は優れていると錯覚している人も多くいらっしゃるため、専門外の分野において価値観を揺すぶられてしまうと、意外にあっさりとカルトに堕ちてしまうのです。

カルトによる「マインドコントロール」にかかるか否かは、自分には分別があるから大丈夫、というものではないことを知っておく必要があります。

「マインドコントロール」にかからないようにする唯一の方法というのは、「マインドコントロール」に関する相当の知識を持っておくことです。

まずは「マインドコントロール」という専門的分野があることを知ったうえで、この手法・防御方法をマスターしていなければ、カルトから我が身を守ることは不可能だと言っても過言ではないでしょう。

宗教的救いに多少の興味を持っている方・不安を持っている方・自分自身に不満を持っている方、社会に不満を持っている方などであれば、より一層、簡単にカルトに取り込まれてしまう危険性があるのです。

次回に続きます。
新興宗教団体による金銭収奪事件が裁判沙汰になってしまった例は多くありますが、担当する裁判官に「マインドコントロール」に関する相当の知識がない限り、"献金は本人による意志決定において行われたものであり・・・"などということになってしまい、原告敗訴に終わってしまう場合が多いです。

「マインドコントロール」にかけられている信者には正常な判断力がないことや、その状態を作り出したのはカルト教団の意図的な行為である、ということを裁判官が十分に把握していないと、せっかくの裁判がカルトを勢いづかせてしまうだけのものに終わってしまう場合があるのです。
法曹界に関与する方々には、「マインドコントロール」に関する正しい知識の習得を早期に期待したいところです。

併せて、「マインドコントロール」を規制している法律の整備も必要であって、たとえ裁判官にその知識があったとしても、それを規制するための法律が整備されていなければ厳重な処罰を期待することなど出来ません。
日本における、こういった面での法整備が早急に行われるように、関係方面に働きかけて行きたいと思います。

警察・検察関係者に関しても、新興宗教団体による人権侵害問題・金銭搾取問題などが発生した場合に、宗教問題という理由ででタブー視してしまったり、敬遠してしまうのではなく、多くの被害者が発生している現実から目をそらさずに正確な対応をして頂きたいところです。

マスコミ関係者においても、宗教問題は取り扱いが難しいという点だけで敬遠するのではなく、日本中に林立する多数の新興宗教団体が社会に与えている影響・・・特に、現実に被害者が発生していて、今後も更なる被害が続発してしまう可能性が非常に高い団体については、その実態を取材することで、社会に知らせる義務があるのではないでしょうか。

たくさんの人々が新興宗教問題で苦しんでいるという現実があるにも関わらず、霊障などを使って信者を脅して金をだまし取る新興宗教を助長してしまうような、興味本位の霊障番組を報道しているテレビ局などには猛省をお願いしたいところです。

学校教育においても、新興宗教被害を予防するための知識習得にある程度の時間をかけるべきであると思います。
家庭での教育だってもちろん大切ではありますが、学校教育という公の場所において、等しく予防知識を学ばせることの意義というのは非常に大きいものです。

教育基本法の見直し論議というのが盛んになってきてはいますが、教育の目的というのは、人が人として生きていくための方法を教えることついて、その基本があるはずです。
新興宗教の毒牙にかかってしまうことで、人格を変容させられてしまう、カルトに利用される人々が多く出ている現状を正しく認識するのであれば、国としてはそういった危険から身を守る方法を国民に教えることも大切な責務であります。

エイズ・薬物中毒から国民を守るためのキャンペーンなども大切ではありますが、それと同じように、カルトから身を守る方法を国民に広く知らせる義務というのも、日本政府に課せられています。

次回に続きます。
さて、「マインドコントロール」というものは、「洗脳」とはまったく違う・・・ということも知っておかねばならない重要なポイントであります。

「マインドコントロール」と「洗脳」の関係・違いについてさらに詳しく知りたい、という方には魚谷流・マインドコントロール解説がおすすめですよ。是非目を通してみてください。

一般的には、「マインドコントロール」と「洗脳」を混ぜ合わせて説明してしまっている方も多いですが、それは間違いであって、「マインドコントロール」と「洗脳」というのはまったく別のものなのです。

