若者築家たちは、どういうわけかパーティーが大好きで、毎週毎週どこかでだれかが設計した建物の披露にかっこつけたパーティやら出版記念会を、それが終るとだれかの家に流れ込んで、二次会三次会が深夜までという有様。それに加えて土曜日曜は、何か理由を付けてはどこかの家での昼食会やら夕食会など。
要するに、売れ始めたくらいの若者たちが群れて一つためのの個室型、隔離型では困る。奥から静々と料理など運んでくれるお手伝いさんがいるはずもない貧乏建築家の家でどうやってパーティを開けるというのか。
そんな家庭の事情、社会の事情から二度目の改築のときに学生と一緒に考えていたオープン型キッチンを作ってみようということになった。