手切金or扶養料~贈与税かかるかどうか!?~ | 法律を科学する!理系弁護士三平聡史←みずほ中央法律事務所代表

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大学では資源工学科で熱力学などを学んでいました。
科学的分析で法律問題を解決!
多くのデータ(事情)収集→仮説定立(法的主張構成)→実証(立証)→定理化(判決)
※このブログはほぼ法的分析オウンリー。雑談はツイッタ(→方向)にて。

Q 交際していたカレと別れることになりました。
  子供ができて,今1歳です。
  手切金というのか,今後の養育費というのか,とにかくまとめて2000万円をもらいました。
  贈与税はかかりますか。


誤解ありがち度 4(5段階)
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A 「扶養料」として妥当な金額であれば非課税です。
  ただし,↓のような場合は課税されるリスクありです!
  ・認知されていない
  ・「扶養料」を貯蓄している


【子供の扶養料への贈与税課税】
交際していたカレと別れることになりました。
子供ができて,今1歳です。
手切金というのか,今後の養育費というのか,とにかくまとめて2000万円をもらいました。
贈与税はかかりますか。

→趣旨が子供の扶養料ということであれば贈与税はかかりません。

父と子であれば,当然,「扶養義務」があります。
扶養のための資金は「扶養料」となります。
なお,離婚後の子供の扶養料のことを「養育費」と一般的に呼んでいます。
「養育費」や「扶養料」として妥当な範囲の金額であれば,「贈与」とは違いますので,贈与税はかかりません。
ただし,前提として「父」である必要があります。
婚姻していない父母の場合は,認知を行うことにより,父と子が親子関係が認められます。

【認知と子供の扶養料への課税】
交際相手(男性)と別れました。
1歳の子供がいます。
今後の養育費として2000万円をもらいました。
ただ,事情があって,認知をまだしていません。
贈与税はかかりますか。

→「扶養ではなくて贈与」と認められる可能性が高いです。

認知していない場合は,法律上「親子」ではありません。
「扶養」という義務もありません。
税務署から「扶養料ではなく贈与だ」と主張される可能性が高いです。

【扶養料の使途と贈与税課税】
交際相手(男性)と別れました。
子供がいます。認知もしています。
毎月10万円の養育費をもらっています。
将来のために一部を貯金しています。
贈与税の問題にならないですか。

→扶養料や養育費として妥当な金額ならば贈与税はかかりません。ただし,大部分を貯蓄している場合は税務署から「贈与」という主張をされるリスクはあります。

子供の「扶養」としての費用であれば,「贈与」ではありません。
あとは,金額の問題となります。
極端に高額だと,「扶養に名を借りた贈与だ」と,税務署から主張されることもあります。
また,受け取った「養育費(扶養料)」を貯蓄したり,不動産・株式の購入に使ったりしている場合も,「扶養ではなく贈与」と認められるリスクが高まります(相続税法21条の3第1項3号,相続税基本通達;後掲)。

[相続税法]
(贈与税の非課税財産)
第21条の3 次に掲げる財産の価額は、贈与税の課税価格に算入しない。
1.(略)
2.扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの
3.(以下略)

[相続税基本通達]
(生活費及び教育費の取扱い)
21の3-5 法第21条の3第1項の規定により生活費又は教育費に充てるためのものとして贈与税の課税価格に算入しない財産は、生活費又は教育費として必要な都度直接これらの用に充てるために贈与によって取得した財産をいうものとする。したがって、生活費又は教育費の名義で取得した財産を預貯金した場合又は株式の買入代金若しくは家屋の買入代金に充当したような場合における当該預貯金又は買入代金等の金額は、通常必要と認められるもの以外のものとして取り扱うものとする。(平15課資2-1改正)

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