一体何が違うのかと言いますと、「マインドコントロール」というのは、対象者自身が自らの意志によって自分の考えを変えたと思わせるのですが、「洗脳」というのは身体的・精神的に強制されることで考えを変えさせられてしまうものであります。
 
「洗脳」の場合は、身体的・精神的強制が解かれてしまえば比較的早期に元の状態に戻りやすいのですが、「マインドコントロール」に関しては自らの意志によって自発的に考え方を変えた、と本人自身も思ってしまっているため、「マインドコントロール」をされていた組織から離れた後でも、なかなか元の状態に戻るのは難しい傾向にあります。

北朝鮮に拉致されていた方たちが日本に帰ってきた際、彼らの中には北朝鮮におけるプロパガンダが浸透しており、簡単に日本社会に適応することは出来ないのではないか・・・と当初は思われていました。

ところが、きわめて短期間の間に朝鮮労働党のバッチを外すことに成功し、日本の社会に適応することが出来たのでした。
もちろん、その背景には周りの方々の大変な苦労・努力があったと思われますが、彼らは拉致という身体的拘束を受けたうえ、招待所と呼ばれる教育施設において北朝鮮の教育を強制的に受け「洗脳」されていました。
ですから、その環境下の中、彼らが北朝鮮で生き残るためには、その現実を受け入れるしか道はなかったのでしょう。

ですが、日本に帰国することに成功し、身の安全が確認出来た段階において強制されるものが何もなくなったため、早期に洗脳から目覚めることが出来たのではないかと思われます。
 
北朝鮮が彼らに行った方法というのは「強制的洗脳」であって「マインドコントロール」ではなかったため、早期に復帰が果たせたのだと考えられますね。
より危険なのは「マインドコントロール」だということです。

それでは、また次回に続きます。
みなさんは、「カルト」という言葉の意味をご存知でしょうか。

「カルト」という言葉の意味については、最近まで確固たる意味・説明が確立されておらず、その言葉を使う人・使われる場面・使われる背景によって、意味合いが全く違っていたのです。

ですが、最近になってから、未だ多少の不安定さは残るものの、日本における新興宗教問題で使われる「カルト」という言葉に関しては、方向性が一つ出てきたようにも思えます。
最近では、「カルト」という言葉を、「反社会的な新興宗教集団」という意味で使用しているのです。

それでは、「カルト」が新たな信者獲得・信者への教育のために使っている、「マインドコントロール」と呼ばれる心理操作について、具体例を出しながら解説していきましょう。

この「マインドコントロール」については、このブログで紹介しただけではなく、さらに数多くの手法があると思われますが、私自身が調べることが出来た範囲内での説明となっておりますので、他の手法についてご存じの方がいらっしゃれば、ぜひお教え頂きたく思います。

私の夫が神慈秀明会の信者であり、その夫をカルトから奪還する過程において知り得た、神慈秀明会が行っているとされる「マインドコントロール」を具体的事例として報告しますが、他の「カルト」において細部が違ったとしても、大体の大筋は同じような手口を用いているものと思われますので、神慈秀明会以外の「マインドコントロール」で困窮している方にとっても参考にして頂けるのではないかと思っております。

このブログでは、「カルト」の解説だけはでなく、「カルト」に向けた批判なども行っていますが、その「カルト批判」というのは、カルト教団幹部だったり指導的立場にある者に対して向けたものであって、一般信者を批判するということを意図しているのではありません。
私の考えでは、一般信者という存在は寧ろ被害者である、と思っております。

このように、このブログ内において「マインドコントロール」の具体的な方法を明らかにすることは、まさに諸刃の刃であって、これらを悪用することで他人を「マインドコントロール」することに使われてしまう危険性もあるのですが、あえてこれらを紹介することで、「マインドコントロール」とはどのようなものなのかを多くの方々に知って頂き、「カルト」による「マインドコントロール」への予防、そして、「マインドコントロール」をされてしまった方々への正しい対応に役立てて頂きたいと考えたため、素人の私なりに研究してまとめてみました。

専門家の方から見ればとても稚拙なものであって、まだまだ言葉足らずで、思い違いをしている部分があるかも知れません。
今後、訂正すべき点があればぜひお教え頂きたいと思います。

次回に続きます。