このような炬燵への郷愁はどうも断ちがたいものだ。
わが家には掘炬燵付の和室があるにはあるのだが、和室 は日常生活の場にはなりにくい。
そこで、椅子式の居間の方に電気炬燵を据えたこともあった。
これは置炬燵だから、快適さにおいて掘炬燵にはかなわない。
とはいえ、暖房の設定温度をやや低めに、背中がちょっと寒いかな、という程度に抑えておいて、この炬燵にもぐりこんでいると、"暖かさ"の実感がジワーッときて実に安定した気分になる。
週末の夜などに、この席でテレビをダラダラ見ているのは、まさに幼年期の至福の再現であった。