もともと予定してなかった診断編ですが(診断に関しては我々医療側の問題と考えてましたので)、
前回の治療編をアップしたところ意外な反響?をいただき、あらためて多くの尿路結石の患者さんが
痛みの辛さや検査に関する不安に関する意見をブログなどに書いておられるのを拝見し、
急遽診断編を追加することにいたしました。
(確かに我々が尿路結石の診断を下す際にまず大きな根拠になるのが患者さんの臨床症状なわけで、
この記事では患者さんにおこる症状を中心に診断手順を解説したいと思います。)
前回の治療編をアップしたところ意外な反響?をいただき、あらためて多くの尿路結石の患者さんが
痛みの辛さや検査に関する不安に関する意見をブログなどに書いておられるのを拝見し、
急遽診断編を追加することにいたしました。
(確かに我々が尿路結石の診断を下す際にまず大きな根拠になるのが患者さんの臨床症状なわけで、
この記事では患者さんにおこる症状を中心に診断手順を解説したいと思います。)
(尿管結石の症状)
尿路結石の中でも石が腎臓内にある場合は無症状であることがほとんどですが、尿路結石で有名な
疝痛発作は結石が尿管という腎臓と膀胱をつなぐ細い管に移動した時におこります。
最も典型的なのが急に側腹部もしくは背部(結石の位置によっては下腹部がメインのこともあります)の痛みが
出現し、痛みが徐々に強くなってきてついには耐え切れなくなり人によっては救急要請されて
病院に来院されるパタ-ンです。
その他の症状とすれば痛みに前後した時期の肉眼的血尿や尿路のすぐ前面にある腹膜を刺激する
ことによる嘔気・嘔吐などが頻度の高い尿路結石症の症状です。
(腹部痛と嘔吐で最初は消化器系の疾患と考えられることも多いようです。)
(尿路結石症の初期診断)
それでは我々泌尿器科医が尿路結石を疑う条件ですが
・痛みの部位と種類(急に発現した痛みで痛みの部位が上記のようなところに
以上のような条件が揃えば、かなり尿路結石の可能性が高いと判断します。
尿路結石の中でも石が腎臓内にある場合は無症状であることがほとんどですが、尿路結石で有名な
疝痛発作は結石が尿管という腎臓と膀胱をつなぐ細い管に移動した時におこります。
最も典型的なのが急に側腹部もしくは背部(結石の位置によっては下腹部がメインのこともあります)の痛みが
出現し、痛みが徐々に強くなってきてついには耐え切れなくなり人によっては救急要請されて
病院に来院されるパタ-ンです。
その他の症状とすれば痛みに前後した時期の肉眼的血尿や尿路のすぐ前面にある腹膜を刺激する
ことによる嘔気・嘔吐などが頻度の高い尿路結石症の症状です。
(腹部痛と嘔吐で最初は消化器系の疾患と考えられることも多いようです。)
~疝痛発作に関する一口メモ~ 尿路結石の痛みはなぜおこるかわかりますか? 通常は尿という液体しか通っていない尿管に、結石という固形物が入ってくることにより尿の流れが悪くなり、最悪一時的に尿の流れが完全に止まってしまうために結石が存在する部位より腎側の尿路が拡張し痛みがおこります。痛みの部位は結石の位置にもよりますが尿路の走行に一致する部分、つまり尿管の走行部位である下腹部~側腹部と腎臓が存在する背部に出る可能性があります。(ちなみに腎臓というのは体の後ろの方にあります。具体的には背中側の下から順に触れる肋骨がだいたい11番か10番ぐらいで、この深部に腎臓があると思ってください。) この尿路結石の痛みのひとつの特徴が一時的に激しく痛くなるが、持続することが少ないという点です。(あまりの痛さのために救急車で運ばれてきたけれど、病院に到着した頃には痛みが少しましになってたなんて話もよくあります。)これは尿管が通常蠕動運動により尿を膀胱に運んでいて、均一の太さの単純なホ-スではないからです。一時的に結石により尿の流れが途絶えてしまっても蠕動運動により結石の脇を尿が流れるようになると痛みが改善します。逆に言うと結石が尿管に入っていっても、うまく蠕動運動にのって下へ運ばれている時には痛みはおこらないということです。

