5月2日木曜日。晴れ。

今夜も日記を書こう。
何かが前進したわけでも後退したわけでもないが。
誰かの助けになることをしたわけじゃないが。
今日もご飯が食べられることに感謝をしたい。

アキ・カウリスマキ監督「マッチ工場の少女」を観る(2度目になる)。
以下あらすじと感想を記しておきたい。
主人公イリス、17、8歳くらいだろうか。
実母と義父と暮らしマッチ工場で働きながら家計を支えている。
というよりイリスの稼ぎだけで暮らしている感じだ。
仕事の帰りに僅かな食料を買い、家に帰れば食事の支度に後片付けまで(ほぼ家事全般)させられる。
ある給料日に新しいちょっと派手な服を買ったのが両親にバレて叱られる。
やけになったイリスはダンスホールで知り合った男性(年上のプレイボーイ)と関係を持ってしまう。
後にイリスはその男性の子どもを身籠るが、お前など愛してなどいないから子どもを始末してくれと冷たく言い放たれる。
男性にとってはただの遊びだったのだ。
放心状態で歩くイリスは交通事故に遭い、理不尽にも義父から家を追い出されてしまう。
身内の(お兄さんだろうか)男性のところへ身を寄せたイリスだったが、ねずみ取りの薬を使って(飲み物に混ぜる)自分を捨てた男性と実母と義父に(それになぜかバーで偶然隣り合わせた男性も)に復讐をする。
......これがこの映画の大まかなストーリーになる。
冒頭流れるマッチ工場(マッチが作られる工程)のシーンとかテレビに映る中国の民主化運動のニュースなど、前回見た時はあまり何も感じなかった。
それが今回観ると、イリスが復讐を遂げるまでの心理となんとなく繋がりがあるように思えた。
人を物のように扱い監視し管理し都合よく利用したなら、やがてどういう末路(未来というか)が待っているのか。
何かそんなことを思った。うまく言葉で説明できないけれども。
イリスのしたことは若さゆえの暴走では止まらない、その暴走が行き過ぎて犯罪となってしまった。
イリスに何でも話せる友人がいたら状況は違っていただろうし、イリスに狡賢さやしたたかさといったものがあれば悲劇は起きなかったかもしれない。もっと別のやり方で(犯罪までいかないような)復讐できただろう。
稼ぎを巻き上げるだけの親とは縁を切ってもいいのだし。
落ちるところまで落ちたら後は這い上がるだけ、というような開き直りも出来たと思う。
やっぱり若さゆえそこまでの境地にはならなかったのか。
今の生活から救い出してくれるのではないかという期待を男性に抱いてしまうのも若さゆえだろうと思う。
そんな王子様のような男性などいないのだから。
.........
ストリートスライダーズのDancin Dollという曲を聴きたくなる。
呪文を唱えて魔法を愛して〜
奇蹟を夢見る〜
NO ガラスのヒールを捨てて〜Dancin Doll
鋼のホールで踊れ〜Dancin Doll
12時のシンデレラやめちまいなよ〜
.......


明日は気晴らしにピザを食べよう。