先日の夜8:00頃、突然、家の呼び鈴が鳴った。
合わせて「すみませ~ん」と、か細い声がした。
こんな時間に一体誰?
ちなみに、私の家にはインターホン的なものは
設置していないので、玄関を開けるまで
相手の容姿を確認できない。
恐る恐る戸を開けてみると、
20歳前後の青年が
「すみません。財布が入っちゃったので
探させてもらえますか?」と言う。
(・・)は? 何を言っているのか今どきの青年は。
とりあえず話を聞こう。
「なんか、財布を投げたらこちらのお宅に
入っちゃいまして…」
(・・)? うーむ、やはりわからない。
わからないけど、身なり、話しぶりから
危険性は低いと判断。
「じゃあちょっと一緒に探してみようか」
と私が言い終わらないうちに
青年は庭木の上の方に引っ掛かった財布を指さし
「あれですあれです!」と言った。
確かに高さ約3mの所に10cm×20cmほどの
長財布が引っ掛かっていた。
丸印のあたりに見事に引っ掛かっていました
こんな事ってあるのか?と思いつつも
実際に財布が引っ掛かっている。
私は梯子を掛けてスルスルと登り
難なく財布を掴み取り青年に手渡した。
青年は礼を言いそそくさと帰っていった…
私は部屋に戻り、ダイドーMコーヒーを飲みながら
この一連の出来事を反芻してみた。
もしかすると、あの財布は青年自らが投げたのではなくて、
友達、仲間がいたずらで投げたのではないか?
あるいはいじめに遭っていたのだろうか?
事の顛末をもっと聞けばよかったかもしれないし、
これはこれでよかったのかもしれない。