それでは我々泌尿器科医が尿路結石を疑う条件ですが
・痛みの部位と種類(急に発現した痛みで痛みの部位が上記のようなところに
ある時)
・血尿の存在(必ずしも肉眼的血尿が出るわけではないので
尿検査でチェックします)
・超音波検査での異常(腎臓に尿の通過障害を疑うサインが出ます)以上のような条件が揃えば、かなり尿路結石の可能性が高いと判断します。
(尿路結石症の確定診断)
初期診断で尿路結石症が疑われたなら、次にレントゲン検査を行います。
尿路結石の80%以上を占めるカルシウム結石は単純写真に写ってきます
ので、典型的なものであればこの時点で結石を同定することができます。
ただし、レントゲンに写らないような結石があったり、カルシウム結石でも
小さかったり、腸管のガスや骨が邪魔をして結石がわからないこともあります
ので、さらに尿路造影検査やCT検査を追加することもあります。
(さらには逆行性腎盂造影というちょっと特殊な検査をすることもあります。)
だいたいは以上のような検査を行って確定診断をつけ、自然排石を待つか、
ESWLなどの処置が必要かを判断していくことになります。
初期診断で尿路結石症が疑われたなら、次にレントゲン検査を行います。
尿路結石の80%以上を占めるカルシウム結石は単純写真に写ってきます
ので、典型的なものであればこの時点で結石を同定することができます。
ただし、レントゲンに写らないような結石があったり、カルシウム結石でも
小さかったり、腸管のガスや骨が邪魔をして結石がわからないこともあります
ので、さらに尿路造影検査やCT検査を追加することもあります。
(さらには逆行性腎盂造影というちょっと特殊な検査をすることもあります。)
だいたいは以上のような検査を行って確定診断をつけ、自然排石を待つか、
ESWLなどの処置が必要かを判断していくことになります。
尿路結石に伴う痛みは患者さんには辛いものですが、逆にそれが尿路結石を発見できるきっかけになってラッキ-だったという考え方もできます。
極まれに結石が尿管にはまり込んでしまっても無症状であることもあり、
偶然発見された時にはすでに長い時間が経過していて腎臓の機能が廃絶してしまってたり、膿腎症という感染症を併発したことで発見され単純な尿路結石が原因で腎臓を摘出する必要があるような症例もあるのです。
極まれに結石が尿管にはまり込んでしまっても無症状であることもあり、
偶然発見された時にはすでに長い時間が経過していて腎臓の機能が廃絶してしまってたり、膿腎症という感染症を併発したことで発見され単純な尿路結石が原因で腎臓を摘出する必要があるような症例もあるのです。
※写真は図説泌尿器科学講座より引用
上より尿管結石、腎結石(サンゴ状結石)、膀胱結石ということで、疫学編でお話したように尿路結石症というのは一般的な疾患であり、
いつあなたに尿路結石ができ激しい痛みにおそわれるかわかりません。
また、単純な尿路結石が原因で重篤な尿路感染症を併発することもまれにはあるのです。
尿路結石はできない方がいいのは当たり前で、一度できた人などは2度とできてほしくないと
思われてる人が多いと思います。
そういう皆さんはぜひ次回の結石再発予防編もお読みください。
いつあなたに尿路結石ができ激しい痛みにおそわれるかわかりません。
また、単純な尿路結石が原因で重篤な尿路感染症を併発することもまれにはあるのです。
尿路結石はできない方がいいのは当たり前で、一度できた人などは2度とできてほしくないと
思われてる人が多いと思います。
そういう皆さんはぜひ次回の結石再発予防編もお読みください。