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A 建物の「朽廃」で借地は終了します。
ただ,「滅失」の場合なら再築は原則OK!
【(借地法)「朽廃」による借地終了】
旧借地法の(建物の)「朽廃」とはどんな意味ですか。
→倒壊寸前程度まで老朽化が極端に進んだ状態のことです。
朽廃とは,最近は使われない言葉です。
法律的な解釈においては,ちょっとした老朽化ではなく,極端に老朽化が進んだ状態のこととされています(判例後掲)。
簡単にまとめると次のとおりです。
<建物の「朽廃」の解釈>
時の経過によって,建物の使用資材が腐朽,損傷している。
全体的に観察してもはや建物としての社会的経済的効用を失ったとみられる状態。
[最高裁判所第3小法廷昭和31年(オ)第508号土地明渡請求事件昭和35年3月22日]
原判決は、挙示の証拠によつて、本件建物の取毀直前の状態を判示して、本件建物に対する全体的観察によると、建物としてはもはやその効用を失つたものと判断しているのであつて、所論のように単に経済的理由によつてのみ本件建物の朽廃という事実を断定したものでないことは原判文上明らかである。そして、原判決挙示の証拠によると右認定は首肯することができ、その認定にかゝる事実関係の下においては、本件建物が借地法二条一項但書にいわゆる朽廃の域に達したものとした原判決の判断は相当であり、原判決には所論の違法はない。
【「朽廃」と「滅失」の違い】
旧借地法では建物の「朽廃」,借地借家法では「滅失」という言葉が使われています。
何か違いがあるのでしょうか。
→判断基準が「自然の推移による腐朽頽廃」なのか,「物理的な存在」なのかの違いがあります。
「朽廃」と「滅失」は似ています。
ただし,次のような細かい差異があります。
<「朽廃」と「滅失」の違い>
「朽廃」
「自然の推移による腐朽頽廃」した状態(大判昭和9年10月15日)。
老朽化の程度が極端に進んでいる,ということです。
逆に言えば,外見的・物理的には(一応)「建物」の姿を保っている場合もある。
「滅失」
物理的に建物が存在しない状態。
【(借地法)建物の滅失と借地終了】
旧借地法の適用がある借地です。
建物が火事で焼失したり,震災で倒壊した場合,「朽廃」として借地契約は終了するのでしょうか。
→借地は終了しません。
物理的な「滅失」(消滅)は,「朽廃」に該当しません。
さらに,借地法7条では,建物の「滅失」について,再築を認める前提の規定となっています。
[借地法]
第7条 借地権ノ消滅前建物カ滅失シタル場合ニ於テ残存期間ヲ超エテ存続スヘキ建物ノ築造ニ対シ土地所有者カ遅滞ナク異議ヲ述ヘサリシトキハ借地権ハ建物滅失ノ日ヨリ起算シ堅固ノ建物ニ付テハ30年間、其ノ他ノ建物ニ付テハ20年間存続ス 但シ残存期間之ヨリ長キトキハ其ノ期間ニ依ル
【(借地法)再築禁止特約の有効性】
旧借地法の適用がある借地です。
建物が火事で焼失したり,震災で倒壊した場合,「再築を禁止する」という特約があります。
結局,再築できないのでしょうか。
→再築できます。これを禁止する特約は無効です。
旧借地法の適用下での土地賃貸借契約書で,「建物滅失後の再築を禁止する」という規定があるものが多いです。
しかし,「建物滅失後の再築」は借地法7条で認められています。
さらに,11条で,これは強行法規とされています。
結局,「建物滅失後の再築を禁止する」という特約は借地法11条に違反するために無効となります(判例後掲)。
[借地法]
第11条 第2条、第4条乃至第8条ノ2、第9条ノ2(第9条ノ4ニ於テ準用スル場合ヲ含ム)及前条ノ規定ニ反スル契約条件ニシテ借地権者ニ不利ナルモノハ之ヲ定メサルモノト看做ス
[最高裁判所第1小法廷昭和31年(オ)第664号家屋収去土地明渡請求事件昭和33年1月23日]
原判決が所論本件特約を借地法一一条によつて無効であるとした旨の各判示は、いずれも正当として是認できる。そして、所論判例は、本件に適切でない。それ故、論旨は採用できない。
[東京高等裁判所昭和32年(ラ)第794号不動産仮処分申請事件について決定に対する抗告申立事件昭和33年2月12日]
抗告人は本件賃貸借契約には、相手方において、本件土地上に建物を新築するときには抗告人の承諾を得る旨の特約があるのに、相手方は承諾を得ることなく建物を建築し、右特約に反したから、本件賃貸借契約を解除したと主張し、抗告人の提出した疎明方法によれば、右のような特約が存することは認められる。しかしながら、相手方は本件賃貸借の期間中はその目的のために本件土地を使用し得る権利を有するものであるから、もし右特約が、相手方の右権利を害する趣旨であれば借地法第一一条によつて無効と解するを相当とするが、その趣旨でなければ有効であると解さなければならない。たとえば、右特約の趣旨が、本件契約の目的を変更する堅固な建物を建築するような場合には抗告人の承諾を必要とする趣旨であれば有効であるが、普通建物を新築し、または普通建物を改築するような場合にまで抗告人の承諾を必要とする趣旨であるとすれば、無効であると解するを相当とするから、右特約の趣旨は無効の特約と解するより、右のような有効な特約であると解する。
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