たくさんの鎧を着けていました。
「脱いだら、槍が刺さって死んじゃうから」
それにしても重くて重くて、ただ息をしているだけでヘトヘトです。
ある日、ふと横を見ると
鎧を着けてない友人がいるじゃないですか!
びっくりしました。
「ねえねえ、平気なの?」
訪ねると
「そっちこそ大丈夫?超重そうだよ!脱げば?」
「え~?!脱いだら槍が刺さって死んじゃうよ!」
「槍が刺さっても結構大丈夫だよ。それよりも、ほら、一緒にふわふわはしろうよ!」
一人で脱ぐのは結構大変で、その友人は一緒に鎧を脱がしてくれた。
脱いでみたら、走るのが速くなった。
でもやっぱり飛んできたぞ!「槍」
ほら来たじゃん!
でもあれ?体の動きが速いのでハシっとつかめた!
鎧を着てるときは、槍をつかんでまじまじと見るなんてできなかった。
だってちょっとした隙間からしか見えないし、鉄だからつかんだ感覚さえ分からなかった。
初めて手にした「槍」
そして、槍を分解してみると・・・「愛」に溢れてた。
あの人のあんなきつい言葉も、あんな意味不明な態度も、みんな自分が精一杯生きている愛ゆえのものだった。
私は、誰かに「愛」を素直に表現してみた事があっただろうか?
「表現していきたいってちょっと思うだけでいいんだよ。」と友人は笑った。
「それよりどう?みかっちは鎧を脱いだ自分を手に入れたんだよ。自分のチャレンジは、未来永劫にわたって、自分のものになる。こんな清清しさってないよね!槍が飛んできても根本は愛だって分かったし。いいことだらけだよね!」
振り返ると、さっき脱いだ鎧さえも消えていきそうだった。
「ありがとね、私をずっと守ってくれて・・・。」
周りを見ると、まだたくさんの人が重い鎧をつけていた。
友人はニッコリ笑って言った。
「さあ、みかっち!一緒に行こうね。伝えに行こうね。」