突然その時はやってきた。
『あ!やべ!』と言った瞬間には右半身が下に引っ張られるような感覚で、背中のほうから落ちていった。
目が冷めた時には、なぜかうつ伏せになっていた。
父が駆け寄ってきて
落ちた場所に池があり下半身が半分浸かっていたらしく、引き上げられた。
私はその瞬間、作業パンツのポケットにスマホがあったのを思い出し
『スマホ!スマホ取って!!』と父に言っていた。
スマホが水没してないことを確認し、次は自分の体の状況を把握した。
打ったと思われる背中の真ん中あたりがズキズキし、その下の感覚はなく
正座をした時の痺れた感覚に近いものがあった。
意識はあったので、その時点で
脊損なったなぁ〜。と感じていた。
父が救急車を呼んでるうちに、記念に自撮り。
既に悟っていたので特に嘆き喚くこともなく
初めて乗る救急車や病院の処置室を楽しんでいた。
病院に搬送され準備に取り掛かるが
服を脱がすにも濡れている。年頃の女の子であるために
服を切ることの配慮をしてくれていたのに加えて
耳の軟骨にピアスや、ジェルネイルをしていたから
検査にかかるまで時間がかかった。
こんな時に変な下着や体毛が生えてたら嫌だなぁ〜
脱毛通ってて良かったなぁ〜と思いながら
切られたブラがユニクロので良かったなぁ、とも思った。
検査室に向かうまで両親が待っている場所を通る。
父は『ごめんな。ごめんな。』と私に言ってきた。
私は初めてそこで泣いた。
私が脊損になったことを悲しんだのではなく、
父がこの先ずっと、自分のせいだ。と責めて生きていくのではと感じたことに…。
主治医から
『なにか聞きたいことはありますか?』と言われたので
『なにも隠すことなく、なんでも言ってください。』そう伝えた。
絶望に向かってるわけではないからこそ
何かを隠される理由などなかったから。
落ちてから全身麻酔の流れのなかで一番辛かったのが
胃の中の食べ物をカラにするための吸引だった。
鼻から管をいれ、喉奥まで通すのだ。
悶絶。
19時頃から始まった手術は深夜2時頃まで続いた。
そう、
ここから
もののけ姫の脊損人生が始まったのだ。
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